みずほフィナンシャルグループは2021年8月20日、5度目のシステム障害を起こしている。障害の原因は、障害の原因は、営業店や行内端末と勘定系システムをつなぐ「業務チャネル統合基盤」を新勘定システムに移行しようとした際のデータベース・サーバーのハードウエアのトラブルだという。銀行がシステム構築できるわけが無いから、金融庁がみずほに業務改善命令を頻発しても効果は薄いだろう。明らかにシステムベンダーのせいである。そのシステムベンダーは富士通。4回にわたるみずほ銀行のシステムダウンで、みずほ銀行は頭取が責任を取って退任し、5回目は新頭取の配下でのシステムダウン。
昨年暮れには、東証のシステム障害が起きたが、そのシステムは、富士通が開発した株式売買システム(アローヘッド)。東証と親会社の日本取引所グループ(JPX)は、東証の宮原幸一郎社長が引責辞任し、JPXの清田瞭CEO(最高経営責任者)が東証の新社長に就任している。富士通は社長ら5人を減俸処分、社長報酬50%カットというが、東証理事長は責任を取っているのに、富士通が責任を取って経営陣が大幅入れ替えをしたということはなかった。
富士通だけではないが、日本の大規模基幹システムでの障害が頻発する理由は、大手システムベンダーの経営方針によるものである。というのも、大手システムベンダーは、特に富士通は、実際の開発作業は下請けにやらせ、内部の技術者は外注管理だけになっている。したがって、自社の技術者には、ソフト開発経験者が少なくて、システム要件だけを外注に提示し、基本設計は外注に書かせて、注文を付けるだけ。こんな状況だから、基幹システムで障害が頻発するのは当然。自社内でシステム開発するような経営方針に変えないと、日本の情報システム、障害頻発となりかねない。