『軍師官兵衛』第38回『追い込まれる軍師』(2014年9月21日 演出・藤並英樹)
登場する有名人・武将の『信長の野望』シリーズでのだいたいの能力評価(テロップ順)
黒田 官兵衛 孝高 …… 知力84、統率力67
(演・岡田准一)
徳川 家康 …… 知力102、統率力65
(演・寺尾聰)
黒田 長政 …… 知力77、統率力63
(演・松坂桃李)
浅井 茶々姫 …… 知力16、統率力21
(演・二階堂ふみ)
母里 太兵衛 友信 …… 知力44、統率力80
(演・速水もこみち)
後藤 又兵衛 基次 …… 知力14、統率力75
(演・塚本高史)
石田 三成 …… 知力92、統率力60
(演・田中圭)
宇都宮 鶴姫
(演・市川由衣)
井伊 直政 …… 知力69、統率力81
(演・東幹久)
佐々 成政 …… 知力27、統率力70
(演・大谷亮介)
加藤 清正 …… 知力63、統率力81
(演・阿部進之介)
宇都宮 朝房 …… 知力47、統率力55
(演・橋本淳)
本多 忠勝 …… 知力66、統率力84
(演・塩野谷正幸)
榊原 康政 …… 知力45、統率力78
(演・中村育二)
千 利休
(演・伊武雅刀)
豊臣 秀吉 …… 知力95、統率力94
(演・竹中直人)
ざっとの感想
○長政「その黒田家が無くなっては元も子もない!」
なんともやりきれない城井家殲滅の挙に出た黒田長政の、単なる早とちりや恨みとも言い切れない動機を端的にあらわす叫びでした。いや~、ここらへんの、決して大きな声では言えない役柄の闇の部分も、しっかりと受け留めて堂々と入魂の演技を見せる松坂さんはすばらしいですね。黒田長政のキャスティングは本当に大成功ですよ! 若くてカッコイイだけじゃないんだもんねぇ。何も見ていない空虚な瞳が、黒すぎる!!
ただ、鎮房と鶴姫は中津にいても、もう一人の朝房は親父と一緒に出かけてるんですから、全ての泥を長政がひっかぶる、っていう解釈にはなりませんよね。官兵衛がなにもせずに知らんぷりして朝房を連れて帰ってくるわけがないですもんねぇ。
やっぱり史実の流れからいくと、ドラマの長政独断決行説はちと苦しいんじゃないのだろうか……結局は、父子なかよく騙し討ちの汚名をシェアしようってことで!
○今まで、この『軍師官兵衛』の中でもさまざまな悲運の武将たちが無惨な最期を遂げていきましたが、直接官兵衛の手にかかるということで、朝房はやけに力を入れた誅殺シーンになりましたね。でも、どんなに意匠を凝らしたカット割りにしても、やっぱりあの手法で誰にも血が飛び散らないというのは……くるしい~!! 先週あんなに思い切った描写になったのに、官兵衛の方はやや感傷的なイメージにかたよりすぎたような気がいたしました。「みんな秀吉が悪いんだ~い!」っていうことで、いいのか? 弱者に厳しい戦国時代に強者に対して意地を張ったんですから、それはしかたのないことなのよね。
史実でどうだったかは知らないのですが、せっかく肥後国の一揆鎮圧に出陣している最中なんですから、ドラマのように静かな陣所の中ではなく、ハデな戦闘のどさくさにまぎれて……というような朝房の最期も見たかったような気がしました。いくさのシーンが観たい~!
○又兵衛「お鶴どの、生きよ……なにがなんでも、生きるのだ。」
長政をさしおいて官兵衛イズムを確かに継承する男・又兵衛! 落ち着くなぁ~、塚本さんの武士姿は、ほんっとうに似合ってて落ち着く。これからどのような経緯をへて黒田家を去って浪人の道を選んでいくのか、とっても気になりますね。
●エッ、鶴姫、処刑されずに生き延びたの!? いや、それはさすがにフィクションが過ぎるのでは……そこは史実どおりに涙をのんでズバッといくのが、戦国の論理なんじゃないですか。
だったら、鶴姫のエピソードをいじくるよりも、ちゃんと朝房の妻のお龍の方が、妊娠した身でありながらも肥後国で黒田家の手からみごとに逃げきって男子を産んだという、史実そのままの城井家存続エピソードをしっかり映像化したほうがず~っと感動的だったんじゃなかろうかと思うんだけどなぁ!
