計算気象予報士の「知のテーパ」

旧名の「こんなの解けるかーっ!?」から改名しました。

サクラサク・サクラチル

2024年03月10日 | オピニオン・コメント
 春の足音を感じるこの時期は、受験や合格発表の時期とも重なります。

 試験なのでもちろん「咲く桜」もあれば、「散る桜」もあります。それでも、日々のひたむきな積み重ねは、決して無駄にはなりません。ただ違いがあるとすれば、それは「見える花」になったのか、それとも「見えない糧」として蓄えられたのか、ただそれだけです。

 しかし、蓄積された「糧」はやがて、大輪の花を咲かせる大きな「力」となります。花を咲かせることはもちろん大切ですが、大地にしっかりと根を張ることもまた大切です。目の前の目標に向かって、全力で取り組むことができたかどうか、それこそが「真の価値」なのです。

 受験勉強は確かに大変だと思います。しかし、その努力はただ単に「合格」するのみならず、その後の「高度な学びのための基礎学力」および「自ら学ぶ習慣」を身に着けるプロセスでもあります。そしてこれらは今後の人生の財産となります。これらの基礎・土台を自らの中に構築することにこそ、受験勉強の意義があるとさえ感じます。

 そして、学べば学ぶほど、知識は増し、また視野も広がります。その一方で、自分の知識が未だ微々たるものに過ぎないと言う事実を、あらためて突き付けられます。どこまで学びを進めても「もう十分だ」と思えることは無く、むしろ「まだ全然足りない」と焦燥感に駆られるのです。古代ギリシアの哲学者・ソクラテスが唱えた「無知の知」の境地と言えるでしょう。
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