ヨシムラ・サイエンス・ラボ

身近な物を材料視点で解説「サイエンスライター」
銅の良さを伝え広める「伝銅師」、金属のお悩みへの相談「メタルソムリエ」

「空の鉄」 隕鉄

2021年06月19日 | 金属 よもやま話
伝統工芸と身近な物を材料科学するヨシムラ・サイエンス・ラボです。

スマートフォンやドライブレコーダーと呼ばれる車載カメラが普及したためなのか、最近、光り輝く火球となって落下する隕石の動画ニュースを良く見ますよね。
ちなみに、陸地に落下した隕石は、1913 年から 2013 年までの 100 年間に605 個が確認されているようで、
陸地と海洋の面積比から試算すると、年間約20個の隕石が地球に落下していることになるようです。

隕石にはさまざまな種類があり、成分が鉄からなる隕石を隕鉄と呼びます。
紀元前14世紀、古代エジプトの象形文字には「空の鉄」と読める組み合わせもあり、実際、隕鉄を用いた当時の剣も発掘されており、当時、隕鉄は入手できる金属として貴重な素材であったのでしょうね。


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塑造と塑性 金属の変形を粘土に例えた??

2021年06月16日 | 金属 よもやま話
伝統工芸と身近な物を材料科学するヨシムラ・サイエンス・ラボです。

先日、ある芸術家の方のTwitterを見ていると、「塑像(そぞう)」という言葉が書かれていました。
調べてみると、塑像とは、粘土で造形した彫刻のことのようです。

もともと「塑」とは、土をこねたり削ったりして物の像を作るという意味のようで、粘土で造形する技法のことを「塑造」というようです。

金属に力を加えて変形させて永久変形を生じることを「塑性(そせい)」と言います。

人類は、紀元前7000~8000年に金や銅などの金属と出会うかなり前から粘土に出会っていたと思うので、
金属が変形することを知った人類は、粘土に例えてその現象を表現したようにも感じてしまいます。←ちょっと言いすぎかな(笑)??


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「ニ」から始まる金属製品

2021年06月06日 | 金属 よもやま話
伝統工芸と身近な物を材料科学するヨシムラ・サイエンス・ラボです。

理科系に進まれた方は、子供の頃にプラモデルや電子工作などを趣味として行った人も少なくないと思います。
私は、どちらかというと電子工作派で、小学生の頃は、電子オルガンなどの電子工作キットを買ってきては、はんだ付けして、完成させて、・・・の繰り返しでした。

そんな工作・科学好きになじみ深いのが、乾電池のニカド電池、電熱器のニクロム線、形状記憶合金のニチノール、ではないでしょうか?
ニカド電池は電動模型のバッテリーに、ニクロム線は発泡スチロールの加工に、ニチノールは科学館での実験道具で使いましたよねー。

これらのいずれにも共通するのは、名前の最初が「ニ」から始まっていることです。
実は、これらいずれもニッケルを使用しており、具体的には、ニカド電池は正極にニッケル、ニクロム線はニッケル-クロム合金、ニチノールはニッケル-チタン合金が使われています。

子供の頃、何気なく、ニカド電池やらニクロム線やらニチノールやら言っていましたが、改めて金属屋になって眺めてみると、これらの共通はニッケルでした。


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