この世におけるsoulmateを喪いました。
以下は、その二週間前、本人宛にメールで送ったものです。
自分の一部も共に死ぬのだというメッセージを受け止め、
案外気に入ってくれたのが、せめてもの救いです。
死に行く者の目で街を見る
死に行く者の目で街を見る
眼差しの奥にあるものは自分ではない
元気な頃の夫でもない
重く暗く絞られてゆく一眼レフ
死に行く者の耳で風を聴く
風上に源を探すことなく
風下に思いを馳せることもない
ただ風の中に一筋の叫びを聞く
残される者の脚で街を歩く
残される者の手で風を掴む
触れるものすべてそこにはなく
掌に残るのは今はない温もり……