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2016年12月19日 00時31分30秒 | すきな小説
『終わりのクロニクル 第4巻(上・下)』(2004年12月~2005年1月刊)

 『終わりのクロニクル(おわりのクロニクル)』は、川上稔のライトノベル。イラストはさとやす。電撃文庫(メディアワークス)より2003年6月~2005年12月に刊行された。単行本全14巻。
 川上稔による架空の世界観「都市世界」における「AHEAD」時代を取り扱った作品。総じてページ数が多く、最終巻は1000ページを超えて当時の電撃文庫における最厚記録を樹立した。


あらすじ
 世界の崩壊が3ヶ月後と迫る中、佐山御言と新庄運切は4th-G との全竜交渉を進めるため、九州地方の離島へと向かう。それと前後して、5th-G との全竜交渉のために八大竜王の一人サンダーソンが、自身の曽孫の少女と共に日本へと降り立った。だが、彼はアメリカUCAT にある文書を預けていた。それは、後に5th-G との交渉に際し、障害となる内容を秘めたものだった……
 かつて佐山の姓を持つ者と交わした約束の履行を迫る植物の世界4th-G。そして、機竜同士の内乱により滅んでいった機竜が支配する世界5th-G。2つの世界を相手に、佐山たちの全竜交渉が始まる。


4th-G
主要概念 …… 植物が動物化する概念
対応神話 …… アフリカ神話
対応地域 …… アフリカ / 九州

4th-G の世界観
 恒星を中心に3つの環状大地が自転する構造で、大地は動物化した植物に覆われ、環状の内側には川が流れていた。生態系に差異が生じると他の大地との交差時に情報を交換し、生態系を均一化した。人類は存在せず、動物化した植物「草の獣」だけが住み、ムキチの統制のもとで暮らしていた。

4th-G の概念戦争
 高い生命力と治癒力はあるものの戦闘力は無く、しかし概念核を持つムキチが所在不明になったために滅ぼすこともできず、概念戦争からは除外された。しかし佐山薫だけはムキチの正体を見破っており、結ばれた約束が果たされた時はLow-G に協力する、という交渉が成された。薫は約束を果たせなかったが、ムキチはいつか眷属によって果たされることを期待して草の獣と共にLow-G へ移住、4th-G は滅びた。


5th-G
主要概念 …… 落下方向を任意で決定する概念
対応神話 …… ネイティブアメリカンの神話(アステカ神話)
対応地域 …… アメリカ / 北海道

5th-G の世界観
 大気のある宇宙に2つの惑星が隣接して浮かぶ構造で、概念を応用した飛行技術で両惑星の交流は早期から行われた。機竜はその一環として造られ、人類はそれぞれを資源惑星と居住惑星に使い分けた。概念戦争では惑星を要塞化したものの「黒陽」に破壊され、惑星の残骸が散らばる世界となった。政治機構は不明、惑星破壊後は「白創」が黒陽を除く全機竜を統率した。

5th-G の概念戦争
 資源惑星を防衛基地に、居住惑星を生産基地に改造し、戦力として黒陽と白創が造られた。しかし黒陽は「護るべき人類を武装して送る基地を破壊すれば平和になる」と解釈して暴走し両惑星を破壊、5th-G 人類を死滅させた。白創は残った全機竜を率いて襲い来る黒陽を迎撃し、5th-G は内乱状態となった。その後ショートル3は亡命したLow-G で護国課に協力し、リチャード=サンダーソンと共に黒陽を撃墜した。しかし決戦はLow-G で行われたため、5th-G は滅んだ。


作中の専門用語
5th-G 製の概念兵器
ヴェスパーカノン
 5th-G の概念核兵器。サンダーフェロウが使う。5th-G 製の全長45メートル・全高7メートルもの異常に長大な砲塔で、事実上のサンダーフェロウ専用の武装兵器。宵星砲が白創と5th-G 機竜群と合体して完成したもので、通常規格の機竜には搭載できない。ショートル3が消えた後は奥多摩UCAT に封印されていた。黒陽を完全に破壊できる現存最強の5th-G 製兵器。
 巨大な剣のような形状で、カラーリングはブルーとホワイト。

宵星砲(よいせいほう)
 概念戦争時代の5th-G 製概念兵器。ヴェスパーカノンの前身。ショートル3に搭載され、単体では唯一黒陽の装甲を貫通できる。黒陽の撃沈後に白創と5th-G 機竜群が合一し、概念核兵器ヴェスパーカノンに進化した。


夢砂(ゆめすな)
 ロジャー=シュリーが使う砂状の賢石。1st-G 概念を劣化変質させたもので、様々な情報を夢として対象に認識させる。通常の砂を加工して造るもので、素材となった砂の加工以前の周囲状況を見せるものが多い。

悪臭(オドー)
 オドーがアンクレットに嵌めて肘に装着する賢石製の武器。周囲の敵意を感知し、オドー自身の敵意を物理化して対象の頭にぶつけて叩き伏せる。攻撃は指を鳴らすことで発動し、その打撃力は常に上から降って来る。


