らいちゃんの家庭菜園日記

家庭菜園、家庭果樹栽培及び雑学日記

羊飼いの財布

2022-04-20 | 

「羊飼いの財布」と言う雑草をご存じでしょうか?
この名称は正式名ではなく別名なのですが、畑や道端など至るところ生え、春の七草のひとつであることから、雑草と呼ぶには申し訳ないような気がする草です。
もうお分かりですよね。
そうです。その雑草とは春の七草のナズナで、その別名が「羊飼いの財布」と呼ばれています。
今日は「羊飼いの財布」正式名ナズナについ調べました。

「ナズナ」
ナズナはアブラナ科ナズナ属の越年草で、2月~5月に開花する雑草ですが、人間との関りの歴史はとても長い植物です。
もともとは東ヨーロッパから中東、東アジアに至る温帯から亜熱帯地域に広く自生していたようですが、大陸間の交易が進むに従い、世界に広まりました。
日本には、弥生時代の頃に、中国経由で入って来たと見られています。
ナズナは生命力が旺盛なことから、邪気を払い一年の無事を願う風習として、正月七日に食べる七草粥には欠かすことのできない植物となっています。

「ナズナの語源」
ナズナの語源は「撫菜(なでな)」より転訛したといわれ、撫でたいほどかわいい菜の意味ということです。
また、ナズナは別名ぺんぺん草とも言われています。

・三味線の撥に似ているナズナの果実です。


「ぺんぺん草の名前の由来」
ぺんぺん草の由来は、果実が三味線の撥(ばち)に似ていることからで、他にも、シャミセングサ(三味線草)、バチグサ(撥草)の別名があります
茎の先端に白い小さな花が咲き、その下に縦に連なっているハート型の緑の葉のような分部を“三味線のバチ”に見立て、三味線を弾く音「ペンペン」を表している、という説です。

「羊飼いの財布の由来」
ハート型は葉のように見えますが、実は果実なのです。
だんだん膨らんで茶色く硬くなります。ナズナの花は、茎が伸びるに従い、下から上へと順々に咲いていくので、花の下には先に散った分がどんどん結実して連なります。
西洋ではこのハート型の果実のことを昔の羊飼いたちが使っていた財布の形に見立てていました。
学名の「Capsella bursa-pastoris(カプセラ・ブルサパストリス)」“bursa-pastoris”は、「羊飼いの財布」という意味だそうで、これが「羊飼いの財布」と言う別名の由来となっています。

・羊飼いの財布の形に見立てられたナズナの果実です。


「生薬」
ナズナの開花期の全草を水洗後、日干ししたものが生薬セイサイ(薺菜)またはセイ(薺)といいます。
民間療法では、主に煎じ薬として利尿、解熱、子宮や腸の出血、高血圧症、便秘、目の充血、尿、解熱、止血、動脈硬化予防、月経困難の際に使用されていたということです。
目の充血には煎液を人肌に冷ましてから脱脂綿に含ませて洗眼すると良いと言われています。
中国医学では、セイサイ(薺菜)を赤痢や眼の疾患に、花を生薬セイサイカ(薺菜花)として崩漏(ほうろう、不正性器出血)に、また種子を生薬セイサイシ(薺菜子)として目痛や緑内障に用いられるそうです。

このように薬草にもなっているナズナは雑草と呼ぶには申し訳ない植物です。
”羊飼いの財布”の中には、私たち人間にとって有用な物がいっぱい入っていますね。


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1 コメント

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ぺんぺん草  (もののはじめのiina)
2022-04-21 09:40:14
> ナズナは別名ぺんぺん草とも言われています。
ナズナの語源は・・・撫でたいほどかわいい菜・・・「羊飼いの財布」・・・果実のことを昔の羊飼いたちが使っていた財布の形
ナズナは、おもしろいぺんぺん草なずら(なまってます)。

> ご縁がありますようにと、5円硬貨はいろいろな場面に利用されますが、葬儀の時の紐銭の風習に利用されるとは
東北生まれの義母が集めた長寿銭こと紐銭は1000円ほどもありました。
大往生の紐銭は80歳以上が目安だそうですょ^^

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