つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

暑中見舞い ~ 少年の日の夏。

2022年07月10日 20時00分00秒 | 日記
                      
暑中お見舞い申し上げます。

盛夏の候 皆さまいかがお過ごしでしょうか。
ここ北陸は、本日(2022/07/10)朝方、少しだけお湿りがありました。
湿度、気温共に高く、蒸し暑い一日。
しばらく同様の気候が続きそうです。
どうか夏バテなどしないよう、ご自愛くださいませ。

さて、暑熱の中に身を置いていると、少年の日の夏の記憶が蘇ってきました。
思えば、昆虫の世界に魅せられて、捕虫網を片手に野山を彷徨ったものです。
カブト虫やクワガタ虫などの甲虫類は、僕のヒーローでした。
そして、クイーンは「オオミズアオ(大水青)」です。
ほんの手慰みに、擬人化イラストを描いてみました。



オオミズアオは「チョウ目ヤママユガ科」に属する蛾の仲間。
透き通った淡い水色の優雅な翅は、開くと全長10センチを超えることも。
大きく、妖艶で美しい。
闇の中を、まるで薄絹のドレスを翻すように漂う姿は、夜の女王の貫録充分。
初めて目にしたときは、思わず息を呑みました。

ご存じの通り、蛾は「完全変態昆虫」。
幼虫と成虫の姿が、別の生き物かと思えるほど違います。
コレは、彼らの生存戦略。
幼虫がいわゆるイモムシなのは、
大量に餌を食べ、栄養を蓄えることに特化した形状だから。
短い期間で成虫になるための準備をする訳です。

やがて蛹(サナギ)の中で体を溶かし、
翅や生殖器官などを備えた最終形--- 成虫体を構築。
このヒトと全く異なる過程、
「生まれ変わる」とも言える変化は神秘的にすら感じます。

また、驚くことにオオミズアオの成虫には口がありません。
羽化から命尽きるまでに与えられた期間は、僅か1週間程。
その間、餌を取らず、子孫を残す相手を探すのです。
図鑑をめくり、そんな生態を知ってからは、
可憐な飛翔が、儚く、鬼気迫る特別な舞いに思えました。



あの少年の夏の日。
オオミズアオに大切な何かを教えてもらった。
僕は、そう考えています。

では、どうかお元気で。
りくすけ
                 

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7 コメント

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Unknown (象が転んだ)
2022-07-16 12:41:15
可憐な飛翔と脆くも優雅な舞いで
子孫を残す相手を探す為だけに
何も食わずに、僅か1週間の限られた命を使い果たす・・・
妖艶な薄絹のドレスには、そういう悲しい秘密が隠されてたんですね。

オオミズアオの様に舞えとは言わないが
今の政治家に教えてやりたいです。

そのまま引用しましたが
まるで美しい詩の様な記事で感動しました。
返信する
gai6969様へ。 (りくすけ)
2022-07-14 22:33:56
コメントありがとうございます。

貴ブログの自然と環境を見つめる鋭い視線、
毎回楽しみにしております。
スナヤツメ---確かヤツメウナギの一種でしたか?
成体の生き様は知りませんでした。
勉強になります。

拙イラストへのお褒めの言葉、
ありがとうございます。
現在「オオミズアオの続篇」
---のようなものを思案中です。
よろしかったら、また覗いてやって下さいませ。
どうぞよしなに。

では、また。
返信する
Unknown (gai6969)
2022-07-14 19:10:21
こんばんは
擬人化イラストお上手ですね。
成虫の期間が短いのは儚いですよね。スナヤツメという魚も成体になると何も口にしなくなり、繁殖に参加したら死を待つだけになります。
返信する
Zhen様へ。 (りくすけ)
2022-07-13 05:40:28
コメントありがとうございます。
また過分なお褒めに与り恐縮です。
面映いと同時に嬉しく思います。

自分としては未だ満足のゆくものは描けておりませんが、
いつか到達したいと考え、筆を握っております。
どうぞこれからも付き合ってやってくださいませ。
調子に乗り「オオミズアオの続篇」
---のようなものを思案中です。

では、また。
返信する
りくすけさんへ (Zhen)
2022-07-12 22:01:22
暑中お見舞い申し上げます。

今回のイラスト、とても、とても良いです。

過去の作品の多くは、イメージに何らかの制約、つまり、りくすけさんが、元ネタの画像やイラストの影響を受けたと思います。
それに対し、本作の「オオミズアオ」は、りくすけさん自身が、自由にイメージして書かれている。
絵心の欠片もないZhenですが、完全オリジナルの凄みみたいなものを感じました。

では、また
返信する
作業員様へ。 (りくすけ)
2022-07-11 09:46:01
コメントありがとうございます。

オオミズアオとの遭遇、
うまく行くといいですね。
この種は夜行性ですから、
夜の電灯の下とか、早朝がチャンスかも。
ただ最近は「虫が寄らない灯り」が増え、
なかなか難しい面もあります。
気長に探してみてください。

色彩の美しさも際立っていますが、
未来少年コナンの「ギガント」を連想させる、
機能美も見どころです。

では、また。
返信する
Unknown (作業員)
2022-07-11 07:08:44
暑中お見舞い申し上げます。

何も食べないなんて、凄い・・
でも見た記憶がないのです
いや正確には「あ、大きな蛾がいる」くらいで
認識してなかっただけなのでしょう

もう、この記事を見たからには
出会ったら絶対感動すると思います!
返信する

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