令和二年(2020年)と令和三年(2021年)は、コロナ禍によって。
昨・令和五年(2023年)は、津幡町の豪雨災害の影響によって。
近年は図らずも「自粛」が重なった秋季大祭だが、今年は無事催行。
昨夕(2024/09/14)から、大きな獅子が町内を練り歩いている。
加賀の獅子舞は、獅子の胴が長い。
「カヤ(蚊帳)」と呼ばれる布で構成されるそれは巨大で、
内部には布を張る「胴竹」が通常3本ほど渡され、10数名が支える。
また、更にカヤの周囲を数名が引っ張りながら波打たせ勇壮な動きを演出。
この胴長の獅子に相対する演者が刀や薙刀などの武器を手にして獅子退治。
「獅子殺し」は霊獣である獅子そのものを滅するのではなく、
獅子に宿った災厄を祓い落すことが目的。
一旦は演者の前にひれ伏すが、また復活して次へと移動。
これを繰り返しながら家々を周るのである。
獅子を退治する芸態で用いられる技は、武術の伝承者が考案し伝授したもの。
明治時代以降「旧弊」とされた武術は衰退していったが、
その遺伝子は、祭礼の中で生き残った--- と考えられるかもしれない。
個人的には「カポエイラ」との類似性を感じる。
格闘技ファンならご存じの通り、
カポエイラの原型は、16世頃、南米ブラジルで誕生した護身術。
ポルトガルの支配下で奴隷となっていた人々が、
音楽に合わせて踊っているように見せかけながら蹴り技・突き技を磨いた。
現在は武術として、またダンスとして受け継がれている。
--- 獅子舞の技(棒振り)も、元になった武術とは別の次元ながら、
系譜は今に続いているのだ。
津幡四町、中央の清水・能登口の庄・越中口の津幡・加賀口の加賀爪。
それぞれの拠点を周った獅子は、
今夕(2024/09/15 18:30頃~)町中心部の「四ツ角交差点」にて競演。
囃子方~獅子舞~棒振りが技を披露し合い、
最後に獅子がぶつかり合うと、祭りは最高潮を迎える。
時間と都合が許せば、晩夏の風物詩を観に出かけてみてはいかがだろうか?!
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