ニューズウィークが『「新型ウイルス=生物兵器」説、専門家が解説』なる記事を載せていたが、武漢の動物市場は中心地から30Km離れているとか、インフルエンザ系のウィルスと言っても、寒いところで発生するものであるのに対し今回の新型コロナ・ウィルスは熱帯や亜熱帯で多湿地帯でも発生している点で異なる性質が在るとされている。これを見ると、新型コロナ・ウィルスは生物兵器開発中に漏れた物では都思いたくなる。
以下その記事からの引用::::::::::::::::::::::::::::::::::
中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎は、人から人への感染も確認され、感染者数は瞬く間に2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)の全世界感染者数(8096人)を上回った。当の中国当局をはじめ、感染者が確認された日本や米国、台湾など各国・地域でも対応に躍起だが、その一方で、猛威をふるう新型ウイルスについて、米メディアなどでは「現地の病源体研究機関から漏れた」「中国の生物兵器」とする指摘や疑念も提示されている。
松本・地下鉄両サリン事件で日本の警察に協力した実績を持ち、毒物、生物・科学兵器などの研究で世界的権威とされる台弯出身、米国在住の化学者、杜祖健(と・そけん)氏(89)=英語名アンソニー・トゥー氏=が、これに関し「生物兵器研究所から細菌やウイルスなどの病原体が漏れ、騒動になることはよくある」と指摘。また、この分野でも中国と台湾が対峙している実情を含め、現時点での見解を語った。
生物・化学兵器の権威が「バイオ兵器説」を解説
「新型コロナウイルスは中国の生物兵器なのか」この問いかけに対し、米コロラド州立大名誉教授である杜氏は「現段階では判断できない」としつつも、「1979年に、旧ソビエト連邦・スべルドロフスクの生物兵器研究所から炭疽菌が漏れて、多くの市民が死亡した事件は有名」などと過去の実例を挙げる。
また、今回の病原の出所が当初は武漢の市場などと報道されたものの、その後、米メディアがイスラエルの元軍関係者の証言をもとに「中国科学院武漢病毒研究所から漏れた」などと報じ、「中国の生物兵器」である疑念も示されたことについては、その「可能性」に関してのみ肯定してみせた。
武漢病毒研究所は、致命的レベルのウイルスを扱うことが可能なバイオセーフティーレベル4(BSL-4)の研究所だとされており、杜氏は「この設備は2015年にできた」と証言する。
「私が最後に中国を訪れた2005年、北京の生物兵器研究所で講演したときにはBSL-3の設備が出来たばかりだった」「今なら武漢病毒研究所で一番危険な研究もできる」と、中国がこの分野の研究を短期間で進歩させたことを強調する。
過去には台湾の生物兵器研究所からSARSウイルスが漏れた例も
台湾出身の杜氏は、日本統治時代の1930年生まれ。父は台湾人初の医学博士号取得者として知られる杜聡明氏(1893~1986)だ。自身は化学者を志し、戦後は台湾大を卒後に渡米。スタンフォード大(博士)などで学んだ。
蛇毒の研究を専門とし、生物・化学兵器に詳しく、オウム真理教による松本・地下鉄両サリン事件では、日本の警察に協力してサリン検出法などの情報を提供。こうした功績から2009年に旭日中綬章を受章している。
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また研究目的で2011年以降は、オウム真理教の教団内でサリン製造の中心人物であり、VXガス殺人事件にも関与した死刑囚と、刑執行直前まで面会を重ね、著書『サリン事件死刑囚 中川智正との対話』(角川書店)などで事件の真相に迫った。
杜氏は今回の新型コロナウイルスの感染拡大騒動に関連し、一例として「一般には知られていないが台湾にも生物兵器研究所があり、最新の設備、BSL-4がある。SARSウイルスも培養、研究していた。かつてこれが外部に漏れたこともあるが、すぐにコントロールできたので大事には至らなかった」などと、その知られざる実態を証言する。
現在もなお台湾がSARSウイルスを培養しているかどうかは「わからない」と断ったうえで、「生物兵器は相手が何を作っているかがわかれば、ワクチンや抗毒薬で対応できる」と、この方面でも中国と台湾の対峙があることを示唆。「しかし、どの国でも何を作っているかは極秘にしている。わからないことは多い」という。
中台緊迫時に、台湾を襲った中国発の口蹄疫
台湾では、1996年、台湾初の総統直接選が行われ、中国がミサイルを台湾近海に発射するなど圧力を加える中、台湾の民主化・本土化を進めてきた李登輝氏が当選したが、その翌年の1997年、台湾の養豚業界では中国発の口蹄疫がまん延し、400万頭以上の豚が殺処分され、台湾産豚の海外輸出が禁止されるなど、約1700億台湾元(約6200億円)もの損失が生じたとされる事例があった。
杜氏はこうした事例に触れ、「米国の報道には、これは中国の生物兵器で、台湾に対して使用したという報告もあった」と同様の疑惑に言及。事実、台湾ではこれ以降、中国発の疫病などへの警戒感を強めており、2018年には、中国でアフリカ豚コレラが流行していたことを受け、台湾の農業委員会が「2018年アフリカ豚コレラ中央災害対策センター」を設置。中国と一定の距離を置く与党・民主進歩党の蔡英文総統が、台湾の養豚業者などに注意喚起する一方、中国に対しても「発生状況を隠さないように」と呼びかける一幕もあった。
杜氏は口蹄疫流行の際の「生物兵器説」については、その後の台湾訪問の際に、実際に生物兵器研究所に問い合わせたというが、「可能性はあるが、真偽はわからないという回答だった」と回顧。また同様に中国でも軍の生物兵器担当者に確認したというが、「『そんなことは絶対にない』と、予想通りに否定された」と証言する。
「しかし当時、台湾で流行した口蹄疫は台湾在来の菌種でなく中国甘粛省蘭州の研究所から出てきたとされている。生物兵器かどうかの真偽は不明だが、仮に真実でも使用者側は必ず否定するだろう」と断言。そのうえで「生物兵器での防御では、情報収集が非常に大事だ」と指摘している。