『あざみの歌』は まだ歌えますか

泣いて、笑って、歌って介護!!そんな日常の過去の記録と
新たに今一度自らを見つめてぼちぼちと戯言なりを綴ります。

おかん

2008年05月12日 04時04分23秒 | 日々の出来事
「これで美味しいコーヒーを入れてくれ。」とⅠから白いホーローのケトルが届いた。
初めてのお給料で買ったのだと、母の日のカードが添えてあった。
カードを開くと、小さな字で何やらぎっしりと書いてある。

え?・・・手紙なんてもらうの初めてだよ。


             


子供ってぇのは、それなりに大きくなれば、
それなりに巣立って行くもんだと漠然と思っていた。
勿論、心配しなかった訳じゃない。
月足らずの未熟児で生まれて病気ばっかり。
ぴぃぴぃデュエットで泣いてたチビ達。
無事で育てよと、そういう心配は人一倍したとは思う。

あちこちで躓いたり転んだりしながらも
もう私は必要ないな・・・って所まで大きくなったと思ってたのに、
まぁ、そうは簡単に問屋は卸さなかった。
とは言え、もう親が口出しする年でもないし
自分の人生だからね・・・と半ば傍観者でいたのだけれど
昨年秋からこの春にかけて、そうも言ってられない事が色々あった。

正直結構堪えた。

その昔「俺らはおかんの背中だけみて育ったんや。」と冗談で言ってたのを思い出して
本気で背の君に「ごめん。やっぱり私の育て方が悪かった。」と言ってしまった程。

私は、今の世の中では生き難いようにあいつらを育ててしまったのかな?
私の価値観。私の正義を押し付けた事がいけなかったのかな?
なんて柄にも無くそんな事で凹んだりして・・・。




あらいやだ。いつもと違う今日の私 


             


「おかんへ。」・・・と始まるⅠからの手紙。

せやった。私は おかん やったな。ちょっと忘れかけてたわ。

夜遅くなってからⅡから携帯に電話が入る。
「母の日、おめでとうな。」
・・・おめでとうって、母の日は正月ちゃうで
メールに返事がないと思ってたら、風邪で寝込んでいたらしい。
「今から送っても間に合わんから、近いうちに何か買って帰るわ。」
・・・ちょっと待て、あんたの部屋は今物置や。寝るとこないで。

はよ片付けなあかんがな・・・せやねん。私はまだ おかん やわ。



「おかん。俺が言えた義理ではないけど、
 もう少し自分に優しくしてください。体にだけは気を付けて。」

Ⅰの手紙の最後に書いてあった。

・・・あのアホ、何書いてんねん・・・不覚にも泣いてしまった。
・・・まいったなぁ。
・・・あんたらこそ、体に気ぃつけなあかんで。





あら嫌だ。今日の私はホントにちょっと変。え?いつも変?

だって何だか嬉しいような、寂しいような、変な気持ちなのですよ。
まぁ、たまにはこんな日もあってもいいって事にしてくださいな。







コメント (11)
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