機竜
 概念戦争時代、単体では最強の戦闘力を誇ったドラゴン型の機械兵器。強大な戦闘能力を有しているが、合一搭乗すると搭乗者は二度と分離できない欠陥がある。1st-G、5th-G、Low-G、Top-G の4世界で開発されているが、本家は5th-G のものであり、1st-G とLow-G の機竜は5th-G 機竜の模倣である。

5th-G の量産型機竜
 5th-G 概念の特性を活かした航空型機竜。変形型と非変形型の2種類がある。

非変形型機竜
 内部の主骨格フレームに対して外装をほとんど変動させないタイプ。航空形態・格闘形態・汎用形態の3種類がある。主軸となるフレームが形を変えないので耐久度は高い。しかし航空形態と格闘形態は戦況の変化に対応できず、汎用形態も航空・格闘形態双方の長短を引きずるため、性能がどっちつかずとなる欠点がある。

完全変形型機竜
 内部の主骨格フレーム自体を変形させて外装も変動させるタイプで、航空形態と格闘形態の2形態を切り替えられる。状況に応じ形態を切り替えるため機動力・攻撃力共に高いが、フレーム自体を変形させるため耐久度が低い。

サンダーフェロウ
 概念空間に各種部品やフレームを収納し、状況に応じてフレームを交換することでサンダーフェロウは格闘形態・通常巡航形態・高速巡航形態およびヴェスパーカノン砲撃形態の4形態に己を組み替えられる。また、概念戦争から現代までの間に合一搭乗に関する欠陥が解決された唯一の機体である。全長約30メートル。時速約1200キロで飛行できる。口部の主砲「竜砲」のほか、両翼から雷状の光学兵器を発射し、それを収束して爪状の刃にして攻撃することもできる。
 黒陽と同様に全身の装甲板に光学迷彩ステルスを施すことができる。ボディカラーはブルーとホワイト。

黒陽
 5th-G の自己進化型戦闘用大機竜。別名テスカトリポカ。本体のみの全長は約300メートル。単体では5th-G 最強の戦闘力を持ちながら概念戦争で5th-G の旧式機竜群に敗北した黒陽は、その原因を個体数の差と解釈し、自らの部品から無数の子機を分裂・開発し、大群を形成した。黒陽本体は非変形型の進化をとり、外部に巨大で非常に重厚な双胴のフレームを装備し最終的な戦闘装備の完成した全長は約800メートルに及ぶ。
 爪と牙のほか、背部に合計64門の重連砲門、腹部に強力な主砲「竜砲」を装備している。最終形態で放つ竜砲は、小出力の状態でも有効射程距離21キロメートルの威力を誇る。砲撃するビームは全て黒く光り視認しにくい。基本的には全身の装甲板に光学迷彩ステルスを施した状態で行動しているため姿は目視できず、風圧のみでその存在を確認できる。不可視型の防護フィールドを展開すれば通常型機竜の竜砲攻撃も軽微に抑えることができる。

Low-G の機竜
 Low-G の機竜は、5th-G の機竜を研究して開発したもので、アメリカUCAT が最も先進している。概念戦争時代には、完全変形型機竜ブランカと非変形型機竜サンダーバードの2機種がアメリカUCAT の主力量産機の座を争っており、最終的にはブランカがその座を射止めた。全竜交渉時にはブランカ9というブランカの最新後継機体が量産・主力とされており、アメリカUCAT は68機保有している。日本UCAT や黒陽との戦いで戦線に合計22機が投入された。
 ブランカ型、サンダーバード型ともに全長約30メートル、翼幅約5メートル。ブランカ型のカラーリングはホワイト、サンダーバード型のカラーリングはブルーとホワイト。ブランカ9のカラーリングはブルー。ブランカ9は口部に主砲「竜砲」を、両肩に副砲を装備している。


4th-G と佐山薫との約束
 概念戦争時代に、佐山薫が4th-G の協力を得るためにムキチと結んだ約束。その約束とは、「佐山が知る中で最も信頼し、また治療が必要な者」を「4th-G の治癒力によって癒すこと」であった。薫は治療が必要な者に新庄要を選び、4th-G に治癒を願おうとしたが要は治療を受ける前に亡くなり、結局約束は果たされなかった。

幸いの名
 リチャード=サンダーソンと5th-G 製機竜群の間で結ばれた、5th-G の全権と生き残った竜たちの加護を与える相手につける名。Low-G の発音では「ヒオ」。


主な登場キャラクター
佐山・御言
新庄・運切
出雲・覚
風見・千里
大城・一夫
大城・至
Sf(エスエフ)
リール=大樹
シビュレ
田宮・遼子
田宮・孝司
飛場・竜徹
ディアナ=ゾーンブルク
月読・史弦
ハジ
戸田・命刻
田宮・詩乃
長田・竜美
飛場・竜司

