飛騨の山猿マーベリック新聞

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◆西川のりおが松本人志問題にモノ申す!「今の芸能界は自民党の派閥によう似てますわ」

2024年02月12日 15時21分55秒 | ●YAMACHANの雑記帳

西川のりお(漫才師)

政治学者・白鳥浩氏が金権腐敗の自民党を一刀両断「岸田首相は“小泉劇場”の再来、再浮上を狙っている」 ジャーナリスト青木美希氏が100人超の取材で辿り着いた結論「首相が決断すれば原発は止められる」 森合正範氏「記者として絶望感、敗北感を感じたのは井上尚弥が初めてです」

 週刊文春による松本人志の性加害報道に芸人の多くがコメントを避ける中、口火を切ったのが、この人だ。先月出演した関西のラジオ番組で、当初「事実は一切ない」と否定した吉本興業の対応を「初動ミス」とバッサリ。返す刀で「社内調査」を求め、松本にも「シロならキッチリ言えるはず」と会見を促すなど舌鋒鋭くしゃべり倒し、話題を集めた。芸歴50年超の大御所芸人が、芸能界と政界の「今」をぶった斬る。

 ◇  ◇  ◇

 ──師匠の指摘通り、吉本も「事実確認を進める」と態度を変えました。

いいじゃないですか、遅くても。非常にデリケートな問題なんで。相手を思いやる心は必要です。
 ──しかし、松本さん本人は態度を変えません。
 僕ら芸人はマスコミで生きてます。一種の公人ですから、公の場で答える義務があるんちゃうか、というのが正直な気持ち。都合のいい時だけのマスコミじゃない。不都合になったらダンマリはダメ。大阪・関西万博のアンバサダーにもなり、あれだけの公の仕事を引き受けて。急に裁判しようって、モノの順番が違います。
 ──大阪府の吉村知事も「アンバサダー活動も休止だと思う」と言いつつ、「決めるのは万博協会」と判断を避けました。
 何で「ご辞退いただく」と言えないの。有権者に選ばれた立場で何を遠慮してんねん。
 ──裁判は2年以上かかると予想されます。

 その間、ずっと疑惑のままでいいのかなあ。真相はどうあれ、疑惑は疑惑です。世間もその印象を引きずります。松本君が勝つにせよ、負けるにせよ、復帰したら「もう、アレは忘れて」って、できますか。他の芸人にもプラスになりません。この問題、どっちの方を向いてもアカンようになる。しゃべれなくなるんです。極端に言うと「この前、女の子とどうこう」いう話をしたらダメになりますよ。不自然な会話になりません? 何とも言えない空気になって、芸人には厳しい。彼もお客さんを笑わす商売として、どう思ってるんやろ。
■テレビには永遠に出られるわけやない
 ──テレビからは撤退しても、劇場には戻ってくるという可能性は?
 う~ん、どうでしょう。僕の勘では戻らない気がします。もともと、テレビの文化で売れた人ですから。僕らみたいな劇場から出た芸人は劇場に帰りますけど。劇場とテレビの漫才は別物です。スタジオに用意されたお客さんと劇場の客層はまるで違う。言葉のニュアンスで笑わすネタは劇場ではウケません。やっぱり歌舞伎役者なり、落語家なり、戻れる場所がある人は腰が据わっています。戻る場所は大事。何でか言うたら、テレビに永遠はないんです。永遠に出てる人はいない。あれだけ視聴率を稼いだ萩本欽一さんも久米宏さんも永遠には出てないですから。テレビはやっぱり、その時その時。その時が長いか短いかだけです。
 ──いわゆる“アテンド役”が生まれる構造について「芸人の営業の仕方が変わってきている」という師匠の指摘は腑に落ちました。
 最近よく聞くのが「誰々にハマってる」って言葉です。「気に入られているから、あの番組に呼んでもらえる」とかね。確かに「なんでテレビに出てるの?」ってヤツ、おるでしょう。するとMCが「こいつ、エエやつやねん」って、わざわざ公の電波で言う。そら知らんがな。アンタらの関係を押し付けるなよ。「オモロかったら売れる」が、魅力あるホンマの芸人の世界だったんですけど、偉い人に気に入られようと損得だけ考えて。政治家やサラリーマンの世界と同じになっています。自民党派閥の裏金事件と構図はよく似ているんですよ。100%とは言わないですけど、8、9割は一緒です。パーティー券をせっせと売ったのは、そのカネを派閥の親分に上納しているのと同じことですから。
 ──親分に気に入られればポストを得られる。
 芸人も「○○ファミリー」の親分にヨイショばっかして、見返りを期待する。僕がこの世界に入った50~60年前にもあった構造ですけど、一時、消えたんです。80年代初頭の漫才ブームで売れた頃は皆、「無派閥」だらけ。それが政界と一緒で今の方が昔に近い。後輩諸氏も「世話になった」「憧れてます」とコメントしてますけど、今はそんな話はしてません。論点がズレています。内向きな守るような発言なら、しない方がいい。
政治学者・白鳥浩氏が金権腐敗の自民党を一刀両断「岸田首相は“小泉劇場”の再来、再浮上を狙っている」 ジャーナリスト青木美希氏が100人超の取材で辿り着いた結論「首相が決断すれば原発は止められる」 森合正範氏「記者として絶望感、敗北感を感じたのは井上尚弥が初めてです」

