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南木佳士『海へ』2004・文春文庫-山国暮らしの内科医と海沿いの街で暮らす親友の物語です

2024年09月29日 | 小説を読む

 2023年8月のブログです

     *

 南木佳士さんの『海へ』(2004・文春文庫)を旭川の古本屋さんで見つける。

 今年の旭川では、古本屋さんめぐりばかりをしていて、そうすると一期一会というと大げさだが、読みたい本に時々出会う。

 そんな貴重な古本が1冊110円で買えてしまうので、年金暮らしのじーじにはありがたい。

 もっとも、売る時はとっても安くてかなしくなるが…。

 南木さんの『海へ』は、昔、なんとなく読んだような気もするのだが、記憶があまりはっきりしていないので、読んでみた。

 読んでみたが、過去に読んだことがあるのか、それでもはっきりしない(?)。

 困ったものだ(こういう時に旅先だと本棚を確認できないのがつらい。じーじのばあい、確認しても見つかるとは限らないが…)。

 しかし、フロイトさんによれば、大切な夢は何度も見るから心配ない、という。

 ならば、読書も同じで、大切な本は何回でも読めるから心配ないのだろうと思う(じーじの新説?)。

 さて、本書、死者を看取りすぎて鬱病になった内科医が、学生時代の親友の誘いで海辺の町に遊びにいく物語。

 山国暮らしの内科医が、海暮らしの親友を訪ねるが、それぞれに抱えた問題があり、生きることの辛さや哀しさに出会う。

 なかなか辛い出会いが多いが、過去も現在も良質の物語が描かれる。

 物語の基調はあいかわらず暗いが、底のほうに少しだけユーモアが出てきている感じがする。

 単行本は22年前の本。

 南木さんも、少しだけ明かりが見えてきた時期だったのかもしれない。       (2023.8 記)

 


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2 コメント

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Unknown (クリン)
2023-08-11 07:20:21
じーじさまあ~~🐻
内科医さんが看取りすぎてうつになる・・やっぱりそういうことってあって当然だよなあと、その人間らしさに安心いたしました🍀
(大学病院の先生とか、お忙しくてまさに心を亡くしているような先生がたまにいるから・・)

何回も読まれるなんて・・本も本みょうりに尽きるでしょうね!
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コメント、ありがとうございます。 (どさんこじーじ)
2023-08-11 09:17:22
クリンちゃん、お久しぶりです。
悲しい時にはいっぱい悲しむことが、こころの健康のためには、やっぱり大切なようですね。
さて。ゆづくんもとうとう結婚してしまい、クリンちゃんのこころのゆくえはでうでしょうか。
祝福をしたいところですよね。
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