「ルチア」デビュー前から「完成されていたアリア」の実像
私高本も瞞された録音の真相はこれ(爆
カラス(s) ドニゼッティ「ルチア」公開放送録音 ファブリティス指揮ローマRAI放送管弦楽団 1952.02.18
カラスの歌:☆☆☆☆☆
指揮者 :☆☆☆☆☆
共演者 :☆☆☆☆☆
ライブ感 :☆☆☆☆☆
録音 :☆☆☆☆
歴史的意義:☆☆☆☆☆
舞台初演日&場所:1952.06.10 メキシコ
スカラ舞台初演日:1954.01.18(カラヤン指揮&演出)
前年1951年12月7日にカラスは念願の「ミラノ・スカラ座シーズンオープニングのプリマドンナ」に指名された。ヴェルディ「シチリア島の夕べの祈り」であった。その日から「カラスの生活」は一変して、いろいろな人&機関からひっぱりだこになった。
『イタリアRAI放送』が1952年から(1957年まで)「偶数年はオケ伴奏のリサイタル、奇数年は演奏会形式オペラ全曲通し」を開始
もその一環。その第1弾の「目玉」がこれ。指揮者=ファブリティス とは、前年のメキシコ公演で気心の知れた仲。「3点Es」カマした「アイーダ」の売れている方の時の指揮者、と言えばわかり易いだろうか? 「伴奏型指揮者」だがうまい!
・・・で、ありとあらゆる資料を探して見たのだが、「カラスのルチア公演」はこの年の6月の「メキシコ公演」が世界初。つまり4ヶ月前なのだ > この録音。全部で8曲演奏しているのだが、気合いが入りまくっているのが
ヴェルディ:マクベス
ドニゼッティ:ルチア
の2曲。「マクベス」はこの年末のミラノ・スカラ座シーズンオープニングに予定されていた情報を知っていたんだろうな(爆
「ルチア」は(夫のメネギーニの著書に拠ると)シチリアーニが薦めたオペラ。メキシコ公演前に何か打ち合わせがあったのだろう。その前のこの記念碑的リサイタルで「イタリアの聴衆にお披露目」をしたワケだ。素晴らしい歌唱! あぁ、最後は3点Esだし、直前Bにはきれいにトリルがかかっているよ。4ヶ月後のメキシコ公演のライブ録音について永竹由幸が書いているのを読むと、購入を躊躇せざるをえないのだが、この演奏では「万全のカラス」が聴ける。しかも「100kg時代でパワー全開」だ! 前年にブラジルで支配人=ピントを半殺しにした当時のパワーがある!!!
この演奏を「説明無しでボーナス・トラック」に入れていたために、何が何だかわからなくなっていた 「1957年ルチア」。 罪作りだね~(爆
一点、前回「カラス(s) ドニゼッティ「ルチア」公開放送録音 ファブリティス指揮ローマRAI放送管弦楽団 1952.02.18」という本記事にコメントしてしまったのが悪かったとは思っておりますが、
「この演奏を「説明無しでボーナス・トラック」に入れていたために、何が何だかわからなくなっていた 「1957年ルチア」」
の方のレーベル・番号等をご教授いただければありがたく思っている次第です。
高本様の興味深い記事を読ませていただいたおかげで、カラスの演奏に対する認識が深まっています。何度もお願いしてしまい本当に恐縮なのですが、お時間のあるときにでもよろしくお願いいたします。