つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

アリか?ナシか?

2022年02月20日 20時22分22秒 | 手すさびにて候。
                
今回は後掲イラストの説明から入ってみたい。

モチーフは旧ソ連時代の「禁酒ポスター」。
オリジナルも同じ構図。
スーツ姿の男性が、差し出されたウォッカを手で制するデザイン。
標語の「HET!(ニエット)」は「酒は結構です!」
アルコールを絶つ強い意志を表している。

ちなみに、ソ連市民は生活や寿命に影響を及ぼす程の酒好きだったとか。
見かねた政府が、何度か大規模な節酒キャンペーンを張るも、
ことごとく失敗に終わったそうだ。

そのポスターを基にした拙作は、
突き付けられたトカレフを牽制するウクライナ女性がメイン。
身に着けた民族衣装「ソロチカ」は、独立性を。
手にした鍔のない片刃のサーベル、
コサックの伝統武器「シャシュカ」は、抵抗を表してみた。

ほんの手すさび 手慰み。
不定期イラスト連載 第百九十五弾「HET!~戦いはいらない!」



先月末(2022/01/30)「キエフの冬」と題した記事を投稿した。
(※タイトルからリンク有)
緊迫の度合いを高めるウクライナ情勢と、
半世紀前の政治運動「プラハの春」について書いてみたものだ。
--- それからちょうど3週間。
ウクライナを取り巻く空気はキナ臭さを弥増している。

ドイツ、フランス、日本も、在住自国民へ避難勧告。
アメリカ大統領は、ロシアの指導者は決断したと明言。
一方、ロシア側は、公式に越境進軍を否定。
やはりブラフなのか、それとも本気なのか。
X-DAYは「北京オリパラ」閉幕後が怪しい。
~等々、様々な憶測が飛び交っている。

個人的には、軍事侵攻は「ナシ」かなと思う。
これだけ注目を集める中で強行すれば、
物心両面で払う犠牲は余りにも大きい。
また、ロシアにエネルギーを依存するヨーロッパの国々も、
戦乱を歓迎してはいないはずだ。

危機を煽る欧米側の発言。
軍を退かないロシア側の挑発。
共に落としどころを作るための腹の探り合いに見える。

しかし、国際政治は百鬼夜行。

小規模衝突などを皮切りにした偶発的な「アリ」。
批判やリスクを顧みない「アリ」の可能性は打ち消せない。
どう転ぶかを見極めるのは難しいのだ。
もちろん当のウクライナは「ナシ」を望んで止まないだろう。
                    

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4 コメント

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りくすけさんへ (Zhen)
2022-02-21 22:07:59
こんばんは

ロシアとウクライナは、元々親密だったと聞きます。ロシア人とウクライナ人の夫婦は珍しくなく、ウクライナ国籍のロシア人、ロシア国籍のウクライナ人も少なくないそうです。

我々西側諸国から見るウクライナ問題は、大国ロシアの横暴としか見えません。しかし、対岸であるロシアから見たウクライナ問題は、まったく別の見え方なのかもしれません。

ウクライナ問題が拗れて得をするのはアメリカだとか、漁夫の利は中国だ、等々。ただ、被害を被るのはウクライナ国民であることは、間違いないでしょうね。「ニエット、戦争!」
返信する
Zhen様へ。 (りくすけ)
2022-02-22 07:41:36
コメントありがとうございます。

今朝(2022/02/22)のニュース。
プーチンがウクライナ東部地域の独立承認。
段階的に事実上の支配を拡大し、
ウクライナを丸呑みにしてしまおうという
ロシアの意図も見え隠れ。
嫌な感じです。
プーチンはソ連時代の権力者の生き残り。
元KGBだと記憶しています。
長期独裁を敷いてきた指導者だけに、
露国内は強引に取りまとめられそう。
「そろそろやるぞ!」
そんな恫喝にも思えますね。

Zhenさんおっしゃる通り、
ロシアから見たウクライナ問題は、
まったく別の見え方だと思います。
先の大戦でソ連が血を流して手に入れた東欧は、
次々とNATOになびいてしまった。
元々同じ国だったウクライナまで
失う訳にはいかない。
プーチンの心には、根深い確執や因襲、
焦りなどが渦巻いているのかもしれません。

最悪の事態にならないこと。
HET!戦火!---を祈ります。

では、また。
返信する
Unknown (lemonwater2017)
2022-02-26 00:12:49
象が転んだです。

”キエフの冬”が現実のものになりましたね。
正直、意外でした。
しかし、プーチンは最後のカードを出し急いだ気もします。
お陰で、国際世論だけでなく、ロシア国内でも大きな反発が起きてます。
ウクライナ政府は、すぐに停戦合意に動き出しました。が、最初は拒否してた(強気の)プーチンも、ウクライナが欧米軍の援助を受け反撃に転じた事で停戦合意に応じる様子です(多分)。

ウクライナは、1994年の(国内に残る1900発もの)核放棄決定”ブタペスト(安全保障)合意”をアメリカやロシアに反故にされた結果、ロシアにとって侵略しやすい隣国に成り下がります。
もしブタペスト合意を結んでなかったら?純粋な独立国としてウクライナには(危なっかしいですが)春が来てたかもです。
全ては結果論で悲しい現実ですが、正直者がバカを見るのは世の常ですかね。
返信する
象が転んだ様へ。 (りくすけ)
2022-02-27 21:31:00
コメントありがとうございます。

僕もキエフの冬はないと思っていましたが、
結果はご存じのとおり。
このリアルがすべてです。
中国の下支えが効いてしまったのでしょうか。

此度の戦争の行方はまだ分かりません。
一体結末はどうなることやら。
怖ろしいことになりそうで不安です。

では、また。
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