長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

ぬらりひょん一味よ永遠に!! ~ぬらりひょんサーガ 第33回(結)~

2011年12月19日 14時39分04秒 | ゲゲゲの鬼太郎その愛
《ついにシメですが》
 今年前半の「ざっくりすぎるアイドルグループ史」でもそうでしたけど、終わっていないものを強引に現時点でシメるのは無理がある!


 いや~、よくわかんない最終回になっちゃうんですけどね。

 まずはですね、前回にズラズラ~っとならべた「ぬらりひょんの愉快な仲間たち&しもべたち」について。
 ご覧の通り、1回こっきりしかいっしょにならなかった妖怪も多いのですが、よく見てみると「あっ、ここでも?」と常連のように顔を出している方々もいっぱいいるんですよね。

 それではここで、「ぬらりひょんと共演経験の多い妖怪ランキング」をドド~ンとはっぴょ~!! 現代日本でも屈指のどうでもいいランキングですね。実社会の役に立たねぇ立たねぇ。


1位(9回カウント)
 蛇骨婆

2位(5回カウント)
 朱の盤
 カラス天狗
 河童

3位(4回カウント)
 置行堀(おいてけぼり)ら本所七不思議の妖怪
 のっぺらぼう
 一つ目小僧(『ぬらりひょんの孫』の一つ目入道もカウント)

4位(3回カウント)
 おとろし・ろくろ首・牛鬼・般若(鬼女)・大首・百々爺(ももんじい)・鉄鼠(てっそ)・五徳猫・バックベアード・一本だたら・雪女・化け猫(『新 ゲゲゲの鬼太郎』の猫娘もカウント)・お歯黒べったり

5位(2回カウント)
 泥田坊・ぬっぺっぽう・毛倡妓(けじょうろう)・油すまし・たんたん坊・かまいたち・かわうそ・あみきり・見越し入道・夜行さん(やぎょうさん)・逆柱(さかばしら)・西洋妖怪ヨナルデパズトーリ・西洋妖怪ブイイ・あしまがり(『鬼太郎国盗り物語』の化け狸もカウント)・ダイダラボッチ・辻神・餓鬼・ガゴゼ・朧車(おぼろぐるま)・がしゃどくろ・すねこすり・小豆とぎ・濡れ女・家鳴り(やなり)・邪魅・天狗・旧鼠


 カウントはいたって簡単。前回の作品リストの中に出ている名前の数をかぞえてみました。「同等の仲間」である場合も「配下」である場合も一緒にかぞえています。

 いや~、『ゲゲゲの鬼太郎』では朱の盤とか、『ぬらりひょんの孫』ではカラス天狗とかが出しゃばってますけどねぇ、やぁあ~っぱ最終的にはおババなんだよね~!!
 なにはなくとも、水木しげる作品でもそれ以外の作品でもほぼ必ずどこかに出てきている蛇骨婆。やっぱりジジイにはババアなのか。
 言うまでもなく「ぬらりひょんに蛇骨婆」という構図は水木しげるのマンガが起源であるわけで、蛇骨婆はもともと中国の言い伝えがもとになっている妖怪なのではないかと言われているくらいなので、出自も性質もまったく違う2人がなぜこれほど濃密な関係になっているのかは、まさしく水木しげる神先生の神センスのたまものと言わざるを得ません。っていっても、最初の『墓場の鬼太郎』に出てきた蛇骨婆はヘビがまったく関係していないただの妖しいおババなんですけど。

 確か、この「ぬらりひょんサーガ」の前半に紹介したぬらりひょんと蛇骨婆との初共演のもようの中で、私は井上陽水の名曲『帰れない二人』の歌詞を引用した記憶がありますので、今回もまた、陽水さんの別の名曲をこの2人にささげたいと思います。


いろんな夜を転がり続けて

知らないうちに 知りすぎたけれど

今でも 肌を重ねあったまま

ステーションワゴンの中で暮らしてる

Midnight Sexy

急カーブに Uターン

女が俺にささやく

「いいのよ ずっとこのまま

 ふたりは Just Fit なんだから」

Just Fit なんだから


 ジャストフィットぉおオオ~!!

 すばらしいですね……これほどアダルトな雰囲気はさすがの鬼太郎や孫にも出せまいて。ちょっとアダルトすぎるけど。なんてったって、ぬらりひょんのほうは2億年生きてる可能性もあるんですからね。


 水木しげる作品におけるぬらりひょん一味のトレードマークとなっていて、それがゆえに『ゲゲゲ』系以外の作品にほとんど出演していない事実上の「水木プロ独占契約妖怪」となっている朱の盤は、残念ながら1位を逃してしまいました。
 カラス天狗は全体的にパラパラと顔を出しているのが積み重なったわけですが、なんといっても「総大将の側近」という、これまでのキャリアで最もぬらりひょんに近い立場にある『ぬらりひょんの孫』でのさらなる活躍が大いに期待されます。子ども達もがんばってるよねぇ。

 「カラス天狗の子ども達」といえば、現在連載中の『ぬらりひょんの孫』の内容は、アニメ化されていた「京・羽衣狐編」の次となる「江戸百物語組編」が盛り上がっていますね。
 羽衣狐との因縁の対決は、初代組長ぬらりひょんも強く関係しているお話だし「伝説の妖怪・鵺(ヌエ)」や「酒呑童子」といった妖怪ファンならバンッバン食いつくキーワードがぞくぞくと出ていたのですが、今回の百物語組編はちょっと……勝手が違うんだよな。

