素晴らしかった 松山由紀の「ソロ・オイリュトミー」!
私高本は「音楽バカ」なので、「実際に音を出していない方々」については、詳述することは不可能である。これから述べることも「印象批評」の域であるが、「言わずににはいられない強い衝動」に突き動かされたので書く。このようなことは過去に1回しか経験していない。
新国立劇場バレエ芸術監督=ビントレー 就任記念の「ペンギン・カフェ」を含む「トリプル・ビル」を観た時以来!
「松山由紀のオイリュトミー」かれこれ8年観せて頂いているが、今回ほど
松山由紀が聴衆に直接訴え掛ける情熱がひしひしと伝わって来た公演は初めてだった!
前半は、サン=テグジュペリ「星の王子さま」より「きつねと王子さま」を『坪井美香:語り、佐伯周子:ピアノ、小関英勇:照明』で、後半はリスト「ロ短調ソナタ」を『佐伯周子:ピアノ、小関英勇:照明』にて、松山由紀 の ソロ・オイリュトミー で演じた。
「星の王子さま」は絵本も多種多様に出版されているほど、日本だけでなく世界中で愛されている「空」を1つのテーマにした サン=テグジュペリ の文章。日本でも極めて高い人気があり、箱根に「星の王子さま記念館」があり、佐伯周子に連れられて私高本も詣でたことがある。とても夢想的で「夢の膨らむストーリー」が魅力である。松山由紀 を盛りたてる3名の中で、「きつねと王子さま」は語りと照明が主として時間を支配し、ピアノは「クライマックスでのアクセント」に用いられる。主として、フランス系作曲家作品であり、サン=テグジュペリ のストーリーにマッチしている。
「構成=松山由紀」なので、サン=テグジュペリの原作に最適な構成を考えぬいての選曲。素晴らしい感性! グリーグ「ペールギュント」(名作劇音楽で台本が残っている珍しい例)に触れたような新鮮な感触だった。
後半の リスト「ロ短調ソナタ」は語りが無く「絶対音楽の権化」と言われる曲を選択。「振り」を付けるのは難しい曲、と思われるが、とても「曲想にマッチした表現」だったのには驚き。
坪井美香:語り、佐伯周子:ピアノ、小関英勇:照明 のサポート も過去公演に比べて圧倒的な説得力を有していた
ことを記しておきたい。