プカプカプク日記 ~Life is Trip~

週末の食べ歩きや国内・海外旅行記など
お出かけ日記を中心に気ままにお届けいたします 
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『日の名残り』

2024-02-01 | プクニの本棚
『日の名残り ノーベル賞記念版』カズオ・イシグロ/早川書房(2018/4)

品格ある執事の道を追求し続けてきたスティーブンスは、
短い旅に出た。
美しい田園風景の道すがら様々な思い出がよぎる。
長年仕えたダーリントン卿への敬慕、
執事の鑑だった亡父、
女中頭への淡い想い、
二つの大戦の間に邸内で催された重要な外交会議の数々―
過ぎ去りし思い出は、輝きを増して胸のなかで生き続ける。
英国最高峰の文学賞、ブッカー賞受賞作。
~内容紹介より

映画化もされましたね、
私は映画は直ぐに観ていました。

 

映画は小説の4年後の1993年。
ブッカー賞の受賞は小説の出たと同時の1989年、
ノーベル賞文学賞は28年後の2017年受賞と言う作品です。

イシグロ氏の本を読むのは『わたしを離さないで』以来2冊目。
ドラマ化もされたので知ってる人も多いと思いますが、
臓器提供のクローン人間とビックリなテーマのお話しでした。

『日の名残り』は、映画を観て原作者が元日本人と知って
長崎出身のイシグロ氏は5歳の時に日本人の両親と共に渡英し、
成人を機にイギリス国籍を選択されてます。


映画を観た時は、アンソニー・ホプキンスの老執事役がピッタリで、
女中頭役のエマ・トンプソンもとても良かった。
この映画を観てエマ・トンプソンのファンになりました。
もう20年以上経っているので映画を観た時の感想も薄れてますが、
本文中の言葉を借りるとすると、おセンチな恋愛小説風でもあり
いつまでも観ていたい叙情的な映像でとても良かったと記憶。
大英帝国の落日を語る
今で言う英国ドラマ『ダウントンアビー』の世界。

本を読み終わった今またもう一度観なおしたい映画です。


『わたしを離さないで』が強烈なテーマだったので、
この原作の本当の意図は?と気になって今回読んでみた。
これはただの感傷的な恋愛小説?
それとも何か他の意味でもあるの?と。

ネットでぐぐると、、、

「日の名残り」は、
ダブルミーニングどころか、複数の物語を幾重にも重ねられている。
こんな短い小説なのに、凄く複雑な構造だ。
だからあらゆる登場人物や逸話、小物が全部パロディーのネタになっている。
この小説にはパロディー以外の部分なんてない。
直接名前は出てこないが、
ロスチャイルド家が隠れた存在として非常に大きな意味を持つ。
ユダヤ人の物語でもある。
実際に登場するユダヤ人は女中の2人だけだが。
ユダヤ人にほとんど触れずにユダヤ人のことを語る作品である。
おセンチな恋愛小説では決してない。
JFKネタも散りばめられている。。。云々

なんて、書いてる人もいて へえ~、そうなの?
そんな英国パロディーネタのことは私には解りませんが、
あとがきに村上春樹氏が書かれていたように、
私も礼節を重んじ、主従関係の主に逆らわない武士道のよう。。と感じました。
原題の「the day」がdaysではなく、
いつの日を指すのかも気になりますが、
原文で読まないと作者の意図も解らない事も多いのでしょうね。

と、今後も読んでいきたい作家さんに違いありません。
取り敢えず今週末に映画をアマプラで観ようっと。
(今アマプラでレンタル400円か。。。





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