 「山ン本五郎左衛門」というビッグネームは出てきているのですが、エピソードとしては2代目組長だった息子の奴良鯉伴(人ぬらハーフ)がきっかけだし、山ン本の分身として現代に活躍する百物語組の面々は見慣れない顔が多めですしね。
 魔王・山ン本五郎左衛門の文字通りの「分身」である百物語組の主要メンバーは、「柳田」「圓潮(えんちょう)」「雷電」「珠三郎」と、どこかで聞いたことのあるような名前がならんでいますが、決して実在する有名人物をもとにしたキャラクターにはなっていないようです。

 特に私個人は、あの「柳田」ってヤツがいけすかなくて気に入らねぇ……「悪人」じゃなくてただの「嫌なヤツ」にしか見えないんですよね! せっかくとんでもないビッグネームをいただいているというのに。
 ちなみに、『ぬらりひょんの孫』に出ているチャラ男は「やなぎだ」とルビがふられているのですが、実在の世界で「妖怪と言えば!」と引きあいに出される柳田さんは「やなぎた」というにごらない発音が正確であるようです。発音しにくい。

 まぁ、とにかくそんなわけでね、私はちょ~っと今やっている「百物語組編」は距離を置いて拝見しています。バトルマンガである上におじいちゃんが前に出てこないとなってしまったら、観る意味がなくなっちゃうからなぁ。
 でもね、少なくとも2011年現在では我らがぬらりひょん先生がレギュラー出演している唯一の連載作品なんですからね! チェックしていきますよ~。

 そしてなによりも、妖怪総大将ぬらりひょんが築きあげた、関東地方を中心に展開する構成妖怪1万匹の「奴良組=ぬらりひょん軍団」が、四国の化け狸&妖怪軍団や京の九尾狐連合をくだし、さらには魔王・山ン本五郎左衛門や日本最大の霊的カリスマ・安倍晴明にうち勝ってどこまで拡大していくのかを我々は見届けなくてはならない。最終的には日本の妖怪全体の総大将になってしまうのか!? がんばれお孫さ~ん。

 でも、イヤな予感がする。どんなに大きくなっても、カランコロンとゲタの音を鳴らして、黒と黄色のちゃんちゃんこを着た、口の形が「3」のあの少年がやってきたら、まったくバトルアクションのルールが通用しないその反則的な生命力によって、ぬらりひょん帝国は泡と消えてしまうはかない運命にあるかもしれないのだ……こ、こえ~!!


 ここで最後に、そんなぬらりひょんと鬼太郎との、最近になって突如として持ち上がってきた意外すぎる関係をあげておしまいにしましょう。


衝撃的事実!! ゲゲゲの鬼太郎の父親はぬらりひょんだった!?


 驚きですよねぇ。
 これはですね、2010年3月にNHK のBSハイビジョンで放送されていた1時間半のスペシャルドキュメント番組『鬼太郎・幸せ探しの旅 100年後の遠野物語』の中で、日本の妖怪文化の聖地と言われる岩手県・遠野を紹介するナビゲーターのような役割でゲゲゲの鬼太郎とねずみ男と目玉の親父が登場し、鬼太郎を野沢雅子さん、ねずみ男を大塚周夫さんが演じるという黄金コンビだったのに加えて、目玉の親父の声をあの!ぬらりひょん役として有名な青野武サマが演じられていたということなのです。よりによってぬらりひょんがお父さん!?

 放送時期を観ていただいてもおわかりのように、同じ年のNHK の朝ドラ『ゲゲゲの女房』を意識していたと思われるこの番組は、目玉の親父役として有名だった田の中勇さんの1月の急逝(享年77歳)直後のものであり、と同時に、その数ヶ月後(5月)に青野老師が病気療養のために声優・俳優業を無期限休止なされてしまう直前のものという、言い方ははなはだ不謹慎ですが絶妙のタイミングで制作されていました。ちなみに、青野老師は田の中さんの4歳年下です。
 目玉の親父に青野老師! たったの1回こっきりになるにはあまりにも惜しすぎるキャスティング……

 そうだったのか。『ゲゲゲの鬼太郎』における妖怪総大将ぬらりひょんと鬼太郎との果てしない闘いの物語は、壮大な「オイディプスコンプレックス」、すなはち「父殺し」の物語だったというのか!
 なるほど、だから鬼太郎は余裕でぬらりひょんを殺すこともできるはずなのに、原始時代とか恐竜時代に流すとかして命をとることはできなかったんだ。いや、殺すよりもっとヒドいですけど。

 ハッ!? そういえば、水木しげるの最初に書いた『墓場の鬼太郎』の『妖怪ぬらりひょん 前・後編』には、不自然に目玉の親父がいなかった!!
 恐るべし、水木しげる。恐るべし、最初にぬらりひょんをレギュラー敵キャラに選択した1980年代のアニメ第3期製作スタッフ。ぬらりひょん=目玉の親父。そんな驚天動地のトリックが隠されていたとは。


 ぬらりひょんと鬼太郎との、2010年代における「アニメ第6期」の対決が実に見ものです。
 がんばれぬらりひょん! がんばれ蛇骨おばば! がんばれ朱の盤~!!


 悪の闘い、いまだ終わらず。
コメント
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