高梨耕一郎 「入谷・鬼子母神 殺人事件」
特に面白くも面白くなくもなかったかな。途中でかなり見えちゃいます。
道尾秀介 「骸の爪」
主人公がホラー作家ということで、舞台が特殊で、おどろおどろしい感じが好き。
前に読んだ 「背の眼」もそうだけれど、不運な巡り合せで悲劇に見舞われる人たちへの作者の愛を感じます。
もっとも、登場人物達をそういう運命に突き落としているのは作者本人なんですけどね。
森真沙子 「眼のない人形たち」、「東京怪奇地図」
始めのうちは退屈で少し斜め読みしました。でも途中から面白くなってくる。
「東京怪奇地図」は短編集ですが、「偏奇館幻影」という、田山花袋の住んでいた洋館「偏奇館」の炎上に纏わる一遍はなかなか面白かったです。
宮部みゆき 「淋しい狩人」
私が読んだ限り、この方の本で面白くなかったものはありません。
文章がとても気持ちがいいんです。
主人公は、イワさんと呼ばれる65歳の古書店の店主です。
週末には高校生の孫が泊りがけで手伝いに来ます。
この古書店の客、本、近所の人のちょっとした謎から始まる事件の短編集なのですが、一番の魅力は、やはりこの店主でしょう。
イワさんは、通うのに便利なように、自宅を出て一人でアパートを借りています。
自動的に一人暮らしの老人とみなされ、ヘルパーの訪問を受けた時には、「私はまだ老人とは思っておりません」と憮然としたりしています。
老嬢探偵ミス・マープルのように、冴えた頭脳と経験で難事件を解決するというわけではありませんが、人間味で読ませる主人公です。
これから読もうと思っているのは、平川陽一著「世界遺産・封印されたミステリー」です。
好きなんですよね~、こういうの。