7世紀から9世紀に栄えたチャン・センの環濠都市です。
グーグルマップで見ます。東西の道路は650m、濠の内側の道路の周長は2.4kmと小さな環濠都市です。
ラチャブリー国立博物館の紹介で使ったドヴァーラヴァティ時代の地図です。土壌調査でドヴァーラヴァティ時代の海岸線は茶色く塗られた部分まで広がっていたのが分かっています。当時の主要な都市遺跡は、海岸近くに建設され、交易で繁栄しました。
チャン・センは海から少し離れているようです。
環濠都市からの出土品になります。
まずは交易に用いられたシールです。
8世紀から9世紀のシールです。丸く押された印影の上段は雄牛、三叉槍、ガルーダまたは白鳥の図柄、下段にはサンスクリット語でヒンドゥーの神、ヴィシュヌ、シヴァ、ブラフマーの三神一体を示している解釈されています。従って、上の図柄は三神の乗り物と武器を表わしたと推測されています。
展示場所の光量が少なく、鮮明に写っていません。掲示されていたパネル写真を添えておきます。
同じシールがウ・トーン国立博物館にも展示されています。
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次は磚仏、人物や動物のテラコッタです。
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手前はライオンが押された土器片です。
いずれもドヴァーラヴァティの特徴を示す小さな素焼き像です。
中央はライオンです(?)。
この像もライオン(?)。
やはりライオン(?)。
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次は人物像です。
人形の頭部です。
展示品を解説してくれた博物館の女性は、病気治癒などの身代わり人形として、首を折られたと説明してくれました。シー・サチャナライの陶人形が「シア・カバーン」という精霊信仰の儀式で身代わり人形として用いられたのと同じです。7世紀から9世紀のモン族の儀式がシー・サチャナライを征服したタイ族に受け継がれたのか、シー・サチャナライのモン族が引き継いでいた儀式なのかは知る由もないですが、実に興味深いです。
頭部のスケッチです。
母娘像です。母親は上半身が破損しています。
猿を連れた男性像です。
胴体のスケッチです。
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この写真はウ・トーン国立博物館に展示されている「猿を連れた男性像」です。解説では7世紀から9世紀の像で「不幸を免れる儀式のために首が折られた」と書かれています。
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完品もあります。
この人形、赤子に授乳をする母親像は、13世紀に現れるサンカロークの
陶人形とそっくりです。
こちらは博物館誌に掲載されている写真です。
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石灰岩の法輪の破片です。