珊瑚の時々お絵かき日記

夫と二人暮らし、コロナ自粛するうちに気がついたら中国ドラマのファンになっていました。

すきやき

2011年05月04日 | 日々のこと

夫のお友達から頂いた釣りたてのカレイを煮付けにしていた。
それが、ほんの少し残っていたすきやきのたれ、割り下というのか、それを出来心で使って煮たものだから出来上がりに一抹の不安があった。
でも、食べてみると特に問題なく、普通に美味しかった
考えてみると、酒、砂糖、しょうゆと、使う調味料はもともと同じだものね。

我が家ですき焼きに市販の割り下を使うようになったのは3年くらい前から。
それまでは酒、砂糖、しょうゆで味付けをしていた。

ついこの間まで娘が東京勤務だったので、私達も東京見物を兼ねてよく訪ねては3人であちこち行っていた。

ある日、浅草に行ったとき、お昼に何か食べようと入ったのは、しゃぶしゃぶの専門店だった。
ランチタイムだったからお値段もお手ごろだったし、まあいいかと入ったのだ。
ところが、メニューを見て、夫と娘がすき焼きに心変わりした。
私の感覚では、すきやきは外食の選択肢に入らない、「家で食べるもの」だったけれど、夫がたまに本格的すき焼きが食べたいといったのだったと思う。

私と同年輩のおねえさんが、プロの手さばきで、目の前の鉄板に割り下をジャーっといれる。
ジュワーっといっているところに牛肉を寝かせるように並べ、ネギやら豆腐やらしらたきを入れて「もうすぐ食べごろですよ」とか何とか言いながら去っていった。

夫の「もういいよ」という号令の元、食べ始める。

何と美味しいのか!
すきやきってこんなに美味しいものだったの!

まさに「目から鱗」の私、「こんなものよ」という夫と娘。
彼らは職場の飲み会やら何やらで、珍しくもないらしい。
「でも、ここのかなり美味しいよ」「そうだね」という二人。
そうか、本当のすき焼きってこういうものだったのか。

家でしか食べないということは、実際はどんなものか知らないということなのだろう
まあそうよね、家で作れば野菜は有り合わせ、余っていれば何でも入れる。
豆腐は買い置きの絹豆腐だ。

すき焼きと言うよりは、すき焼き風煮物だったのだ。我が家だけだろうけれど。
家族は、家のすき焼きは家のすき焼き、店で食べるすき焼きは店のすき焼きと割り切っていたらしい。
諦めだったのかも。

おおいに反省した私、それから具はちゃんとした具を揃えて、正しいすきやきを目指した。
でも、味がどこか違う。
何かが足りない。
どうやってもお店の味にはならない。
それはそうよね、一介の主婦に簡単に同じ味を出されたらお店の名が廃るわね。

そこで、市販の割り下を使ってみたらと思いついた。
研究に研究を重ねてできあがった商品なら、それなりの味に仕上がっているに違いない。
それから市販の割り下を使っているのだけれど、満足の味かと言うとそういうわけではない。
色々使ってみたけれど、どれも甘みが強すぎる。
結局、半分くらいその割り下を使って、自分で酒やら醤油やらで味を調えている。
それでも、我が家のオリジナルよりは随分と美味しくなったような気がする。

初めて食べたお店のすき焼きの美味しさに魅せられて、それからは東京へ幾たびすき焼きを食べた。
でも、あの浅草のすきやきには及ばない。
もう一度同じ店で食べたらどうなのだろう?
「ああ、やっぱり美味しい」と思うのか、「あら、こんなものだったかしら」と思うのか、何ともいえない。

私を感動させたお店は「黒豚しゃぶしゃぶの四万六千日」の浅草店だ。

黒豚しゃぶしゃぶのお店で、牛肉のすき焼きを褒めるっていうのもおかしいかしら。