……あ、それじゃ、黒田家が完全な悪役になりすぎちゃうのか。難しいなぁ~、大河ドラマの主人公って。
●秀吉「人は、将棋の駒じゃ! それを、わしが自在に操る。まるで、神のようにな……上様(織田信長)も、それをおもしろがっていたに違いない! ハッハッハッハ……」
いやいや! 今現在のあなたに比べたら、織田政権なんてそんなに大したもんじゃないですって! だいたい、自分の経営術やささいなミスの積み重ねがもとで、ものの見事にすっころんだ信長のことなんか、ここで秀吉が口にするはずがないと思いますよ。縁起が悪くてしょうがないもん、あんなお方。
この時点で秀吉が意識していた過去の人物は、間違いなく源頼朝もしくは足利義満といった最高級クラスの天下人だったはずなのです。史実の逸話でも、秀吉が頼朝を語ったという話はありますよね。
ここで秀吉が語っている神が限りなくキリスト教の「 GOD 」に近いっていうのも、おかしな感じですけどね。でも、当時の日本人がそれに相当する存在を考えるとしたら、いったい何なんだろうか……「おてんと(天道)さま」ですかね。太陽サンサン、熱血パゥワー!!
○佐々成政さん、まるでコントみたいなやつれっぷりでしたね。織田家家臣の最後の生き残りとして、みごとな凋落っぷりを見せつけてくれました。
……ん? 最後? いやいや! だから、前田の犬千代さんはいつ出てくんの~!? 今週は名前だけが出てたけど、ご本人登場は、いつ?
○「大明帝国への侵攻」、「官兵衛 VS ダーイシ」、「官兵衛 VS 秀吉」、そして「秀吉 VS 利休」! いろんなフラグがおっ立ちまくりで緊張しまくりのこんな茶室、イヤ~ン!! リラックスの「リ」の字もありゃあしねぇ!!
でも、この時点ではまだ、さすがの暴君秀吉にも、出された茶碗を蹴り倒すことを控えるくらいの節度は残ってるんですね。秀吉の中でせめぎあう良識と狂乱の闘いも、見ごたえたっぷりですね~。そりゃ、ゴールドの足袋を履いてる人はブラックはお嫌いでしょうね。
○まともなセリフがほとんどなくとも、北政所おねからスルスルと正直なうち明け話を聴くことができる寡黙なイケメン官兵衛。男前はトクだねぇ~オイ! わざわざ「おいしいです。」って言わなくても、瓜を食べるその表情だけでメッセージを伝えられる顔と度胸がほしいもんですよ、このわたくしも!!
だいたい、脚の障害のせいだから仕方ないことはよくわかるんですけど、基本的に座る姿勢が崩れてるっていうのも、他の武将にはない魅力ですよね、官兵衛って。木村拓哉理論か!?
○加藤清正を演じる阿部進之介さんの眼光は、今日もギラギラですなぁ~。ほんとにいい面構えですよね。よっ、武断派!
○今回も冴えわたる、秀吉の作り笑いと家康の鉄面皮のマスカレード・トーク! ほんとに喰えない二人ですよね。
○意外や意外、今回で初めて実現した官兵衛と家康の会見! いや~なんちゅうか……ホントに3歳差!? あなたがた。いやでも、寺尾さんの肌つやと手の感じはものすご~く若々しいんですけどね。
秀吉とか明智光秀とか家康とか、いちいち会うたんびに「おぬしのような軍師が欲しいもんじゃわい。」と定型のお世辞を言われる官兵衛なんですが、そんな官兵衛にしれっと秀吉の「次期天下人トーク」のうわさを語って大いに動揺させる家康の手練手管は、さすが古ダヌキ! ヤな感じですね~。
秀吉の宴席シーンを、実は家康の作り話なのかもしれないという可能性を濃厚におわせる俗悪そのものな雰囲気にして、肝心の「官兵衛じゃ。」というセリフを対極的に静寂な利休の茶室で家康がボソッとささやくという演出は、けっこう印象的でおもしろかったですね。歴史好きな人ならば誰でも知っているようなベタなエピソードを、こういう「おっ?」と思わせるようなモダンな手法で映像化するのは、すばらしいのではないのでしょうか。演出の藤並さんって、『軍師官兵衛』ではこの回で初めて演出を担当された方でしょ? 若い方なのかな。気になりますね!
