らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

阿漕の平治伝説

2023-09-05 | 雑学

「阿漕(あこぎ)」という言葉があります。
映画やドラマのセリフで「阿漕(あこぎ)な真似はよせ!」などと聞くことがあります。
この場合、強欲でやり方があくどいさまを諫めて使用されているのですが、このようなことを何故「阿漕」というのでしょうか?
今日は阿漕(あこぎ)について調べました。

「阿漕とは」
「阿漕」を広辞苑で調べてみました。
①たび重なること。
②転じて、際限なくむさぼること。また、厚かましいさま。ひどく扱うさま。
③能の一。伊勢国 阿漕が浦の漁夫が密漁して海に沈められ、地獄で苦しむさまを描く。
と説明しています。

辞書が示すように、「阿漕」とは、強欲でしつこく、やり方があくどいさまのことで、悪いことを意味する言葉となっています。
この言葉の語源は三重県の津市中心部の海岸「阿漕(あこぎ)浦」に伝わる物語に由来しています。

・平治伝説の平治をまつる阿漕塚です。


「阿漕の平治伝説」
阿漕の語源となった「平治伝説」では次のように伝えられています。
病気の母親を持つ漁師の平治は「母親の病気には阿漕ケ浦で捕れるヤガラという魚がよい」と聞きました。
阿漕ヶ浦(あこぎがうら)は古くは伊勢神宮に供える魚をとるための御領で禁漁区でしたが、平治は病で日に日に衰弱していく母親を前にして決心し、禁漁区である阿漕ケ浦に夜な夜な舟をこぎ出しました。
そして、捕獲したヤガラを食べさせたことで母親の体調は少しずつ回復しました。
しかし、うかつにも「平治」と書かれたすげ笠を浜に置き忘れたのです。このことから密漁が露見してしまいました。
密漁で捕らわれた平治はす巻きにされて、阿漕浦の沖に沈められたのでした。
その後、夜になると阿漕浦から泣き声や網を打つ音が聞こえ、その音を聞いた者は病気になったと言います。

この平治伝説が「阿漕」という言葉の語源ですが、孝行息子の平治が密漁していた阿漕ケ浦の「阿漕」が何故、際限なくむさぼること等の悪い意味になったのでしょうか?

「阿漕が悪い意味になった理由」
伝説の主人公「阿漕の平治」は孝行息子であり、母親の病を癒やすために禁を犯して漁をし、そのために捕らえられ処罰されました。
一般に「あこぎ」といえば、「たび重なること。また、たび重なって広く知れわたること。」の意味ですが、そこから転じて「どこまでもむさぼること。しつこく図々しいこと。押しつけがましいこと。」として使用されるようになりました。
更に能の『阿漕』などの神宮御領地を犯す悪行として描いた作品によって、「図々しい」「強引だ」というマイナスの意味が派生し、それが定着して悪い意味の言葉となったのではないかという事です。

伝説では、親の病気を治すために禁を犯して漁をした平治ですが、孝行息子に変わりありません。
禁漁を犯したことについては厳重注意し、母の病気を治すための親孝行を褒めるくらいの処分をしてほしかったですね。
私は「阿漕」は悪い意味ではなく、むしろ孝行を奨励するような良い意味になって欲しい気がします。


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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
アコギな真似  (iina)
2023-09-05 09:55:40
平治伝説が「阿漕」という言葉の語源・・・能の『阿漕』などの神宮御領地を犯す悪行として描いた作品・・・
「阿漕(あこぎ)な真似はよせ!」に定着したのでしたか ( ..)φメモメモ

最近では、この言葉に結びつくのがビッグモーター商法です あきれ返る強欲さです

真冬にオープンカーで街を走るツワモノ老人もいますょ。当方に縁がありませんし、マネする気も起こりません。
冬は暖かい車内でありたいです。

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