つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

雪の水辺と並木道。

2022年02月23日 15時28分28秒 | 自然
                     
きのう(2022/02/22)全国ニュースでも取り上げられた通り、
石川県内にはまとまった雪が降った。
特にわが津幡町のお隣・金沢では、昨朝3時間のうちに21センチの積雪を観測。
金沢地方気象台は、大規模な交通障害の可能性が高まったとして、
同日・午前7時前「顕著な大雪に関する気象情報」を発表。
警戒を呼び掛けた。

地域差はあるだろうが、雪は「程々」で済み、胸を撫でおろしている。
とは言え、愛犬を伴っての散歩は無理。
ドライブ散策に切り替え、今朝、買い物に出かけた折に
「河北潟(かほくがた)」へ足を向けた。



拙ブログには度々登場する県内最大の水辺「河北潟」。
かつては東西4km、南北8kmに及ぶ面積を誇ったが、
1960年代に始まる国営干拓事業により1/3にまで縮小した。
上掲画像は「東部丞水路」に架かる橋の上で撮影。
風に舞う雪片がお分かりになるだろうか?
赤い円で囲った中には、空を飛ぶ水鳥。
水面にも鳥の群れが浮かんでいる。
割と大柄だから「雁」かもしれない。 
しばらく寒さに震えながら飛び交う姿を眺めるうち、一編の詩を思い出す。

瀟湘何事等閑回
水碧沙明両岸苔 
二十五弦弾夜月
不勝清怨却飛来


雁よ この美しい地を迷わず捨てて 北へ帰るのか
豊かで清らかな水 白砂の浜 岸には好物の苔も生しているのに
湖の女神が奏でる瑟(しつ/大型の琴)の調べが流れる月の夜
その物哀しい音色に堪えかね 飛び立ってしまうのか


(※太字「帰雁」-「錢起」作 / 赤文字意訳 - りくすけ)

作者「錢起」は、中国・唐代の詩人。
漢詩「帰雁」は、旅立つ雁に望郷の念を託したとされる。
季節は冬の装いだが、鳥たちは渡りの準備に入っている。
案外春は近いのかもしれない。

さて、津幡市街地方面から橋を渡り切ったそこは、広大な干拓地。
東京ドーム300個分に匹敵する1,359haのスペースでは、
麦や大豆などの畑作、牧場・牧草地、蓮根田などが営まれている。
そんな農地の一角---
「冬ソナの道」とも呼ばれるメタセコイアの並木路を初訪問した。





『270本のメタセコイアが、農道の両側に2メートル間隔で植えられています。
 冬になると、メタセコイアに降り積もる雪景色が、まるで冬のソナタを思わせます。
 1年中風が吹く並木道は、夏は日陰となり、涼しい風が通り抜けます。
 秋には、メタセコイアの紅葉が楽しめます。
 春になると、河北潟堤防沿いのサクラ並木が見事です。
 このさくらの街道は、内灘町から津幡町、かほく市までの街道9キロに渡って、
 1,550本のサクラが植えられています。
 干拓地のイメージアップを目的に、
 干拓完成の1985(昭和60)年にサクラとメタセコイアが植えられました。』
(※『  』内、「津幡町観光ガイド」より抜粋/引用 原文ママ)

韓国ドラマ『冬のソナタ』。
日本で2003年に放映され、韓流ドラマブームの火付け役になったこと、
主演俳優が大人気になったことは知っている。
だが、まったく観ておらず、正直、ピンとこない。
ま、それは個人的なハナシだ。



ともかく、雪や寒風をものともせずに空へ伸びる姿は実に逞しく美しい。
メタセコイアは落葉性の針葉樹
進化過程において割合古いタイプで“生きている化石”とも呼ばれる。
端正な樹形が印象的だ。
早春、葉が展開するより先に、雄花を多数咲かせるという。
次の訪問機会は、そのタイミングを狙うとしよう。
                  

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« アリか?ナシか? | トップ | 小説「プラハの春」。 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