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「自作の詩」を超える詩を求めて「子供の不思議な角笛」に辿り着いたマーラー 前編(No.2149)

2012-10-19 21:01:39 | 歌曲作曲家・マーラー(1860-1911
 昨日の「老田裕子 X 佐伯周子:マーラー子供の不思議な角笛1899年版」にご来場頂きありがとうございました。アンコールは

  1. 夏に交代 Ablösung im Sommer
  2. 別れて会えない Scheiden und Meiden

でした。どちらも「若き日の歌 第3集」で詩は「子供の不思議な角笛」です。


 本日号は「演奏会批評」では無い。「作品批評」です。


マーラーは『自作の詩に作曲した名曲』がある作曲家だった


  マーラーは「詩作」の達人であり、シューベルト、シューマン、ブラームス と連綿と続く「ドイツリート作曲家大家」としては異例なことに、『自作の詩に作曲した名曲』が存在する。シューベルトも「自作の詩」に作曲しているがあくまで「シューベルティアーデのための作曲」だったようで、出版を働きかけた様子は皆無。マーラーの「執念深い作曲活動」とは雲泥の差(涙


初期マーラー で「生前出版された自作の詩に作曲した曲」全貌



  1. 歌曲「ハンスとグレーテ」


  2. カンタータ「嘆きの歌」


  3. 歌曲「さすらう若人の歌」(ピアノ伴奏版 + オーケストラ伴奏版)



 マーラーは「納得いかない作品」は廃棄したタイプの作曲家。シベリウス や ヤナーチェク ほどは徹底していないので、いろいろと死後に見付かったが。

 上記3曲集を見て、「さすらう若人の歌」は傑作、と誰もが感じるだろう。フィッシャー=ディースカウ の若き日の名演 以来、「高い評価」は続いている。

「さすらう若人の歌」と「ハンスとグレーテ」から、交響曲第1番「巨人」が産まれた! ことは超有名


 つまり、

マーラー交響曲第1番「巨人」は、『マーラー自作の詩に付曲した歌曲』が源泉の交響曲


なのだ。交響曲第1番「巨人」は名曲であり、「さすらう若人の歌」も名曲。マーラーは「自作の詩」に基づく曲だけでも、充分に作曲できた作曲家だったのだ。だが、「壁」に当ってしまう(涙

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