長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

『軍師官兵衛』  視聴メモ 第36回『試練の新天地』

2014年09月09日 22時48分13秒 | 日本史みたいな
『軍師官兵衛』第36回『試練の新天地』(2014年9月7日 演出・本木一博)


登場する有名人・武将の『信長の野望』シリーズでのだいたいの能力評価(テロップ順)

黒田 官兵衛 孝高   …… 知力84、統率力67
 (演・岡田准一)

徳川 家康       …… 知力102、統率力65
 (演・寺尾聰)

黒田 長政       …… 知力77、統率力63
 (演・松坂桃李)

浅井 茶々姫      …… 知力16、統率力21
 (演・二階堂ふみ)

高山 右近 重友    …… 知力71、統率力75
 (演・生田斗真)

母里 太兵衛 友信   …… 知力44、統率力80
 (演・速水もこみち)

後藤 又兵衛 基次   …… 知力14、統率力75
 (演・塚本高史)

石田 三成       …… 知力92、統率力60
 (演・田中圭)

小西 行長       …… 知力72、統率力48
 豊臣家重臣。北政所おねの侍女マグダレナの次男。(演・忍成修吾)

佐々 成政       …… 知力27、統率力70
 豊臣家大名。かつては秀吉の同僚でもあった。(演・大谷亮介)

宇都宮 朝房(ともふさ)…… 知力47、統率力55
 別姓・城井。鎮房の嫡男。(演・橋本淳)

大友 義統(よしむね) …… 知力60、統率力46
 (演・増田修一朗)

小早川 隆景      …… 知力83、統率力77
 (演・鶴見辰吾)

宇都宮 鎮房(しげふさ)…… 知力55、統率力75
 (演・村田雄浩)

千 利休
 (演・伊武雅刀)

豊臣 秀吉       …… 知力95、統率力94
 (演・竹中直人)


ざっとの感想

●満を持しての初登場だというのに、目をひんむいてオタオタしながら、高山右近に「とりあえず、謝罪しときましょうや!」と最低な助言をあたえるという、極めて平成の若者っぽいキャラクターになってしまっている小西行長。なんだ、こいつは……ほんとに武士か?
 とりあえずわかるのは、戦争でこの人を味方に加えるのだけはやめとこうということなんですが……ダーイシといい輝元くんといい、そして今回の小西といい、関ヶ原合戦の敗戦フラグは確実にそろいつつありますな。

●「おのおのの信心は許す。」っていうのは、寛大なんだか中途半端なんだか……でも、秀吉にしたら相手はあくまで外国や国内の民衆であって、大名にまで厳しくあたるメリットもないというビジネスライクな判断があったのでしょう。元はといえば、昔のボスがおおいに推奨してまいた種だったんだし、のちの江戸幕府のように白黒はっきりつけるまでにはいけなかったんですね。制限と寛容の両輪で強力な諸大名を絶妙に操縦する、その絶妙なさじ加減の上に成立していた豊臣政権。それがカリスマ秀吉のパーソナリティでもあり、弱点でもあったのだ!

○「十二万石」と聞いてほっこりする官兵衛家臣団は、いいね……大河ドラマの主人公チームとは思えない庶民的な感覚に、高感度がいや増しに増します。そうそう、人間はこういう日常の変化をひとつひとつありがたく受けとめて生きていくのがいいんですよ。ビッグになっちゃだめよ。

○死亡こそしていないものの、ナレーションの締め方からして、おそらくは『軍師官兵衛』からは退場という流れになったと思われる高山右近。非常に敬虔なキリスト教徒であることと、常にヒロイックな「宿命」のようなものを自らに課している、ちょっとナルシスティックな危険性をにおわせていた、けっこうおもしろいバイプレイヤーでしたね。官兵衛も村重も、ある意味では彼にふりまわされっぱなしでした。
 ただ結局、右近を国外に追い出したのは秀吉以上に激烈だった徳川家康で、1614年に日本を去るまで、今回の内容から実に30年ちかくも「あれ? やめたんじゃなかったの?」と周囲にいぶかしがられながらも武将を続けていた右近の後半生も、ちゃんとドラマで観たかったですよね。実質的には前田家の重要な家臣として再就職したし、小田原攻城戦にもちゃーんと出席していた右近……なんだかんだいっても、しっかり秀吉に愛されていた男だったのだ! この「非公認、黙認……」こそが、秀吉。日本人だなぁ~オイ!!

