の~んびり タイランド 2

タイの風景、行事や趣味の陶磁器を写真を中心に気ままに紹介しています。

メコン・フグ(淡水フグ)の瓶

2015年01月20日 | 陶磁器(ミャンマー)

上部を魚形に模したヒョウタン型の瓶です。魚は東南アジアの河川に生息する「メコン・フグ」(淡水フグ)です。
ビルマ特有の鉄分の多い煉瓦色の胎土に白化粧、透明釉を掛けたものです。
タイ西部のターク、ポップラー出土です。15世紀から16世紀にミャンマーで造られたものです。







平底には「三」の字形をした窯印があります。


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「メコン・フグ」と呼ばれる淡水フグの写真です。タイではチャオプラヤ川系水流にたくさん生息しているようです。
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こちらは、同様の贋作です。ただ、贋作と言うのは悪意を持って真作を模倣、金銭的利益を得ることを目的にしていますが、この品は売価が500バーツと安価で悪意を持って利益を得ることが目的ではないようです。
売人は古い物であることを強調していましたが・・・。

胎土は鉄分を含んだ軟陶で、白化粧のうえに透明釉を掛けていますが、釉が溶けず器肌が荒れた状態で、かせたようにも見える代物です。





購入時には器体全面に土が付着して、いかにも土中から掘り出したように演出されていたのですが、水洗いをすると簡単に土が流れ、きれいな表面が現われました。また、丁寧に窯印もあり、5本線が刻まれていました。
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スコータイ窯の淡水フグです。
白化粧の上に鉄絵で淡水フグが描かれています。
昨年、スコータイの遺跡発掘調査で出土した品です。長年土中にあって、一部白化粧がはがれています。




宋胡録の鉄絵合子

2015年01月15日 | 陶磁器(タイ)

サワンカロークのスコータイ空港近くの畑から出土したシダ模様の合子です。





直径2、3cmの豆合子には内側に鉄釉を施したものを良く見かけますが、このサイズの内側は透明釉が一般的で、鉄釉を施したのは珍しいです。


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胴径:10.7cm、蓋をした時の全高:10.1cm、高台径:7.2cm、口径:5・9cmで胴回りに6本の突起をもたせて、それぞれの枠内に格子文と草文をあしらった蓋付小壺です。
チェンマイのコレクターが長年蒐集していたものを、息子が金欲しさに持ち出し、売りさばいた一品です。
突起が等間隔でないため、手抜きをしたような草文もあります。こんなおおらかさがタイの陶器の良さです。

高台には落書きのような、鉄絵の窯印があります。






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タイでは珍しい龍を描いた陶片2点です。1点は再登場です。
パ・ヤーン窯の青磁鉄絵龍文皿の陶片です。青磁釉の長石配合が少ないのか釉が流れて龍文が不鮮明となっています。また全体に薄く造られて、高温に耐えられず大きく反り返っています。
高台の銘は「マンコーン」で龍の意味です。

白化粧の上に面相筆のゆくりした筆致で器面を埋め尽くすように鉄絵で龍を描いています。
ただ、一部に白化粧の密着がわるく剥離が見られます。

サンカローク陶

2015年01月14日 | 陶磁器(タイ)
今年第1回目の掲載にタイ人が冗談で「パイナップル」と呼ぶ鉄絵の合子がありましたが、同じ植物を描いた陶片があったのを思い出しました。

15、6世紀にパ・ヤーン窯で焼かれた合子です。

同じ植物を描いた陶片です。擬宝珠形のつまみがある蓋です。長辺が13cmで推定直径は16cmぐらいの大きさになります。擬宝珠周りの花文にどのような用途なのか、4カ所の小穴があります。
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他にも珍しい絵柄があったので紹介します。
パーヤーン窯出土の碗の破片です。
絵柄は半人半鳥で下半身が鳥の「キンナリー」です。
美しい天女で、天界で楽士として音楽を奏でていると言われています。ときおり地上に舞い降り、水浴びなどをして遊んでいるそうです。

エメラルド寺院のキンナリーです。

やはり碗の見込みに描かれた愛嬌のある獅子です。画工は寝そべる犬を参考に描いたような絵です。
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高台に描かれた鳥です。

同じく鳥です。

見込みに描かれた貝はたくさんありますが、こちらは高台に描かれています。
いづれもパ・ヤーン窯で焼かれたものです。

ワット・ソトーンの万仏節(マカブーチャ)

2015年01月12日 | チャチョェンサオ

ワット・ソトーンの行事を紹介していますが、ついでに陰暦3月の満月の日の「マカブーチャ」(万仏節)を紹介します。

マカブーチャとは釈迦入滅の3か月前、王舎城の竹林精舎へ釈迦が具足戒(出家者遵守しなければならない戒律)を与え、悟りを得た1250名の比丘が、釈迦の説法を聞くため、偶然に集結した奇跡を記念した日です。

夕方から信者は寺院へタンブンに出かけます。僧侶を先頭に、手に供花と線香、灯したロウソクを携え、経を唱えながら本堂を3周します。「ヴィアン・ティアン」と呼ばれ全国の寺院で行われます。

当日は祝日となり飲食店で酒類は供与されません、酒類の販売も禁止されます。したがって酒類の提供が主な飲み屋はほとんどが閉店します。

写真は2013年2月25日に撮影したものですが、この日は風もなくろうそくが消えませんでした。

東向き寺院の正面にはヴィアン・ティアンのロウソク、線香を立てる灰が用意されています。
参拝に来た人はここでロウソク、線香に火を点け、本堂を三周した後ここへ挿しておきます。



夜遅くなるまで参拝の人は絶えません。

ワット・ソトーン近くのクイッテアオの屋台です。

ワット・ソトーンの開基250年祭 (3)

2015年01月09日 | チャチョェンサオ

開基250年祭の翌日は、境内の舞台で地元大学生による仮面劇・コーンが演じられます。
コーンに先立ち、地元女子大生によるタイ舞踊が披露されています。
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古典劇「ラーマキエン」のエピソードでシーダー姫を魔王トッサカンに誘拐されたラーマ王子が弟ラック王子と猿軍の将軍
ハヌマーン率いる猿軍の助力で救出に向かう場面、猿軍団と魔王軍の戦闘場面が演じられます。

詳細は2014年2月24日にアップしている「スコータイの2日目・ラーマキエン(3)」を参照してください。今回は劇の進行に沿った写真を掲載しておきます。

魔王トッサカーンです。














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舞台裏で出番を待つ猿軍団です。白い衣装がハヌマーンです。

馬役です。被り物が小さいようです。



猿軍団と馬車に乗るラーマ王子です。
人間や神の役以外の出演者は全て仮面を被っています。
猿軍団も仮面の色ごとに名前や性格が決められています。



白い猿面は将軍ハヌマーンです。後方はラーマ王子とラック王子です。

ラーマ王子と魔王トッサカンの闘いです。

見せ場の一つ、魔王を組み伏せるラーマ王子です。相手の体の上に乗るのは闘いの勝利を示しています。


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舞台の袖から進行を見つめる出演者です。



魔王の住む島、ランカー島に囚われのシーダー姫です。

シーダー姫を救出にランカー島に侵攻した猿軍団と魔王軍の戦闘です。この劇のクライマックスです。












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終演は午後10時を回っていました。