伯爵の目にぞっとするような表情が浮かんだ。それは失望と激しい苦痛、そして深い絶望だった。もはや言うことを聞かない肉体の中で精神がもがいていた。知性、思考、そして意志の力がもはや活気づくことのない屍の中で鎖に繋がれているようであった。自身の無力さの自覚が狂わしい怒りの痙攣となって表れた。両手を握りしめ、首筋の血管は膨張し、目は眼窩から飛び出さんばかりだった。そしてしわがれた、人間のものとは思われぬ声が喘ぎながら言っていた。
「マルグリット……無一文に……気をつけろ……お前の母さんが……」
それっきりだった。これらの言葉が最後の精神力を繋ぎ止めていた糸を断ち切ったかのようだった。
「神父様を!」とマダム・レオンが痛ましい声で叫んだ。「誰か、早く、神父様を呼んで!」
「むしろ公証人でしょうな」とカジミール氏が仔細らしく言った。「遺言をなさりたいご様子なのは明らかですから……」
ジョドン医師が顔をこわばらせ、蒼白になった。彼はベッドに近づき、目を走らせ、重々しい声で言った。
「ド・シャルース伯爵、御臨終です」
愕然たる沈黙がしばらくその場を支配した。死が突然、予期せぬうちにやって来るとき、このような深い沈黙が襲う。疑念、エゴイズム、そして激しい恐怖の混ざった感情。この虚無から否応なしにやって来る密やかな感情が個々人を我が身に立ち返らせ、次の使い古された言葉を思い起こさせる。
『人間なんて、ちっぽけなもんだ』
「さよう、御臨終です」とジョドン氏は呟いた。「一巻の終わり……」
彼はこのような臨終の場面に立ち会うことには慣れていたので、いつもの冷静さで、マルグリット嬢をこっそりと観察した。彼女は雷に打たれたよう、と言うよりは凍りついたようになっていた。目に涙はなく、顔を引き攣らせ、その場にじっと留まったまま、ド・シャルース伯爵の死体の方に首を伸ばしていた。何かの奇跡を待っているかのように、永遠に閉じられた死者の口が決して話すことなく墓場まで持って行くことになった秘密がその唇から漏れるのを聞こうとするかのように。ジョドン氏のみがそれに気づいた唯一の人間であった。
他の者たちは蒼ざめ、茫然自失の態で、失望の視線を交し合った。女たちはその場に頽れ、跪いて泣いていた。皆が口の中で祈りを唱えながら……。その中でひときわ高く啜り泣きの声を上げていたのはレオン夫人であった。最初は不明瞭な呻き声を上げていたのだったが、突然マルグリット嬢の上に身を投げかけ、抱きしめながらこう叫んだ。
「何という不幸でしょう!可哀想なお嬢様! 大切な方をお亡くしになって!」
マルグリット嬢は全く口のきけない状態だったので、家政婦をそっと押しやって身を振りほどこうとしていた。しかし、マダム・レオンの方はお嬢様にしがみつき、尚も言葉を続けていた。
「お泣きなさいませ、お嬢様、お泣きなさい……苦しみをご自分の中に閉じ込めちゃあ駄目です……」1.27
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