新年おめでとうございます。
どうぞ今年も拙ブログとのお付き合い、よろしくお願い申し上げます。
津幡町で見聞した、よしなしごとを簡潔にお届けする不定期通信。
今回の話題は以下の2本。
【雪の元日。】
ここ北陸・津幡町は、雪中の年明けとなった。
寒いか、寒くないかと言われれば「寒い」。
しかし「まだ序の口」との思いもある。
あと2ヶ月は雪の季節が続くだろう。
雪に縁のない土地の方の目には「雪害」と映るかもしれないが、
僕たちにとっては冬の日常だ。
少し以前から、何度か書いている通り「自然には勝てない」。
凹まず、焦らず、粘り強く向き合い、
春到来まで、時間切れ引き分けを狙うしかないのである。
【正月風景。】
家々の玄関に下がる「正月飾り」。
降雪曇天の薄暗い中では、小さな橙の鮮やかな色が嬉しかったりする。
加賀地方の鏡餅は「紅白」が常識だったりする。
前田家の祖「菅原道真」の故事、梅の花の色にちなんだとか。
津幡町・倶利伽羅峠の源平合戦(平氏の赤旗・源氏の白旗)が始まりとか。
五穀豊穣を願い餅に雑穀を混ぜたのが起こりとか。
由来には諸説アリだ。
加賀の正月料理の一つが「かぶら寿司」だったりする。
塩漬けした蕪に、塩漬けの鰤を挟んで、米糀で漬け込み発酵させた熟れ鮨の一種。
鰤はそれなりにお高いから、家庭では代用として〆鯖を用いるケースもある。
ほのかに甘く、酸味が効いた冬の味。
散らした柚子皮の香りと苦みもアクセント。
寒さが厳しいと美味しく漬かる。
こいつと燗酒は、すこぶる相性がいいのだ。
<津幡短信 vol.97>
あけましておめでとうございます。
蕪寿司うらやましい。もう何十年も食べていないお正月の最高料理です。昔母がいつも漬けていました。今では兄嫁が漬けているそうですから伝統は末永く伝わっていくことでしょう。こちらロンドンでもお雑煮はできますが、蕪寿司は無理ですね。
コメントありがとうございます。
玲子H様にとってかぶら寿司は、積年の味。
そちらでの食糧、食材事情は分かりませんが、
作るのが難しいとなると、思いは募りますね。
おっしゃるとおり、伝統は受け継がれています。
投稿に乗せた画像は、僕の妹の作。
亡母に思い入れの深い彼女が、
バトンをつないでくれました。
しかし、次世代、次々世代となると、
どうなるでしょうか?
家庭での漬け込みは徐々に少なくなり、
かぶら寿司は、作るものから買うものへ
移行しているようです。
では、また。