の~んびり タイランド 2

タイの風景、行事や趣味の陶磁器を写真を中心に気ままに紹介しています。

コーン・ケン国立博物館 (1)

2014年03月19日 | 博物館
■バンコクから国道1号線、国道2号線で約470kmのコラート台地の中央部にコーン・ケンという都市があります。
西南のチャイヤプームの山岳地帯を源流とするチー川が蛇行しながらコーン・ケンを貫き、市街の手前で大きく方向変換して、イサーン中部の各都市を経由、ウボンラチャタニーでムーン川に合流しメコン川へと注いでいます。
コーン・ケンではペッチャブーンからルーイを経由し流れてきたチョエン川やポン川、ポーム川がチー川に合流して「ラム・チー・ヤイ」(偉大なチー川)と呼ばれています。これらの川沿いには前史時代から狩猟、農耕文明が栄え、石器、青銅器、鉄器、土器などの遺物がたくさんの土地で発掘されています。
6世紀になるとタイ南部(ナコーン・パトム)で興った交易国家、ドヴァラヴァティー文化のモン族がシー・テープ(ペッチャブン)を経由してバサック川を遡上し、チー川沿いのコーン・ケンをはじめ、チャイヤプーム、マハーサーラカーム、カーラシン、ローイ・エット、ヤソートーンと広がって行きました。9世紀に成立した環濠集落跡が主要河川沿いに30カ所以上確認され上座仏教の遺構や遺物が出土しています。
同時代コラート台地南部のムーン川沿いにはクメール族のヒンドゥー文化が栄え、数世紀後にモン族の文明をを飲み込んでしまいます。また、14世紀以降はメコン川を渡ってきたラーンサーン(ラオス)の文化的影響が拡大していきます。

コーン・ケン国立博物館へドヴァラヴァディー様式の遺物で、寺院などの聖域を示す結界石が蒐集、展示されているのを見に出かけました。

コーン・ケン国立博物館の玄関です。手前には恐竜が迎えてくれます。
コーン・ケンのプー・ウィアン、カーラシンでは恐竜の化石が発見されていて、どちらにも立派な恐竜博物館が建っています。



博物館へ入って左にドヴァラヴァティーの展示、右は前史時代の石器、青銅器、土器、装身具などが展示されています。

展示されている結界石です。展示品はカーラシンの南10km、コーン・ケンからだと東へ65kmにある環濠遺跡「ムアン・ファー・デート・スーン・ヤ-ン」からの出土で、9世紀から11世紀に造られたものです。
砂岩を彫刻して造った結界石には、仏陀の前世の物語「本生譚(ジャータカ)」や仏陀の伝記「仏伝図」が刻まれています。
展示品にはマハーサーラカーム大学監修の日本語解説が付いていましたので、全体像写真の下に添付しておきます。























***************

中庭に展示されている結界石です。カーラシンを中心に各地の遺跡で発掘された結界石が展示されています。

































***************


博物館の解説地図で、イサーンのドヴァラヴァティー遺構の所在地を示しています。
最も重要な遺跡がカーラシンの「ムアン・ファー・デート・スーン・ヤーン」ですが、まだ行ったことがないので、次回の訪問地候補とします。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