2月5日は南岸低気圧の東進に伴い、関東地方でも大雪となりました。興味深い事例なので、メモとして記事を上げておきます。
以前、2018年の1月に「南岸低気圧に伴う関東地方の降雪を考えてみる」と言う記事を書きました。まずはその内容を簡単に振り返ってみましょう。
南岸低気圧の接近時、関東平野に流れ込む南東~北東の風が、北から流入する寒気を堰き止めることがあります。この結果、関東平野では寒気が滞留します。
また、低気圧に伴う雲から滞留寒気に向かって雨粒が降り注ぎ、これら雨粒が蒸発すると、下層空気の冷却が進みます。これは雨粒の相変化に伴い、周囲の空気から潜熱が奪われるためです。こうして「地上から上空まで」十分冷えた状態が形成されます。
従って雪から雨に融けにくくなるので、その分「雪の状態を維持したまま」地上に到達しやすくなります。
さらに、低気圧の後面では融解層も下がるので、上空の降水が雪のまま地上に到達することがあります。この場合は「雪から雨に融けるよりも、地上に到達する方が早くなる」のです。
さて、件の2月5日は前線を伴った低気圧が日本の南岸を東に進みました。さらに上空の寒気も南下しており、東日本の太平洋側の地域でも、北東の流れに伴う寒気の流入が見られました。
北東から関東山地に流れ込んだ寒気は、南岸低気圧に伴う南寄りの風によって堰き止める形となりました(この点は冒頭の構図とは異なります)。さらに、上空寒気の南下に伴い融解層も下がったことで、上空の降水が雪のまま地上に到達しやすくなりました。
2月5日の東京における時系列変化です。正午を過ぎて降水が始まり、気温も「釣瓶落とし」の如く降下しました。上空の寒気の南下に加えて、滞留寒気に降った雨粒が蒸発した効果も合わさって、下層空気の冷却が進んだようです。この結果、地上から上空まで十分冷えた状態が形成されたことで、16時以降には降雪が始まりました。
以前、2018年の1月に「南岸低気圧に伴う関東地方の降雪を考えてみる」と言う記事を書きました。まずはその内容を簡単に振り返ってみましょう。
南岸低気圧の接近時、関東平野に流れ込む南東~北東の風が、北から流入する寒気を堰き止めることがあります。この結果、関東平野では寒気が滞留します。
また、低気圧に伴う雲から滞留寒気に向かって雨粒が降り注ぎ、これら雨粒が蒸発すると、下層空気の冷却が進みます。これは雨粒の相変化に伴い、周囲の空気から潜熱が奪われるためです。こうして「地上から上空まで」十分冷えた状態が形成されます。
従って雪から雨に融けにくくなるので、その分「雪の状態を維持したまま」地上に到達しやすくなります。
さらに、低気圧の後面では融解層も下がるので、上空の降水が雪のまま地上に到達することがあります。この場合は「雪から雨に融けるよりも、地上に到達する方が早くなる」のです。
さて、件の2月5日は前線を伴った低気圧が日本の南岸を東に進みました。さらに上空の寒気も南下しており、東日本の太平洋側の地域でも、北東の流れに伴う寒気の流入が見られました。
北東から関東山地に流れ込んだ寒気は、南岸低気圧に伴う南寄りの風によって堰き止める形となりました(この点は冒頭の構図とは異なります)。さらに、上空寒気の南下に伴い融解層も下がったことで、上空の降水が雪のまま地上に到達しやすくなりました。
2月5日の東京における時系列変化です。正午を過ぎて降水が始まり、気温も「釣瓶落とし」の如く降下しました。上空の寒気の南下に加えて、滞留寒気に降った雨粒が蒸発した効果も合わさって、下層空気の冷却が進んだようです。この結果、地上から上空まで十分冷えた状態が形成されたことで、16時以降には降雪が始まりました。