結論、「第39回がとてもたのしみです。」
史実ではこの回の時点(1588年)でまだまだ43歳ということで、思ったよりもけっこう若い官兵衛なのですが、なんだかこの数回でぐっと老けこんできたような気がして、実際にセリフもなく苦悩する表情だけのカットが多くなってきたような気がします。その苦みばしった沈黙の姿は、確実に放送第1回のアバンタイトルの小田原征伐に近づいてきているような。いよいよ、物語が一巡するタイミングが迫ってきたわけなんですなぁ。
にしても、前々から言ってはきたんですが、今回は特に、官兵衛を演じる岡田さんが、あの『太平記』で足利尊氏を演じた真田広之さんにオーバーラップする瞬間が多かったような気がしました。尊氏さんも、室町幕府初代征夷大将軍とは言いながらも、将軍就任後も本当に苦労の絶えないお方でしたからねぇ……実際、天下統一できてなかったもんね、尊氏・義詮の2代は。
主人公が後半戦で苦悩する大河ドラマは、やっぱりなんといっても視聴者がその悩みについていけるかどうかが大事なポイントになるかと思います。その「ついていけるか?」という問題は、完全に観る人ひとりひとりの主観によるので、どれが成功してどれが失敗したのか、ということを議論したってしかたのないことなんですけれども、それでも個人ブログなので強いて私自身の経験だけをもとに語るのならば……成功したのは『太平記』と『八代将軍吉宗』で、失敗したのは『北条時宗』と『平清盛』、っていう記憶はありますね、なんとなくですけど。俳優さんが若いと、主人公の後半生はホントに大変ですよね!
そんな中でも、今年の『軍師官兵衛』はおおいにがんばってると思いますよ。岡田さんと松坂くんが父子という関係も、今回の城井家殲滅エピソードでやっと違和感が消えた気がしました。
いけいけ、オッサン官兵衛~!!
登場する有名人・武将の『信長の野望』シリーズでのだいたいの能力評価(テロップ順)
黒田 官兵衛 孝高 …… 知力84、統率力67
(演・岡田准一)
徳川 家康 …… 知力102、統率力65
(演・寺尾聰)
黒田 長政 …… 知力77、統率力63
(演・松坂桃李)
浅井 茶々姫 …… 知力16、統率力21
(演・二階堂ふみ)
母里 太兵衛 友信 …… 知力44、統率力80
(演・速水もこみち)
後藤 又兵衛 基次 …… 知力14、統率力75
(演・塚本高史)
石田 三成 …… 知力92、統率力60
(演・田中圭)
宇都宮 鶴姫
(演・市川由衣)
井伊 直政 …… 知力69、統率力81
(演・東幹久)
佐々 成政 …… 知力27、統率力70
(演・大谷亮介)
加藤 清正 …… 知力63、統率力81
(演・阿部進之介)
宇都宮 朝房 …… 知力47、統率力55
(演・橋本淳)
本多 忠勝 …… 知力66、統率力84
(演・塩野谷正幸)
榊原 康政 …… 知力45、統率力78
(演・中村育二)
千 利休
(演・伊武雅刀)
豊臣 秀吉 …… 知力95、統率力94
(演・竹中直人)
ざっとの感想
○長政「その黒田家が無くなっては元も子もない!」
なんともやりきれない城井家殲滅の挙に出た黒田長政の、単なる早とちりや恨みとも言い切れない動機を端的にあらわす叫びでした。いや~、ここらへんの、決して大きな声では言えない役柄の闇の部分も、しっかりと受け留めて堂々と入魂の演技を見せる松坂さんはすばらしいですね。黒田長政のキャスティングは本当に大成功ですよ! 若くてカッコイイだけじゃないんだもんねぇ。何も見ていない空虚な瞳が、黒すぎる!!
