詩人PIKKIのひとこと日記&詩

すっかりブログを放任中だった。
詩と辛らつ日記を・・

あっぱれトランプ!<本澤二郎の「日本の風景」(3361)

2019年07月03日 | 犯罪
<24時間で実現した630の板門店米朝会談>

 昨日も悪天候だった、そのおかげで6・30板門店での第三回目の米朝会談の生放送を目撃することができた。G20でもそうだったが、地球に雷雨ばかり降らせることに専念してきたワシントンの暴れ馬が、朝鮮半島の38度線、板門店で見事な歴史的瞬間を世界に見せてくれた。あっぱれトランプと絶賛したい。24時間の決断に応じた朝鮮労働党委員長の金正恩も、である。朝鮮半島8000万人の頭上に輝く太陽は、紆余曲折はあっても、確実に定着して、前に進んでいる。後退後退の日ロ関係と対照的ではないか。

<埒外の安倍晋三と日本外務省>
もう一人の主役は、韓国大統領の文在寅である。
 とはいえ、G20のあと板門店視察を日程化したトランプとそれを、側面から推進した文在寅の勇断に敬意を表したい。いろいろあっても、こうした決断をしたアメリカ大統領は、過去に一人もいなかった。

 半島の平和を悲願とする南北朝鮮の人民の存在が、大きく後押ししたもので、この流れは誰も押しとどめることはできない。習近平・プーチンも支援しているのだから。

 東アジアの歓喜を横目で眺めるだけで、半島の平和チームのわき役どころか、外されてしまっている安倍晋三と日本外務省の無能・無責任に、日本国民は改めて衝撃を受けている。


<前進、前進あと半年が勝負か>
 南北戦争の象徴である38度線の境界線へとトランプが、ゆっくりと韓国から歩み寄ると、合わせて北朝鮮から金正恩が歩いてきて、国境線で三度目の握手をすると、トランプは米国大統領として名誉ある一歩を北の領土に踏み入れた。あっぱれ見事な歴史的瞬間を演じた。

 和解の本物ぶりを実演したのだ。金日成・金正日が果たせなかったことを、孫の金正恩が果たしたことの人民の感動は、如何ばかりであったろうか。涙する瞬間だろう。

 神妙なトランプに笑顔の金正恩をそばで支えてきた文在寅は「朝鮮半島の非核化と平和プロセスの大きな峠を越えることができた」と感動したが、当事者として当然であろう。


<金正恩・文在寅・トランプ三者の勇気を結実させよ!>
 南北の分断を良しとしてきた日本政府の外交的敗北の瞬間ともなった。ワシントンのポチは、ただ右往左往するばかりだろう。

 国費を使っての参院選向けの事前運動と位置付けたG20のおもてなしに、したやったりの感慨に浸っていた晋三の心臓が、激しく振動したであろう。北朝鮮脅威論に拉致問題まで悪用してきたシンゾウを、東アジアの諸国民は許さない。そうして手に入れる欠陥機F35と空母「出雲」と地上型ミサイル「イージスアショア」で崩壊する年金、さらには10%消費税で日本経済の底が抜ける日本列島を、311の東電福島原発の放射能が覆って止まらない。


 日本沈没をしり目に、トランプ・文在寅・金正恩の南北和解による東アジア経済共同体は、ほぼ100%開花するであろう。

 歴史は、この新しい平和経済に棹差す日本政府の誕生を求めている。野党にこの自覚があるのだろうか。ここが不安材料である。繰り返し歴史的使命を帯びている枝野の選挙戦略が心配なのだということを、指摘しておきたい。


 朝鮮半島は、あと半年でさらなる激変を予想できる。その過程で、トランプが公言したように、北朝鮮に対する政治的な経済制裁は解除される。三者の意向を体したチームが、これから2週間、3週間の間に誕生させると断言するトランプである。側近のポンペイオ国務長官をそばに置いての公約なのだ。ホワイトハウスの強面の人物・ボルトンも板門店会談に連れて行っている。

 再選運動に走るトランプの、東アジアの非核化と平和プロセスは、いい加減な政策ではない。

   ポプラ並木

2019年07月03日 | 思い出
ふるさとを見下ろす丘の上には
北大にあるよりもはるかに長大なポプラ並木が
山懐にぽつねんと開けた牧場を取り巻いていた

休日には牧場からの馬車がさびれた街へと降りていった
馬車の後ろの席の子供たちは誰もが薄汚れて
父親似のこずるそうな眼がときどき妖しく光った
牧場敷地内への無断立ち入り者を威嚇するための散弾銃が
その髭面の中年男のすぐ横で鈍く光った

ポプラ並木からの風景は雄大だった
牧場の牧草地越しに幾重の年輪のような潮目と船の軌跡
寂びれてゆくばかりのあわあわ霞む半島が見え
海峡を行き来する漁船やタンカーが退場してゆく

中学時代のある日
友人をその場所に案内したことがある
「君の家の横に流れる川の源流だよ」と指差すと
海と入り混じるあたりに一羽の海鳥が浮かんでいた
まるで落伍者坂口安吾の哀しみのような淡い絹雲と遠浅の海

背後の牧草地では
実を採るために植えられた胡桃の木の間を
牛たちが日がな一日のんびり草を食んでいる
彼らのほとんどとはすっかり顔なじみなので
牧草を食むのを止めない

渡り鳥が海峡を越えて南下してゆく秋
一群の栗鼠が枝から枝へ胡桃を抱えて走り回る
餌がなくなると殺しあう縞リスではなく蝦夷リスだ
谷の上に鎌のように昇った月明かりの中を
なんの迷いもなく虚空へと飛ぶ栗鼠の群れ

星がばら撒かれる頃には
人工衛星が蒼穹のはての海へと落ちてゆく
鋭い殺意を持て余した翳がゆるゆると動きだし
風にひるがえる海沿いの街へと下ってゆく