ヨシムラ・サイエンス・ラボ

身近な物を材料視点で解説「サイエンスライター」
銅の良さを伝え広める「伝銅師」、金属のお悩みへの相談「メタルソムリエ」

ツールエンジニア2月号

2014年01月30日 | 執筆
伝統工芸と身近なものを材料科学でサイエンスするヨシムラ・サイエンス・ラボです。

大河出版から出版されている機械加工に関する技術雑誌「ツールエンジニア」2月号発売されました。
隔月で執筆している、連載 生活を支える金属 いろはにほへと。
今月は、その第6回で、 溶かす・混ぜる・固める(3)状態図と金属組織 についてです。

もしよろしければ、ご覧ください。

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ナポレオンⅢ世とアルミニウム

2014年01月26日 | 金属 よもやま話
伝統工芸と身近なものを材料科学でサイエンスするヨシムラ・サイエンス・ラボです。

前回は非鉄金属について説明しましたので、具体的な非鉄金属例について紹介したいと思います。
今回は、非鉄金属の中で最も身近な金属であるアルミニウムの小話を一つ。

キッチンにはアルミホイルやアルミ鍋、リビングの窓にはアルミサッシ、お財布の中には一円玉硬貨など、我々の身近にはアルミニウム製品が溢れ返っていますよね。
最近は、アルスクリームを溶けやすくするアルミニウムスプーンも発売されています。
今やアルミニウムは、私たちの暮らしになくてはならない大切な金属の一つです。

この様なアルミニウムも今から約160年前は、アルミニウムの製造技術が乏しかったために非常に高価な金属だったそうですよ。
甲冑を軽くしたいと思っていたナポレオン三世は大のアルミニウム好きで、大切な客に対してアルミニウム製のスプーンやフォークで接待したとのお話もあるそうです。

ナポレオン三世がアルミニウム製品が溢れ返っている現代の光景を目の当たりにしたら失神してしまうかもしれませんね。

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非鉄金属って?

2014年01月22日 | 金属
伝統工芸と身近なものを材料科学でサイエンスするヨシムラ・サイエンス・ラボです。

皆さんは非鉄金属って聞いたことがありますか?
今日は、その非鉄金属についてご紹介します。

金属を大別すると、鉄と鉄以外の2つに分けられる場合が多いようです。
これは、世の中で最も多く使用されている金属が鉄であることから、鉄と鉄以外といった分け方がなされている様です。
後者の鉄以外の金属を総じて非鉄金属と呼びます。
具体的には、銅、鉛、亜鉛、アルミニウム、錫など、電気・電子・機械部品や建築材料、自動車などの様々な産業分野に利用されています。
最近の新聞記事をにぎわすリチウムやインジウム等のレアメタルも非鉄金属です。
鉄が「産業の父」とすれば、非鉄金属は「産業の母」であり、現代社会ではますます非鉄金属の重要性が増してきています。

次回は、非鉄金属の代表であるアルミニウムについて、身近なものの実例を挙げて紹介します。
お楽しみに。

高岡の鋳物に関するデザイン画

2014年01月19日 | 高岡銅器
伝統工芸と身近なものを材料科学でサイエンスするヨシムラ・サイエンス・ラボです。

富山県民会館開催されている「北高展」に行ってきました。


富山県立富山北部高校の情報デザイン科による作品が展示されており、大変レベルの高い作品が数多くありました。
その中には、高岡の伝統工芸である鋳物に関するデザイン画もありました。

明日の来週月曜日まで開催されていますので、お近くの方は、ぜひご覧ください。

北陸新幹線と伝統工芸

2014年01月13日 | 伝統工芸
伝統工芸と身近なものを材料科学でサイエンスするヨシムラ・サイエンス・ラボです。

来春の2015年春に北陸新幹線が開業が予定されています。
富山-東京が2時間強となり、今より随分、時間が短縮されます。
首都圏が近くなり、楽しみですね。

ところで、最近、その車両が公開れてました。
車体上部色は「空色」、車体色は「アイボリーホワイト」、車体中央の帯色は「銅色および空色」になっています。
車体中央の銅帯色は、銅器や象眼など北陸の伝統工芸品をイメージしたとか。

早く、実物を見たいものです。

身近な金属 「はんだ」

2014年01月09日 | 金属
伝統工芸と身近なものを材料科学でサイエンスするヨシムラ・サイエンス・ラボです。

本日は、身近な金属としての「はんだ」に関する小話です。

私が子供のころの趣味と言えば、電子工作!
ラジオや電子オルゴールなど、いろいろ作りました。
当時、「ラジオの製作」とか「初歩のラジオ」という電子工作専門雑誌があって、毎月楽しみにしていた記憶があります。
さて、電子工作に欠かせないのが「はんだ」。

はんだは、金属同士を接合したり、電子回路で電子部品をプリント基板に固定するために使われる金属で、①低い融点、②接合する相手材とのくっつき易さ、③電気を通しやすい、④接合後の十分な強度、等の特性が求められます。
これらの特性を満足する合金として、錫の濃度が60~63%の鉛‐錫合金がはんだとして使用されています。

ところが、はんだの合金成分の一つである鉛は人体に有害な金属のため、鉛を含まない鉛フリーはんだ(なまりふりーはんだ)が開発され、その使用が主流となってきています。
鉛フリーはんだの発端は、1990年代には廃棄された電子部品のはんだから酸性雨により鉛が溶け出して地下水を汚染するという問題が起こったことが原因だったようです。

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1円玉と5円玉 製造再開!?

2014年01月05日 | 金属
伝統工芸と身近なものを材料科学でサイエンスするヨシムラ・サイエンス・ラボです。
本日は、身近なものの一つである1円玉と5円玉について。


硬貨は金属でできていますが、その材質はそれぞれ1円玉は純アルミニウム、5円玉は真鍮(銅合金)で出来ています。
この1円玉と5円玉。
2014年度から、その製造を再開するそうです。
1円玉や5円玉は毎年製造されていると思いきや、本格的に製造されるのは、1円玉は2009年度以来の5年ぶり、5円玉は2008年度以来の6年ぶりだそうです。(※2014年1月5日 朝日中学生ウイークリーより)

というのは、今年の4月から消費税が5%から8%にアップしますが、それに伴い、1円玉と5円玉の使用が増えるためだとか。

日頃、何気なく使っている1円玉と5円玉。
製造再開とは意外でしたね。。。

サイエンスカフェとやま第9回のご案内

2014年01月04日 | サイエンスカフェ
伝統工芸と身近なものを材料科学でサイエンスするヨシムラ・サイエンス・ラボです。

サイエンスカフェとやまからのお知らせです。
1月26日に、サイエンスカフェとやま第9回が開催されます。
詳細は次の通りです。

サイエンスカフェとやま第9回「金と宝石をカガクする」
・ゲスト:河合孝恵氏(富山高等専門学校)
・開催日:2014年1月26日(日) 15:00-16:30
・会 場:富山市民プラザ 1階カフェ 「フェリーチェ」
・参加費:500円(飲み物代) ※飲み物は次の中から選択してください:コーヒー、紅茶、カフェラテ
・申込み:申込み専用フォームからお申し込みください。
・主催:サイエンスカフェとやま

くわしくは、サイエンスカフェとやまHP(http://sctoyama.jp/)をご覧ください。
ぜひご参加くださいね。

今年もよろしくお願いします さて、今年の第一弾は「使い捨てカイロ」

2014年01月03日 | サイエンス
伝統工芸と身近なものを材料科学でサイエンスするヨシムラ・サイエンス・ラボです。
昨年は、サイエンスカフェ伊丹、富山県民カレッジ、サイエンスカフェとやまをはじめとする、サイエンスカフェ関係のみなさまにはお世話になり、ありがとうございました。
今年も、ヨシムラ・サイエンス・ラボとして、引き続き、活動していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

さて、今年の「身近なモノを金属の観点から紹介」の第一弾は「使い捨てカイロ」です。

カイロは、使いたい時にさっと温まり、冬の寒い時期の必需品ですよね。


カイロは漢字で「懐炉」と書き、江戸時代までは暖めた石を懐に入れた「温石(おんじゃく)」がルーツといわれています。
温かくなる原理は、実はくぎが錆びるのと同じ、「錆び」なのです。
というのは、カイロの中を見てみると黒い粉が入っていますが、それは、鉄粉、水・塩、活性炭なのです。
カイロの袋を開けてもむと、鉄粉 + 水 + 酸素 ⇒ さび の反応が進み、熱が発生するのです。

このように、実は、使い捨てカイロも金属が関係しているのです。

今年も、どんどん紹介していきますので、みなさん、お楽しみにね。