郵便局に聞きたいことがあって、たまたま電話番号をメモしてあった支店へ電話した。
お昼時だったせいで対応する人が少ないのだろう、ベルが鳴り続けるだけで誰も出ない。
諦めて別の支店に電話すると、すぐに出てもらえた。
聞きたかったことに親切に答えていただいて電話を切った。
それから30分ほどして、家電のベルが鳴った。
出ると、「もしもし、電話をいただいたようなのですが」と、中年男性らしき声で言う。
一瞬、郵便局かなと思ったけれど、そうならちゃんと名乗るはずだし、郵便局がナンバーディスプレイを備えていて、いちいち折り返し電話をするとは思えない。
「いえ、していませんけど」と答えると、「○○○○ですよね?」と我が家の電話番号を言う。
いやだわ、気持ち悪い。
「・・・そうですけど・・・どちら様ですか?」
怪しんでいる気持ちが声にでてしまう。
「いや、あの~、電話しませんでしたか?」
「してませんけど、どちら様ですか?」
もう一度聞く。
「すると、もういいです」と言って切ってしまった。
気分が悪い、というより気持ちが悪い。
ああ、もう、いやだわ、空き巣に入ろうと思って、留守かどうかたしかめたのかも・・・
新手の詐欺で、これから何か言ってくるかも知れない・・・
だんだんと悪い方向へ考えが行ってしまう。
でも、暫くして、はたと気づいた。
はじめの郵便局への、誰も出なかった電話、考えてみれば、変だ。
10回以上鳴らしたのだから、いくら忙しくても、誰か出るよね。
もしかしたら、私は間違い電話をしたのじゃないだろうか?
そのお宅はたまたまお留守で、帰ってきてナンバーディスプレイを見て電話をしてみたのだ。
留守中に知らない電話番号からかかってきていても、私ならかけ返さない。
でも、それぞれに事情があるから、かけ返す人もいるだろう。
気持ちが悪くて、すぐにかかってきたナンバーを消去してしまったので、確かめようがないけれど、
きっと、そうだ、そうに違いないわ。
だとしたら、私は随分と失礼なことをしたことになる。
相手の方もプンプンだろう。
でも、仕方がない。
すみません、早く忘れてくださいね。m(_ _)m