2023年8月のブログです
*
南木佳士さんの『海へ』(2004・文春文庫)を旭川の古本屋さんで見つける。
今年の旭川では、古本屋さんめぐりばかりをしていて、そうすると一期一会というと大げさだが、読みたい本に時々出会う。
そんな貴重な古本が1冊110円で買えてしまうので、年金暮らしのじーじにはありがたい。
もっとも、売る時はとっても安くてかなしくなるが…。
南木さんの『海へ』は、昔、なんとなく読んだような気もするのだが、記憶があまりはっきりしていないので、読んでみた。
読んでみたが、過去に読んだことがあるのか、それでもはっきりしない(?)。
困ったものだ(こういう時に旅先だと本棚を確認できないのがつらい。じーじのばあい、確認しても見つかるとは限らないが…)。
しかし、フロイトさんによれば、大切な夢は何度も見るから心配ない、という。
ならば、読書も同じで、大切な本は何回でも読めるから心配ないのだろうと思う(じーじの新説?)。
さて、本書、死者を看取りすぎて鬱病になった内科医が、学生時代の親友の誘いで海辺の町に遊びにいく物語。
山国暮らしの内科医が、海暮らしの親友を訪ねるが、それぞれに抱えた問題があり、生きることの辛さや哀しさに出会う。
なかなか辛い出会いが多いが、過去も現在も良質の物語が描かれる。
物語の基調はあいかわらず暗いが、底のほうに少しだけユーモアが出てきている感じがする。
単行本は22年前の本。
南木さんも、少しだけ明かりが見えてきた時期だったのかもしれない。 (2023.8 記)
内科医さんが看取りすぎてうつになる・・やっぱりそういうことってあって当然だよなあと、その人間らしさに安心いたしました🍀
(大学病院の先生とか、お忙しくてまさに心を亡くしているような先生がたまにいるから・・)
何回も読まれるなんて・・本も本みょうりに尽きるでしょうね!
悲しい時にはいっぱい悲しむことが、こころの健康のためには、やっぱり大切なようですね。
さて。ゆづくんもとうとう結婚してしまい、クリンちゃんのこころのゆくえはでうでしょうか。
祝福をしたいところですよね。