脱原発を目指す作家や学者が呼び掛けた「さようなら原発集会」が13日、東京都千代田区の日比谷公園であった。主催者発表で6500人が集まり、脱原発の民意を政府に粘り強く訴え続けることを誓った。哲学者の高橋哲哉東大大学院教授は「国は国民を欺き、見捨てる。第2次大戦で気づいたのに、戦後、私たちはより快適で便利な生活を求め、忘れてきた。今度こそ人の命と健康を最優先する国に変えなくては」と強調。建設が再開された青森県・大間原発の近くに反対運動の拠点「あさこはうす」を構えた小笠原厚子さんは「原発事故が起きたら、全国が被害を受ける。これからの日本を担う子どもたちが安全に暮らす責任を負うのは政府だ」と訴えた。呼び掛け人のノーベル賞作家大江健三郎さんは、近代中国の文豪・魯迅の「歩く人が増えればそこが道になる」という言葉を引き、「私たちが集まって行進をすれば、そこに大きな道ができる。それは希望をつくるということ。しっかり歩きましょう」と呼び掛けた。集会後、参加者たちは、会場近くにある東京電力本社などへデモ行進した。
(中日新聞)