詩人PIKKIのひとこと日記&詩

すっかりブログを放任中だった。
詩と辛らつ日記を・・

登山

2008年10月09日 | 日記
人生は
引き返すことの連続だ

登山もその連続で
その日の体調や
天候のせいもあるし
最近は荒れた道も多く
ぼくのようなおっちょこちょいは
間違った道へと迷い込むことも多い

引き返すには
とても勇気がいる
人生でも 
登山でも
引き返したあとには
臍を噛むような空しさが残る
死なないで済んだんだという安堵感と一緒に

最近のぼくは
いつも思うようにしている
「ありがとう、貴重な体験を」と
そして
決して引き返さずに済む道を
いつかは見つけてやるんだと
いつも心に誓う

波に揺れる小舟のように

2008年10月09日 | 日記
いつも衝動的で
脳天気なぼくだったので
気づいてみると
嵐の真っ只中ということも多かった

けれども
波に揺れる小舟のように
生きてしまったことに後悔はない

波に揺れる小舟には
波に揺れる小舟にしかない
楽しさや充実感があったから

どこかの岸辺に
たどり着けなくったっていい

すがしいすがしい朝の太陽や 
動転して動き回った嵐の夜や 
君と過ごした風の中での想い出は
ぼくだけのものだから

路上にて

2008年10月09日 | 日記
秋の路上で
立ち尽くしていると
思いがけない発見がある

点々と妖精の足跡みたいな
ヘビ苺の紅に見とれてると
ふっと草むらから
茶褐色になったよれよれのカマキリ

路上は
人生に似ているのかもしれない
路上生活者が
その国の人々の未来を
暗示しているように

道はまた
文化や文明にも似ている
誰もが便利さを感じて歩きだすと
それが世界中の人々が歩く
公道という文明になってゆく

そこからまた
枝分かれしてゆくこともある
新しい風土に根ざした
新しいアイデンティティに満ちた
文化もあるに違いない

いつしか
誰も通らなくなった
お地蔵さんだけが
ひっそりと佇んでいるだけの山道があり
利己的で悪名高い
トヨタのジャストインタイムで
車や車部品を積んだトラックで
夜中煌々とまばゆい高速道路もある

そして
ぼくの今日の小道は
ウロコ雲の下を
綿毛がふんわりふんわり
飛んでゆくばかりの野の小道
手をかざせば
馥郁たる秋風の中