「やまぐちフラワーランド」で行った「パステル画体験教室」での皆さんの変化を画像で見てみたいと思います。
まずこの方を「Aさん」とします。このAさんは40代の方で夫婦でこの講座に来られました。
奥さんの方の最初に描いたパステル画ですが、まだパステルの使い方やその効果がわからず「実験」の段階であることがよくわかります。
ところが次に「キャンソン紙」の色を変えて描き始めると、その効果が目に見えて感じることができ、1本の線の色に対する気持ちが変わっていっています。
1本の線を何色にしたらいいかかなり考えていて、「表現」としての次のステップを考えはじめています。
パステルも単なる道具ですので、それをある程度体で覚える必要があります。
次にこの作品を描いた人を「Bさん」とします。「Bさん」は最初このように「こすったり」「ぼかしたり」してパステル」の感触を確かめていました。
ところが、この方も「キャンソン紙」の色を変えてみて「明度」や「彩度」に気づき、それを最後まで生かすのにはどうしたらいいか工夫していました。
また、「ポイント」となる部分を作り、絵全体がバランスあるものにしようと試みているのがわかります。
この作品は「Cさん」の作品で、「Cさん」は30代の人だったと思います。この方もパステルと言うものがどんな効果があるのかいろいろと試しているのがわかります。
やはりこの方も「キャンソン紙」の色を変えてから、その効果に気づき、その画風まで変わっていくのがよくわかります。
また、生き生きとした効果を出すにはどうしたらよいか、かなり迷っていたのがわかりました。
この方は「Dさん」で70代の方でしたが、「絵は苦手」と言ってはじめはなかなか前にすすみませんでしたが、描くうちにパステルとその色の魅力に取り付かれ、だんだんと変わっていくのがわかりました。
この作品が最後に描いたこの方の作品ですが、とても自由に伸びやかな表現になっていることがわかります。
この4人の方の変化に見られるのは、まず「パステルになれる」ことから始まり、「キャンソン紙の色」を変えることにより「パステル」が持っている「発色の良さ」に気づき、それを生かそうとしているところだと思います。
絵を描いている途中に、誰もがあたるこうした「表現や発見」との出会いが「次のステップ」へ大きな弾みになるのだと思います。
また、それが「創作の喜び」として次の制作への「あしがかり」になるわけですから、とても大事な行程の一つだと思います。
たかだか2時間の間に、これだけの変化が見られるわけですから、今後時間を描ければ誰でもその人なりの表現ができるということになります。
ただ、そうした「表現」や「発見」との出会いは、自分で創らないとないわけで、そこが大きな「ポイント」になるのではないでしょうか。
「絵が描けない」という人は、そうした「ポイント」を見過ごしているか、違うことにより流されてしまっている結果、何も生まれて来ないという状態に陥るのではないかと思っています。
ふだん何気なく見ている「花」でも「きれいだな」と思う瞬間があります。その瞬間を絵画に表現すると、ふつうでは描けないものが描けるようになるから不思議です。
「感性」とは理屈ではありません。その世界へ自己を投入することで、今まで見えなかったものが見えてくる世界だと、つくづく思う「体験教室」ではなかったかと感じています。