ダン=原川
 全竜交渉部隊の対機竜戦力。尊秋多学院生徒会副会長補佐。2年生。サンダーフェロウの操縦を担当する。日系アメリカ人の少年。本名はダン=ノースウィンドだが、嫌いな父方の姓であるため母方の性を名乗っている。
 相手をフルネームで呼ぶ癖がある。尊秋多学院の自動車部に所属しており、部内では飛場竜司の先輩。横田基地でアルバイトをしている。ニヒルな常識人なのだが、ヒオの行動に巻き込まれて誤解されることが多い。黒陽から逃げ延びてきたヒオを匿ったことから全竜交渉に関わることになる。

ヒオ=サンダーソン
 全竜交渉部隊の対機竜戦力。中学生。サンダーフェロウの操縦補助とリミッター制御を担当する。5th-G の全竜交渉のためにリチャード=サンダーソンと共に来日した少女。黒陽から逃げた先でダン=原川と出会う。
 リチャードとの約束でサンダーフェロウに護られている。黒陽に母親を殺された一件から「悪魔憑き」という誤解を受け、転校を繰り返していた。流暢な日本語を話す。彼女の名「ヒオ」は5th-G において「幸い」を意味し、「いつか護るべき子が生まれた時その名を与える」とショートル3と約束した曽祖父リチャードによって名付けられた。それと同時に5th-G の全権も与えられている。

リチャード=サンダーソン
 5th-G 担当の八大竜王。5th-G の全竜交渉に際して曽孫ヒオ=サンダーソンと共に来日し、復活した黒陽との戦闘で死亡した。アメリカUCAT 所属時代に盟友ジェイムズ=デイヴィスを黒陽に殺されて以来打倒に執念を燃やし、ショートル3や5th-G 機竜群と共に黒陽を北海道近海に沈める。ジェイムズの遺児ジェシカ=デイヴィスを養女とし、行方不明になったジェシカの双子の弟を探している。ヒオの母マリアの死後にヒオを育てていた。

ショートル3
 概念戦争時代に護国課と協力した5th-G の機竜。単体では唯一黒陽の装甲を穿てる武装「宵星砲(ヴェスパーカノン)」を腹部に搭載していた。1941年3月にLow-G の北海道北部の海岸に打ち上げられたところを護国課に捕獲された。概念戦争当時にリチャード=サンダーソンを5th-G に導き、滅亡の真相を語っていた。黒陽との決戦で相打ちとなり大破したと考えられている。
 全長約30メートル。カラーリングはブルーとホワイト。

オドー
 アメリカUCAT の監査官。ディアナ=ゾーンブルクの書類上の夫。「悪臭」の賢石を使う。最初の言葉を二度繰り返す癖がある。生粋のアメリカ至上主義者。かつて親を失い、引き取られた先で虐待を受けていた。オドー(「悪臭」)という名はその当時に付けられたもので、本名を隠すために今も名乗っている。本名はリチャード=デイヴィスで、ヒオ=サンダーソンの大叔父に当たり唯一の肉親である。

ロジャー=シュリー
 アメリカUCAT の監査官補佐でオドーの副官。「夢砂」の賢石を使う。かつて日本UCAT に所属していたことがあり、そのツテでオドーを補佐している。大城至やディアナ=ゾーンブルク、原川唯とは面識があり、少佐になった今も彼らには頭が上がらない。

草の獣
 4th-G の概念世界で動物化した植物。身体を分化できる種族で、複数体に見えても一つの意思が全体を動かしている。「草の獣」とは他種族との対話用に捻出したインターフェイスのこと。6本足のトカゲに似た形をとることが多いが、形状は変えられる。熱を栄養源とし、主に生物の疲労を余剰熱として摂取する。密集すると自重で発熱するため、集団になるだけで生きられる。

ムキチ
 草の獣の指導者。4th-G 概念核の化身。正体は水を肉体とするドラゴンであり、植物に宿って支配すると同時に、情報を共有することもできる。ただしあくまでも植物に宿るだけであり、草の獣とは別個体である。概念戦争中は正体不明の存在として知られ、見破ったのは佐山薫だけだった。

黒陽(こくよう)
 概念核を内蔵する5th-G 最強の黒い大機竜。Low-G では「テスカトリポカ」と呼ばれていた。元は概念戦争における防衛兵器として開発されたが、「要塞化した惑星を壊せば争いは無くなる」と自分で解釈して暴走し2つの惑星を破壊、5th-G の人類を死滅させたとされている。

白創(はくそう)
 5th-G の概念核を内蔵していた自己進化型の白い大機竜。Low-G では「ケツアルコアトル」と呼ばれていた。気象管理用として黒陽と共に開発された。黒陽が暴走した後は機竜達の長として対立した。概念戦争における黒陽との決戦後、ショートル3を除く全機竜と共に宵星砲と合体し、ヴェスパーカノンとなった。

サンダーフェロウ
 ヒオ=サンダーソンを護る機竜。普段は概念空間で待機し、危機に際しては自律行動で現れる。大破したショートル3が自ら修復・進化した機体であるが記憶を失い、機体性能も引き出せず迷彩で姿を隠していた。5th-G の全竜交渉でヒオの前に現れ、一度は拒絶されるがダン=原川の説得により和解し、「雷の眷属の同志(サンダーフェロウ)」の名を得て覚醒する。

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