◎ジェイド・タブレット-外典-06-19
◎地水火風の不調と悪霊のたたりと悪いカルマ
空海の秘密曼荼羅十住心論序に病気治療観が書いてある。
曰く、
病気の原因は、地水火風の不調と悪霊のたたりと悪いカルマにしぼられる。
そこで身体の病気を治す方法に8あり。温泉、散薬、丸薬、酒、針、灸、まじないといましめ(呪禁)。さらに薬ではたたりや悪い報いを退けることはできないが、呪法は、一切の病を治すことができるとまで言っている。
一方心の病は五蔵(修多羅(しゅたら)、毗奈耶(びなや)、阿毗達磨(あびたつま)、般若、総持)で治すと言う。この五つは、経と律と論と般若(知恵)と陀羅尼(マントラ)などの教えである。
要するにオカルティックかつホリスティックな人間観にもとづく治療であり、このまま現代で治療すれば、医師法違反で捕まってしまうが。
この人間観の特徴は、
1.人間は肉体だけでなく微細身を有し、肉体の健康は微細身レベルからも影響を受けている。
2.人間は今生だけでなく、前世のカルマも引きずりながら生きており、今生で善行を積んでばかりいる人がひどいめに遭うこともままある。(ヨブ記をヨブの前生があったと見ればそういうことも出て来よう)
3.人間は、肉体と微細身複合体であり、肉体に対しては微細身が大きく影響を与えるのだが、微細身へのコントロール手法として、まじないといましめ(呪禁)を挙げる。
針、灸は、経絡刺激なので対エーテル体療法と見られる。
4.心の病は、経と律と論と般若(知恵)と陀羅尼(マントラ)と、潜在意識も含めた知情意のコントロールで治す。
このような空海の人間観は、今の人間には肉体しかないという現代医学からは馬鹿にされるが、空海は宮中祭祀には、今も隠然たる威儀を有しており、後七日御修法はその一例である。
翻って、現代科学の人間観は、ノーマルでもトータルでもなく偏狭であると言える。