ただ、鎮房と鶴姫は中津にいても、もう一人の朝房は親父と一緒に出かけてるんですから、全ての泥を長政がひっかぶる、っていう解釈にはなりませんよね。官兵衛がなにもせずに知らんぷりして朝房を連れて帰ってくるわけがないですもんねぇ。
やっぱり史実の流れからいくと、ドラマの長政独断決行説はちと苦しいんじゃないのだろうか……結局は、父子なかよく騙し討ちの汚名をシェアしようってことで!
○今まで、この『軍師官兵衛』の中でもさまざまな悲運の武将たちが無惨な最期を遂げていきましたが、直接官兵衛の手にかかるということで、朝房はやけに力を入れた誅殺シーンになりましたね。でも、どんなに意匠を凝らしたカット割りにしても、やっぱりあの手法で誰にも血が飛び散らないというのは……くるしい~!! 先週あんなに思い切った描写になったのに、官兵衛の方はやや感傷的なイメージにかたよりすぎたような気がいたしました。「みんな秀吉が悪いんだ~い!」っていうことで、いいのか? 弱者に厳しい戦国時代に強者に対して意地を張ったんですから、それはしかたのないことなのよね。
史実でどうだったかは知らないのですが、せっかく肥後国の一揆鎮圧に出陣している最中なんですから、ドラマのように静かな陣所の中ではなく、ハデな戦闘のどさくさにまぎれて……というような朝房の最期も見たかったような気がしました。いくさのシーンが観たい~!
○又兵衛「お鶴どの、生きよ……なにがなんでも、生きるのだ。」
長政をさしおいて官兵衛イズムを確かに継承する男・又兵衛! 落ち着くなぁ~、塚本さんの武士姿は、ほんっとうに似合ってて落ち着く。これからどのような経緯をへて黒田家を去って浪人の道を選んでいくのか、とっても気になりますね。
●エッ、鶴姫、処刑されずに生き延びたの!? いや、それはさすがにフィクションが過ぎるのでは……そこは史実どおりに涙をのんでズバッといくのが、戦国の論理なんじゃないですか。
だったら、鶴姫のエピソードをいじくるよりも、ちゃんと朝房の妻のお龍の方が、妊娠した身でありながらも肥後国で黒田家の手からみごとに逃げきって男子を産んだという、史実そのままの城井家存続エピソードをしっかり映像化したほうがず~っと感動的だったんじゃなかろうかと思うんだけどなぁ!
……あ、それじゃ、黒田家が完全な悪役になりすぎちゃうのか。難しいなぁ~、大河ドラマの主人公って。
●秀吉「人は、将棋の駒じゃ! それを、わしが自在に操る。まるで、神のようにな……上様(織田信長)も、それをおもしろがっていたに違いない! ハッハッハッハ……」
いやいや! 今現在のあなたに比べたら、織田政権なんてそんなに大したもんじゃないですって! だいたい、自分の経営術やささいなミスの積み重ねがもとで、ものの見事にすっころんだ信長のことなんか、ここで秀吉が口にするはずがないと思いますよ。縁起が悪くてしょうがないもん、あんなお方。
この時点で秀吉が意識していた過去の人物は、間違いなく源頼朝もしくは足利義満といった最高級クラスの天下人だったはずなのです。史実の逸話でも、秀吉が頼朝を語ったという話はありますよね。
ここで秀吉が語っている神が限りなくキリスト教の「 GOD 」に近いっていうのも、おかしな感じですけどね。でも、当時の日本人がそれに相当する存在を考えるとしたら、いったい何なんだろうか……「おてんと(天道)さま」ですかね。太陽サンサン、熱血パゥワー!!
○佐々成政さん、まるでコントみたいなやつれっぷりでしたね。織田家家臣の最後の生き残りとして、みごとな凋落っぷりを見せつけてくれました。
……ん? 最後? いやいや! だから、前田の犬千代さんはいつ出てくんの~!? 今週は名前だけが出てたけど、ご本人登場は、いつ?
○「大明帝国への侵攻」、「官兵衛 VS ダーイシ」、「官兵衛 VS 秀吉」、そして「秀吉 VS 利休」! いろんなフラグがおっ立ちまくりで緊張しまくりのこんな茶室、イヤ~ン!! リラックスの「リ」の字もありゃあしねぇ!!
