http://www.j-cast.com/2007/06/04008151.html
就職・転職、結婚による改姓などで基礎年金番号に統合されなかったり、入力ミスによって納付記録が消えたことなどにより、5,000万件の年金が支給漏れだったことが発覚。安倍晋三首相は2007年6月3日の街頭演説で6月中に第三者委員会を発足することを明言したほか、丹羽雄哉・自民党総務会長は「新たなソフトを開発する。総理がお約束したことなので、1年以内に名寄せ(照合)を行う」、片山さつき広報局長は「すぐにシステムを開発して全部通知する」とまで、それぞれ6月3日にテレビ番組で明言した。
しかし、5,000万件の記録を1年間で照合するのは至難の業だ。単純計算でも、1日14万件近い年金記録を照合しなければいけない。それが、自民党のチラシのなかでは、
「オンライン化されていないが、マイクロフィルムや市町村にある記録についても手作業で突合せいたします」
と書いてあるから驚きだ。厚生労働省もJ-CASTニュースに対し、「私どもに具体的な処理(のしかた)が示されていないので何とも申し上げられない」と困惑した様子を見せる。
2007年6月4日付けの産経新聞も、「特定には最終的に手書きの年金台帳などと照合せざるを得ず、これも含めると10年はかかるとみられる」とした上、「とんだ勇み足」とかなり悲観的に書いている。さらには、民主党の菅直人代表代行には、「10年かかって(全部の年金の)4分の1の5,000万件が残っている。これは5,000万件(の照合)が難しいからで、1年以内にできるのか」と6月3日のNHK「日曜討論」で反撃されている。野党にとっては、うってつけの「攻撃材料」になっている。