ゆうわファミリーカウンセリング新潟 (じーじ臨床心理士・赤坂正人)     

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が新潟市で公園カウンセリングなどを相談・研究しています

精神科デイケアのメンバーさんのこころの「窓」としての音楽・スポーツ・作品-精神科デイケアで考える

2024年08月01日 | 精神科デイケアで考える

 たぶん2014年ころのブログです

       * 

 精神科デイケアにおじゃまさせていただいています。

 精神科デイケアでメンバーさんと一緒にプログラムに参加をしていると、ふだんはあまりご自身のお気持ちを表さないメンバーさんが、プログラムによっては、ご自分のお気持ちや感情をとても豊かに表現されるところに出会うことがあります。 

 まず多いのが音楽の時間。

 音楽鑑賞やCD紹介、あるいは、カラオケなどで、ご自分のお好きな曲やそれにまつわる思い出などをご披露されますが、ふだんのご様子からはびっくりするほどのとても豊かな感情表現をされて、感動させられることが多々あります。

 音楽がまさに、精神科医で心理療法家の山中康裕さんのいうところの、こころの「窓」になっているようです。

 また、スポーツもメンバーさんの個性の表現や意志の表現としてとても大切なようです。

 メンバーさんの目いっぱいのがんばりを拝見すると、こちらも力が入りますし、とてもうれしくなります。

 さらには、メンバーさんがつくる作品の数々。

 コラージュ、塗り絵、絵画、書道、手芸、その他もろもろ。

 いずれもメンバーさんの努力と工夫の先に個性と感動が光ります。

 下手な芸術家の作品より、こころを揺すぶられるようなことも少なくありません。

 山中康裕さんは、カウンセリングにおいて、こころの「窓」が大切であることをなんども述べておられますが、メンバーさんのこころの「窓」としての音楽やスポーツ、さらには、作品などを見ていると、本当にそう思います。

 これらのものが、メンバーさんにとって、とても大切なこころの表現手段やこころの活動手段になっていることがうなずけます。

 なかなかむずかしいことですが、これからもメンバーさんのこころの「窓」を大切にできるようなよき臨床家になりたいと思います。        (2014?記)

        * 

 2019年1月の追記です

 先日、デイケア恒例の書き初め会がありました。

 メンバーのみなさん、本当に上手!

 じーじなどは逆立ちをしても及びません。

 メンバーさんの持つポテンシャルを改めて感じました。

 この力を少しずつでも、穏やかに、粘り強く、開花させていってほしいな、と心から祈りました。          (2019.1 記)

     *

 ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人・個人開業)のご紹介

 経歴 1954年、北海道函館市に生まれ、旭川市で育つ  

    1977年、ある四流私立大学文学部社会学科を卒業、浦和、新潟家庭裁判所などで家庭裁判所調査官として司法臨床に従事する  

    2014年、定年退職間際に放送大学大学院(臨床心理学プログラム・修士)を修了 

    2017年、臨床心理士になる

 仕事 個人開業で、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを研究しています

 学会 精神分析学会、遊戯療法学会会員

 論文「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか 

 住所 新潟市西区・北海道東川町(夏期)

 mail  yuwa0421family@gmail.com    

コメント

樋口有介『少女の時間』2019・創元推理文庫-なぜか素敵な女子が大勢出てくる小説です

2024年08月01日 | 小説を読む

 2019年のブログです

     *

 樋口有介さんの『少女の時間』(2019・創元推理文庫)を読みました。

 この本も旅先の旭川の本屋さんで買いました。

 久しぶりの有介ワールドです。

 そして、柚木草平シリーズの11冊目。

 あいかわらず、とても面白く、そして、少しもの哀しいです。

 樋口さんがめずらしく書いているあとがきに、重い内容だから、ユーもアを大切にしたい、とあるとおりですが、これは樋口さんのデビュー作から一貫している特徴だと思います。

 これこそが有介ワールドの真骨頂なのでしょう。

 今回もあらすじはあえて書きませんが、いろいろな人物が登場し、それぞれがとても魅力的です。

 そして、生きていることが少し哀しいです。

 美女も大勢登場しますが(?)、美女も美女なりに悩んでいます。

 また、面白くって、ところどころにユーモアが効いていますので、この本も電車の中で読むのは危険です。

 哀しくなったり、笑ったり、唸ったり、忙しい本です。

 旅先でも、いい本を読めて、幸せです。      (2019.7 記)

 

 

コメント