でも、この時点ではまだ、さすがの暴君秀吉にも、出された茶碗を蹴り倒すことを控えるくらいの節度は残ってるんですね。秀吉の中でせめぎあう良識と狂乱の闘いも、見ごたえたっぷりですね~。そりゃ、ゴールドの足袋を履いてる人はブラックはお嫌いでしょうね。
○まともなセリフがほとんどなくとも、北政所おねからスルスルと正直なうち明け話を聴くことができる寡黙なイケメン官兵衛。男前はトクだねぇ~オイ! わざわざ「おいしいです。」って言わなくても、瓜を食べるその表情だけでメッセージを伝えられる顔と度胸がほしいもんですよ、このわたくしも!!
だいたい、脚の障害のせいだから仕方ないことはよくわかるんですけど、基本的に座る姿勢が崩れてるっていうのも、他の武将にはない魅力ですよね、官兵衛って。木村拓哉理論か!?
○加藤清正を演じる阿部進之介さんの眼光は、今日もギラギラですなぁ~。ほんとにいい面構えですよね。よっ、武断派!
○今回も冴えわたる、秀吉の作り笑いと家康の鉄面皮のマスカレード・トーク! ほんとに喰えない二人ですよね。
○意外や意外、今回で初めて実現した官兵衛と家康の会見! いや~なんちゅうか……ホントに3歳差!? あなたがた。いやでも、寺尾さんの肌つやと手の感じはものすご~く若々しいんですけどね。
秀吉とか明智光秀とか家康とか、いちいち会うたんびに「おぬしのような軍師が欲しいもんじゃわい。」と定型のお世辞を言われる官兵衛なんですが、そんな官兵衛にしれっと秀吉の「次期天下人トーク」のうわさを語って大いに動揺させる家康の手練手管は、さすが古ダヌキ! ヤな感じですね~。
秀吉の宴席シーンを、実は家康の作り話なのかもしれないという可能性を濃厚におわせる俗悪そのものな雰囲気にして、肝心の「官兵衛じゃ。」というセリフを対極的に静寂な利休の茶室で家康がボソッとささやくという演出は、けっこう印象的でおもしろかったですね。歴史好きな人ならば誰でも知っているようなベタなエピソードを、こういう「おっ?」と思わせるようなモダンな手法で映像化するのは、すばらしいのではないのでしょうか。演出の藤並さんって、『軍師官兵衛』ではこの回で初めて演出を担当された方でしょ? 若い方なのかな。気になりますね!
結論、「第39回がとてもたのしみです。」
史実ではこの回の時点(1588年)でまだまだ43歳ということで、思ったよりもけっこう若い官兵衛なのですが、なんだかこの数回でぐっと老けこんできたような気がして、実際にセリフもなく苦悩する表情だけのカットが多くなってきたような気がします。その苦みばしった沈黙の姿は、確実に放送第1回のアバンタイトルの小田原征伐に近づいてきているような。いよいよ、物語が一巡するタイミングが迫ってきたわけなんですなぁ。
にしても、前々から言ってはきたんですが、今回は特に、官兵衛を演じる岡田さんが、あの『太平記』で足利尊氏を演じた真田広之さんにオーバーラップする瞬間が多かったような気がしました。尊氏さんも、室町幕府初代征夷大将軍とは言いながらも、将軍就任後も本当に苦労の絶えないお方でしたからねぇ……実際、天下統一できてなかったもんね、尊氏・義詮の2代は。
主人公が後半戦で苦悩する大河ドラマは、やっぱりなんといっても視聴者がその悩みについていけるかどうかが大事なポイントになるかと思います。その「ついていけるか?」という問題は、完全に観る人ひとりひとりの主観によるので、どれが成功してどれが失敗したのか、ということを議論したってしかたのないことなんですけれども、それでも個人ブログなので強いて私自身の経験だけをもとに語るのならば……成功したのは『太平記』と『八代将軍吉宗』で、失敗したのは『北条時宗』と『平清盛』、っていう記憶はありますね、なんとなくですけど。俳優さんが若いと、主人公の後半生はホントに大変ですよね!
そんな中でも、今年の『軍師官兵衛』はおおいにがんばってると思いますよ。岡田さんと松坂くんが父子という関係も、今回の城井家殲滅エピソードでやっと違和感が消えた気がしました。
いけいけ、オッサン官兵衛~!!