長岡京エイリアン

日記に…なるかしらん

在りし日の名曲アルバム  鬼束ちひろ『シャイン』

2014年09月15日 22時59分37秒 | すきなひとたち
 ヘイど~もこんにちは! そうだいでございますよ~だ。みなさま、今日も一日お疲れさまでございました。
 今日は敬老の日で休日だったそうなんですが、私は平常運転で出勤でした。明日も明日で大事なお仕事があるし……時間的には余裕もあっていい感じなんですが、丸一日の完全オフ日はまたしても遠のいておりますな。まぁ、ゆる~くいきましょう。


 あのですね、例によってお引越しの準備をいろいろやっとるわけなんですが、置いといた CDもどんどん実家に送るっつうことにしまして、あんまり聴かないもの、思い入れのないものから先にとずっとやっていたんですが、いよいよあの鬼束ちひろさんのほうに順番がまわってきたんですな。
 そんで、どうせいったん手元から離すんならついでにということで、送る前にパパッと聴きなおしてみて、聴いた感じをちゃちゃっとここに記しておきたいと思います。
 ところで私の持っている CDの中で今のところいちばん好きなのは、井上陽水の7thオリジナルアルバム『スニーカーダンサー』(1979年)ですね。いや~これは愛してます。ベストアルバムじゃなくてオリジナルアルバムのほうがいいんだよなぁ。いびつなところというか、捨て曲とまでは言わないけど「正気ですか!?」ってツッコみたくなる珍品がゴロゴロしてて、むしろそこをいっそう楽しそうに唄われてるの。全曲好きだな~。

 さて、今回は鬼束さんの作品でも、リリース当時から「なぜ?」という反響が多かったいわくつきの『シングル BOX』(2004年3月リリース)を、1stシングルから1枚1枚聴いていこうという企ての第1弾です。これ……今年中に聴き終わらせて送れますかね? ムリだな。


鬼束ちひろ『シャイン』(2000年2月リリース 東芝EMI)

 『シャイン』は、鬼束ちひろ(当時19歳)のデビューシングル。作詞・作曲は鬼束ちひろ、編曲は土屋望。リリース当時のキャッチコピーは「大丈夫、私がすべてを撃ち殺してあげる。」。
 リリースにあわせて TSUYATA渋谷店においてキャンペーンを行ったり、フジテレビ系情報番組『めざましテレビ』で特集も組まれたりしたが、オリコンウィークリーシングルチャートはランク圏外、初回受注枚数も千枚あまりと、ヒットと呼ぶには程遠いセールスだった。

収録曲
1、『シャイン』(5分4秒)
 学校の閉塞感を、本人いわく「牢屋のイメージで作った。」という楽曲。シングルバージョンはロックテイストなアレンジであるが、翌2001年に発表されたアルバムバージョンはピアノのみの伴奏となっている(カップリング曲「 BACK DOOR 」も同様)。プロモーションビデオは、シングルバージョンのものと、ピアノのみをバックにスタジオライヴで収録されたアルバムバージョン『シャイン unplugged 』の2種類が制作されている。前者はシングルリリース当時に音楽番組で部分的にオンエアされるなど、ごく限られたメディアでしか使用されなかったが、翌年に後者が制作されるとそちらが使用されるようになり、プロモーションビデオ集にも後者が収録されたため、後者の方が一般的に認知されている。

2、『 BACK DOOR 』(5分13秒)
 ながらく翌年に発表されたアルバムバージョンのみがベストアルバムに収録される状態が続いていたが、このシングルバージョンは4thベストアルバム『 GOOD BYE TRAIN 』(2013年12月リリース)で初アルバム化された。


 簡単に言えば、こっちのシングルバージョンが土屋望プロデュース版で、有名なアルバムバージョンが羽毛田丈史プロデュース版ということになるのでしょうか。シングルバージョンでも羽毛田さんはピアノと電子ピアノを担当していますが。
 どっちも、タイアップなしでチャート圏外、おまけにゃ翌年以降オフィシャルで「なかったこと」にされている不遇づくしのデビューシングルなのでありますが、だからこそ、慈しみたいいとおしさがあるのよねぇ。
 ……まぁ、どっちもアルバムバージョンのほうがいいんですけどね……

 2曲とも、エレキギターやパーカッションがついて聴きあたりは良くなっているんですが、それが曲をマイルドにしすぎちゃって、特に『シャイン』なんかは歌詞が訴えている抑圧とか悲愴感をビックリするほど伝えにくくしているような気はします。それはやっぱり、アルバムバージョンみたいに鬼束さんの声質をそのまま活かしたほうがいいですよね。
 『シャイン』のサビの「♪ 日を 日うぉ ヒィウォ ヒィ~ウォオオ~!!」といくボルテージの上がり方なんか、笑っちゃうくらいに入魂ものですばらしいんですが、1990年代の軽さを色濃く残している演奏がみごとにその熱をそいでいるのがよくわかります。

 『 BACK DOOR 』は『シャイン』にくらべたら明るい雰囲気の曲だから、こんな感じのポップさでもいいか、という印象があるのですが、やっぱり目立つパーカッションの合いの手が鬼束さんのイメージを「よくいる歌手」の域に縛ってしまっているような気がしますよね。なんか、完全によそいきで毒のない歌い手さんといった感じになっています。記憶に残らないさわやかさ!

 とにかく、デビューシングルの段階から、「演奏よりも歌詞よりも、声!」というインパクトの偏屈っぷりをいかんなく発揮している鬼束さんなのでありました。そう、この2曲は言わんとしているメッセージはよくわかるんですけど、歌詞が今ひとつパッとしないんですよね。『シャイン』はなかなか血なまぐさいんだけどそこで通さずにきれいな単語も入れてるからモヤモヤしちゃってるし、『 BACK DOOR 』も全体的に抽象的でなんというか……いかにも10代という感じで甘っちょろい。

 鬼束さんの歌詞世界は、よく言えば「解釈の許容範囲が広い」、悪く言えば、まぁ……「浅い」。
 でも、大事なデビュー作なのに「恋愛」という売れセンな路線を気持ちいいくらいにガン無視している、その姿勢はやっぱり鬼束さんというか、九州女子の剛直さですよね。

 愛してま~……した!!
コメント
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