ほんの手すさび手慰み。
不定期イラスト連載、第百四十弾は「ソビエトJK」。
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国土面積、2千240万平方キロメートル。(世界一位)
人口、2億9千万弱。(世界三位)
GNP、2.6兆ドル。(世界三位)
アメリカの向こうを張る宇宙開発と軍事力。
文字通りの「大国」と言える「ソビエト社会主義共和国連邦」は、
1922年からの69年間、世界地図上にあった。
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東西冷戦当時は「鉄のカーテン」に遮られ、イマイチ正体不明。
多くの日本人にとっては不気味な印象。
冷たい海に浮かび、大部分を海面下に隠した「赤い氷山」といったところか。
だが、実は教育熱心な国だった。
前身の帝政ロシア時代、庶民教育は深刻な低水準。
人口の大部分を占める農民、労働者などの多くは文盲。
多民族・多言語・多文化からなる、広大な生まれたばかりの国では、
国家を発展させるため、また共産主義を普及するためにも、
共通言語(ロシア語)の識字率向上は不可欠だったのである。
一党独裁国家らしく、かなりの強行軍で教育改革に乗り出し、
国土の隅々に学校を設け、数万人の教員を要請。
大戦争を乗り越え、1960年代末には、かなりの水準に引き上げた。
義務教育期間中、教科書、授業料、送迎などの教育関連費は無料。
高等教育の単科大学奨励。
男子の軍事教練、女子は応急手当などの後方支援教練。
生産現場での体験労働を通じた労働学習。
エリート養成教育が盛ん。
@重工業を支える物理・数学などの自然科学。
@対外活動の基礎になる外国語。
@ソビエトの優位性を喧伝できるスポーツ・芸術。
--- これらに才能を発揮する人材は、徹底して長所を伸ばした。
そんな特徴を持つ制度の下で学ぶソビエトのJK(正確には中等教育課程)の制服は、
ミニスカメイド風のエプロンドレスだった。
19世紀後半に開校した女子学校で採用された制服がルーツ。
最初は、茶色いウールの高襟ドレスに黒いエプロンを合わせたスタイルだった。
それが、白エプロン、レースの襟と袖口飾りの付いた礼服になり、
以降100年余り受け継がれて行く。
ソビエト崩壊後、制服は廃止されたが、
今も卒業式・終業式などでは定番のファッションになっていると聞く。
年若いスラヴ系の女性は、総じて美しい。
それが、萌え要素満点に装うとなれば、破壊力はかなりのものだ。