「なんやなんや~!
「お花や!お花や!」
「あ!ほんま!お花やさかいに!」
というわけで、わんこたちが群がっているのはナガミヒナゲシ(長実雛芥子)の花。
この時期と秋口にかわいらしい花を咲かせる野草で、名前の通り長い実をつけるひなげしであります。
もともとは地中海周辺のやせた土地出身ですが、いつのまにやら海を越えてやってきて、
いまでは街中のあらゆる場所で目にすることができます。
もともとがやせたアルカリ性の土地の出だけに、都会のコンクリート造形物周辺が居心地いいのでしょう。
春風、秋風にゆらゆら揺れるその姿がとてもかわいらしく、私の大好きな花の一つです。
それだけに咲き始めは嬉しくて、見かければ毎回写真を撮ろうとするのだけれども…
う~ん、どれもイマイチ…
いくら頑張っても、よいカメラを持ち出しても、目で見たあのかわいらしさと美しさがそこにはない。
そのくせ散歩中にでも見かけたら、
たとえそれが、小ぶりで色の褪せた感じのいまいちな個体でも、ものすごくかわいらしくきれいに目に映る。
でも当然撮影するとまるでそんなことはない。
これって一体どういうこと?
これが本当に写真写りが悪いってことか?
でも、思うに多分、これは視点の違いなんでしょうね。
散歩中に見かけるときにはいつも、その咲いている周辺も目に入る。
で、そこは大抵が荒れた場所で、正直きれいな場所とはいいがたい。
(ほら、ほかの草花が苦手なやせた土地が得意だから。)
そんな場所できれいにかわいく、おまけに弱弱しいイメージで花を咲かせるもんだから、
その落差ゆえに、より素敵に見えてしまう。
でもカメラで撮影しようとすると、どうしても花周辺を切り取ってしまうので、
そうなると、つい(無意識にでも)見慣れたほかの花々のイメージと比べてしまうので凡庸に感じる。
(かといって、広く全体を映すと周辺の荒れた場所が目に付く上に、小さな花はいよいよ目立たなくなる。)
つまりそういうことじゃないかな?
だから、こういう風に考え始めてからは、
とても大好きなこの花ですが、ほとんど撮影することはなくなりました。
でも、やはり咲き始めるとうれしいもので、
「お!もうこの時期か♪」
毎回足を止め、風にそよぐ可愛い花を眺めるのです。
だからもう以前のように手折って家に飾ることもなくなりました。
やはり野に置け、長実雛芥子
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