皆様は「頭ごなし」に叱ったり、叱られたりしたことはありませんか?
また、「頭越し」に物事を進めたり、進められたことはありませんか?
「頭ごなし」と「頭越し」よく似た言葉ですが、この違いはどこにあるのでしょうか?
「頭越し」
「頭越し」とは、先ず相談すべき人や、そのことに利害関係のある人などを差し置いて、直接相手に働きかけることです。
例えばA氏とC氏という2人の人物がいて、通常その間の連絡をB氏という人物が取り持っている時に、B氏を差し置いてA氏がC氏に対し直接連絡しようとすることが、「頭越し」にあたります。
B氏は当然のことながら「頭越し」の交渉に怒りますよね。
このように「人の頭上を越して何かの動作をすること」を「頭越し」と言います。
「頭ごなし」
一方「頭ごなし」とは、相手の言い分を聞かず、初めから一方的に物事を決めつけて言うときの言葉です。
ある結果について、当事者の弁明などを全く聞こうとしないまま、その人に対し一方的なふるまいに出ることを言います。
例えば、「頭ごなしに反対する」「頭ごなしに叱りつける」などのように使われます。
広辞苑を調べると「熟し(こなし)」の説明に4項目あって、その④に次のように説明しています。
④ひどくやっつけること。けなすこと。『頭ごなし』
使用例としては、「上司は僕のミスだと頭ごなしに決めつけた」とか「頭ごなしに叱りつける」などのように使われます。
「頭越し」との違いは、「一方的な態度に出る」という意味合いに主眼が置かれているところにあります。
「頭越し」と「頭ごなし」どちらもよく似た言葉ですが、いずれの場合も相手方を大きく傷つけます。
そのように場面が訪れたときには十分気を付けたい言葉ですね。