 すばらしいキリシタン大名だった右近はよくわかったんですが、その裏の面として、「神道・仏教に対してはものすっごく恐ろしい弾圧者」だった右近も観てみたかったね……生田斗馬さんだったら、喜々として演じてくれたんじゃないのかな!?

●佐々成政が、やっと出てきましたが……全盛期ではないですよね。
 前田利家は、いつ出てくるのかな? 秀吉の死後もしっかりドラマになる以上、出てこないという処理はできないだろうけど。

●官兵衛、秀吉と城井鎮房とのあいだでひでぇ~板ばさみ! 鎮房に官兵衛を恨むなと言っても、心情的にそれはできない相談なんだろうけど、悪いのは秀吉なんですよー!
 でも、本州と九州とをつなぐ非常に重要なポイントとして、豊前国に官兵衛を配置しておきたい秀吉の思惑はよくわかる采配ですよね。そこはねぇ、いくらなんでも外様にい続けてもらうわけにはいかないのよ! 400年の歴史だかなんだかしんないけど。

○いつの間にやら、有岡城いらいの縁になっている加藤玉松丸が、黒田一成(かずしげ)という立派な武将に成長! あの、お父さまの加藤又左衛門重徳さんは、お元気ですか……史実ではまだピンピンしてるはずなんですが、ドラマではなぜか討死したような演出処理をされたまんま! なぜなぜホワ~イ?

○鎮房「この城井谷の山川草木の、すべてがわしの一部だ!!」
 す、すごい。こんなことを言われちゃったら、そりゃもうお手上げですわな。
 う~ん、そりゃあね、同じ播磨国内とはいっても、上司に言われて領地を転々としているひとが、先祖代々400年以上も同じ土地を支配し続けているひとを説得することはできませんよね。価値観が気持ちいいくらいに別次元なんだもんね。

●九州平定から帰陣しても、秀吉の眼は狂ったままだった……そんなクッソ生意気なだけの小娘、「あれ、やっぱ違うな。」って醒めた顔をして斬り捨てたらいいのにね。

●秀吉「それ(天下統一)は、まもなくかなう。」
 東日本の諸大名「じょ~うだんじゃっ、ないよっ!!」
 まぁ……まもなくかなうんだけどさ。そこは意地はらせてヨ。

○今回は本音をもらすプライベートシーンはなく、ひたすら秀吉の天下を祝うホワイトな部分しか見せなかった徳川家康だったんですが、その開いてるんだか開いてないんだかよくわかんない右目の奥底には、やっぱり異様な光が……今回も家康は怖かった!
 それはそれとして、寺尾さんはやっぱり、お歳の割には体格はしっかりしていますよね。小柄な竹中さんよりもよっぽどがっしりして見えるもんね。ブラックなだけでなく、スリムでダンディでもある新家康像に、これからも期待大です。

○佐々成政の援軍に、官兵衛とともにえっちらおっちらとひたすら勤勉に出陣する小早川隆景。つい最近までは押しも押されもせぬ毛利王国の重鎮だったのに……叔父さまは、毛利家のために人柱になってくださったのだ! 感謝してよ、輝元くん!!

○黒田長政とその家臣たちの独断専行を、苦い表情で見つめる後藤又兵衛。いくさだというのにテンションを上げないなんて、やっぱり『軍師官兵衛』の又兵衛は別人みたいだ!


結論、「第37回がとてもたのしみです。」

 なんか、今週に入って黒田家家臣団の IQが格段に下がったような気がするんですが……まるで、往年の江口信長家臣団を見るようです! その生き残りである佐々成政も、あのていたらくだしよう! 九州はやっぱり、おそろしかとこばい!! でも、九州の女性はいいよね。

 馬ヶ岳城もいいですねぇ~! ぜひとも行ってみたいお城です。『官兵衛紀行』に映っていた観光客ふうの2人の女性の浮きっぷりは尋常でなかったですけどね……官兵衛だって登りたくなかった山城に、女の人が訪れるかね、しかし!? ほんとにそういう猛者がいたら、ステキですけどね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする