ヨシムラ・サイエンス・ラボ

身近な物を材料視点で解説「サイエンスライター」
銅の良さを伝え広める「伝銅師」、金属のお悩みへの相談「メタルソムリエ」

金属加工の歴史 × 百科事典

2021年01月31日 | 執筆
伝統工芸と身近な物を材料科学するヨシムラ・サイエンス・ラボです。

富山はまだまだ厳しい冬で気温が低いので、先週末の金曜日から本日まで、「朝から家にこもって執筆活動、たまに調べで図書館に行き、そして夕方からは晩酌」を繰り返しておりました。

図書館に行って改めて気づきましたが、「何かを調べる際に最初にチェックすべきなのは百科事典!」ですな。
というのは、金属加工について百科事典で調べてみると、金属加工の概略説明は当然のこと、その歴史などについても書かれており、ずいぶん面白かったです。

例えば、
ヨーロッパで最初に実用化された金属圧延機は中世教会のステンドグラス用鉛縁を成形加工する手動圧延機であったとか、
押出は1797年にイギリスで溶解した鉛を手押しポンプで吸い上げて冷却凝固させながら管に成形したのが始まりだとか、
今では当然となってしまっている、金属の圧延や押出の歴史がわかり、興味深かったですね。

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トコトンやさしい金属材料の本』(日刊工業新聞)


銅のはなし』(技報堂出版)


身近なモノに隠された金属のヒミツ パパは金属博士!』(技報堂出版)


『ツールエンジニア 生活を支える金属 いろはにほへと』 (大河出版)

『ツールエンジニア モノづくりを支える金属元素 いろはにほへと』 (大河出版)新規
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物づくりを支える金属部材 × 金属元素

2021年01月26日 | 執筆
伝統工芸と身近な物を材料科学するヨシムラ・サイエンス・ラボです。

この度、大河出版樣の技術雑誌「ツールエンジニア」で、再び連載させていただくことになりました。
その第1回目が、ツールエンジニア2月号からスタートします。


題名は「モノづくりを支える金属元素 いろはにほへと」で、全14回を隔月連載の予定です。
内容は、機械部品、金型、被加工材など物づくりを支える金属部材や金属加工に関して、これらと関連深い主要な金属元素12種類の視点で、最近のホットな話題も交えながら金属元素の性質面から解説したいと思っています。
第1回の今回は、「金属元素って何?」と題して、次回以降の金属元素各論の前に、金属元素の全体像について説明しました。

ぜひご覧ください。

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トコトンやさしい金属材料の本』(日刊工業新聞)


銅のはなし』(技報堂出版)


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ボランティア講師への応募

2021年01月24日 | サイエンス
伝統工芸と身近な物を材料科学するヨシムラ・サイエンス・ラボです。

富山県では、県民一人一人が生涯を通じて楽しく学び、学習成果を社会に還元して社会貢献できる、未来への希望に満ちた富山県の創造をめざして、富山県民生涯学習カレッジが生涯学習推進の中核的機関として生涯学習事業を実施しています。

久しく、サイエンスコミュニケーターとしての活動を行っていませんでしたが、
2021年度に富山県民生涯学習カレッジが主催する「自由塾」のボランティア講師の募集がありましたので、応募しました。
もちろん講義は、身近な事例を用いながら金属に関する内容を分かりやすく説明する内容を予定しています!

無事、ボランティア講師として決定しましたら、本ブログで日程などを紹介したいと思います。
お楽しみに!

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トコトンやさしい金属材料の本』(日刊工業新聞)


銅のはなし』(技報堂出版)


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延期 × 新500円硬貨

2021年01月23日 | 金属 よもやま話
伝統工芸と身近な物を材料科学するヨシムラ・サイエンス・ラボです。

2021年度上半期に予定していた新500円硬貨の発行を延期することのなったようですね。
新500円硬貨は、「バイカラー・クラッド」と呼ばれる二色三層構造で、外観的には2色の硬貨に見えるそうです。
延期の理由は、新硬貨に対応させたATMや自動券売機の改修作業が、新型コロナウイルスの拡大に伴い、遅れているためだそうです。

待ち遠しいですな。

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トコトンやさしい金属材料の本』(日刊工業新聞)


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おかげさまで初版2版の発行

2021年01月16日 | 執筆
伝統工芸と身近な物を材料科学するヨシムラ・サイエンス・ラボです。

2019年10月に日刊工業新聞社樣より出版させていただいた「トコトンやさしい金属材料の本」ですが、おかげさまで、
皆さまからご好評をいただき、初版2版の発行となりました!



引き続き、皆さんにご興味を持っていただけるよう執筆活動を進めてまいります!

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トコトンやさしい金属材料の本』(日刊工業新聞)


銅のはなし』(技報堂出版)


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北陸の大雪 × 鉄からアルミへの代替

2021年01月13日 | サイエンスカフェ
伝統工芸と身近な物を材料科学するヨシムラ・サイエンス・ラボです。

本日は、富山の大雪の話題の最終回です。
まだまだかなりの雪が残っていますが、今日は雨が降り、気温もそこそこでしたので、除雪作業と合わさって路上の雪は少なくなりました。
よかったですわ。。。

さて、除雪作業に欠かせないのが「スコップ」です。
スコップは、金属製のもの、プラスチック製のものなど様々ありますが、軽くて強くて錆びなくて使いやすいのがアルミスコップです。
アルミスコップの材質は、アルミニウムにマグネシウムを添加したアルミニウム合金で、A5052合金だそうです。
重い鉄製スコップから、軽さ重視で材料をアルミニウムに変えたスコップと言えます。

最近、環境対応で自動車の燃費向上を狙いとした車体の軽量化が進んでおり、これまで鉄が使用されてきた自動車の構造材料やボルトなどの締結部品にアルミニウムを適用、いわゆる「鉄からアルミへの代替」が更に加速していくと予想されています

私の記憶によると、子供の頃からアルミスコップがあったように思いますので、金属スコップのアルミ化は、当時、かなり先進的な鉄からアルミへの代替だったのかもしれませんね。

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トコトンやさしい金属材料の本』(日刊工業新聞)


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北陸の大雪 × 金属タイヤチェーン

2021年01月11日 | 金属 よもやま話
伝統工芸と身近な物を材料科学するヨシムラ・サイエンス・ラボです。

本日も富山の大雪の話題です。
先週末から降り続けた雪は、ようやく峠を越えたようですが、道路には押し固められた雪があり、まだまだ交通状態が悪いようです。

冬道に欠かせないのがスタッドレスタイヤ。
スタッドレスタイヤは、いわゆる雪道に対応したスノータイヤで、普通のタイヤと比べて駆動力や制動力をより大きく路面に伝える工夫がされているそうです。
私が子供の頃は、スタッドの付いたスパイクタイヤが主流でしたが、路面のアスファルトを削ってしまう問題があったので、現在はスタッドのないスタッドレスタイヤとなりました。

更に雪が厳しい道路で活躍するのが、金属製タイヤチェーンです。
今回の大雪では、富山市内を運行している市内バスの多くは、このタイヤチェーンを装着しています。



早速、ネットで金属製タイヤチェーンの材質について調べてみると、
金属製タイヤチェーンは、「JIS D 4241:2000 路上走行用自動車―タイヤチェーン」として日本工業規格に規定されていました。
その規格を見ると、金属チェーンの材質は、軟鋼線材SWRM材でした。
SWRM材は含有する炭素量も少なめな鋼材で、あまり硬くはないようです。

金属チェーンが硬すぎると路上のアスファルトを損傷させてしまうからかもしれませんね。

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トコトンやさしい金属材料の本』(日刊工業新聞)


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北陸の大雪 × 体積膨張

2021年01月10日 | 金属 よもやま話
伝統工芸と身近な物を材料科学するヨシムラ・サイエンス・ラボです。

前回は金属を溶かす「溶解(ようかい)」でしたので、本日は金属を固める「凝固(ぎょうこ)」についてです。
金属分野においては、溶けた金属を型に注いで冷却して凝固させるプロセスを鋳造(ちゅうぞう)、使用する型を鋳型(いがた)、出来上がった金属製品を鋳物(いもの)とそれぞれ呼びます。

先週末から富山県も含めた北陸地方は大雪で、現時点での富山市の積雪量は120cmを超えています。
北陸育ちの私にとっても久しぶりの経験です。。。


そのため、ここ最近は気温が低く、凍結によって水道管が破裂しないように、「水抜きして水道管内の水をなくす」や「水をちょろちょろ出して、固まらないように流し続けておく」などの対策が言われています。
これは、水道管内の液体の水が固体の氷に凝固する際に膨張して、体積膨張によって水道管に亀裂が入るためです。
凍結による水道管破裂を金属分野で例えると、氷は鋳物、水道管破裂は鋳型破損ですな。

このような凝固に伴う体積が膨張する物質は、水以外に、金属ではビスマス、アンチモン、ゲルマニウムなどがありますが、
工業的に使用されている鉄鋼材料や非鉄金属の銅やアルミニウムなどほとんどの金属は、液体から固体に凝固する際は収縮します。
そのため、凝固時の収縮を考慮した型設計を行わないと、鋳物の冷却不足や鋳造欠陥の原因にもなってしまいます。

水であれ、金属であれ、凝固に伴う体積変化は、やっかいですな。

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トコトンやさしい金属材料の本』(日刊工業新聞)


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「融解」よりは「溶解」。更には、「溶解」よりは「熔解」ですかね。

2021年01月05日 | 金属 よもやま話
伝統工芸と身近な物を材料科学するヨシムラ・サイエンス・ラボです。

本日は、金属を溶かす「溶解(ようかい)」について。

溶解は、固体の金属を融点以上に加熱して液体金属にする、鋳物や鋳塊を形作るための一番最初の金属加工プロセスです。
この溶解という言葉は、本来であれば、水に砂糖が溶けるように、ある物質が液体に溶けて均一な状態になる現象のことを意味します。
一方、固体が液体になることは「溶解」ではなく「融解(ゆうかい)」と表現します。
すなわち、「溶解はとけて混ざること」で、「融解は溶けて液体になること」です。

でも、なぜか金属の分野では、固体の金属を液体金属に溶かすことを「溶解」と呼びます。
更には、金属の溶解に古来より熱源として火を用いたため、古い書籍では溶解を常用外漢字の「熔解」と表現されることもあります。

個人的には、炉でドロドロに溶けた高温の真っ赤な液体金属のイメージからすると、「融解」よりは「溶解」。
更には、「溶解」よりは「熔解」の方がしっくりきますね。

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トコトンやさしい金属材料の本』(日刊工業新聞)


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打ち初め式 × 鉄

2021年01月04日 | 金属 よもやま話
伝統工芸と身近な物を材料科学するヨシムラ・サイエンス・ラボです。

今年もどうぞよろしくお願いします。
今年初のブログは、刀の打ち初め式です。

日本製鋼所の室蘭製作所では、刀匠の堀井家による90年以上にわたり日本刀作りが続けられているそうです。
毎年正月に行われる打ち初め式の模様は北海道で必ずニュースで流れるほどで、地域では恒例行事のひとつとなっています。

今日のNHKニュースで、今年の打ち初め式についての報道がありました。
テレビでは、真っ赤になった鉄を大づちと小づちで叩く動画が紹介されていました。

打ち初め式の狙い通りのコロナが終息してほしいものですな。

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トコトンやさしい金属材料の本』(日刊工業新聞)


銅のはなし』(技報堂出版)


身近なモノに隠された金属のヒミツ パパは金属博士!』(技報堂出版)


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