KOFUKUの家から

演劇的体質の自由人
大きな愛にいだかれて
チワワたち猫たち
南のちいさな森の家にて
芸術的田舎暮らし真っ最中

曼珠沙華の咲く頃に

2013-09-24 | KOFUKU日記



《相方さんが最後の秋にケータイに残していたぴーちゃんと彼岸花》
《横浜・寺家の森の入口の田んぼにて》



「こほろぎ」
中 勘助


肩すそさせのこほろぎは

秋の夜ごとに涙をさそふが

あなたがそばにゐたときは

それはやっぱり唄だつた

あなたのゐないことしの秋

肩させや 裾させや

心ありげなその鳴き声は

刺青(ほりもの)の針と肌にしみる

あなたのみないことしの秋

着物は人に頼みもしよう

わたしの胸のほころびを

誰が 誰が縫つてくれる





玄関脇や庭の奥で彼岸花が早秋の風に揺れている
ゆうらりゆうらりと揺れている

あの人が最後の秋に見た彼岸花は真っ赤だった
あの日もゆうらりとした秋の風が吹いていた

彼岸花を見ていると、胸の奥深くを
ほんの少しだけ秋色の深まった風が通り過ぎる

人はこれをセツナサと呼ぶのだろうか
カナシミと呼ぶのだろうか

今年も曼珠沙華が咲きました