 ──松本さんの活動休止が長期化すれば、審査を務める「M-1グランプリ」や「キングオブコント」の開催にも影響を及ぼしそうです。
 僕はもともと、賞レースには反対の立場です。お笑いって勝ち負けやないと思う。格闘技やないねんから。人生をかけるにしても、芸人は表に出したらアカン。見てる方を緊張させてどうすんねん。肩こりますやん。
 ──真剣にやっているのに何を笑ってんだと言われかねない雰囲気です。
 芸人もアスリートみたいに力んでますよね。手をパーにしてやらな、笑えません。お笑いはもっとおおらかでいい。損得や勝敗を超越しているのが、この世界の良さ。せめてM-1も4年に1回にせな。毎年毎年、面白い漫才師なんて出てきませんよ。昨年のエントリー数は8540組ですか。世の中にそんなに面白いヤツらがいてます? 芸人って、ある程度は熟成されて出てくるもんでね、「味」が大事。同じネタでも言い回しや声の出し方、アイツがしゃべったら違うなあというのが味です。そこに技を付け、個性と芸がマッチしてくれば面白くなる。唯一無二の存在で同じ人がおったらプロじゃない。今は賞レースで勝てそうなネタを覚え、合格を目指す芸人が増えています。受験勉強じゃあるまいし。
 ──けど、吉本をはじめ、今やどの事務所もお笑い学校を持ち、スクールビジネスが花盛りです。

 学校に入った以上、生徒さんにしたら芸人になりたがる。その「落としどころ」が賞レースへの参加なんです。
 ──エントリーするだけで、芸人気分に浸れるのかもしれません。
 気持ち的にはね。けど、好きなんとモノになるのは別です。それこそ野球選手と同じ。劇場で1週間の出番のうち半分を笑わせられるヤツはおらんのとちゃう。僕らもウケたりウケなかったりで、会心の当たりは2~3割がやっと。下手したら今週はダメというのもある。永久に完成のない世界で、サグラダ・ファミリアみたいなもんですわ。だからオモロイねんけど、40歳を越えて子供もいて、出番がもらえんようなら、現実を見なあきません。続けるのも勇気ですけど、やめるのも勇気。やめるべきですよ、大阪万博はマジで!
 ──吉本もパビリオン出展など社を挙げて万博に関わってません?
 それをこの前、吉本の人間に聞いたら「僕も知らないんですけど」言うて。「誰が知ってんねん!」って話になりました。
■「下見の のりお」言うて万博会場を視察
 ──ホンマでっか?
 会場の夢洲とか「下見ののりお」言うて、車で何度も視察しています。いざ始まったら、お客さん、移動するの大変ですよ。大阪湾の海の先やないですか。能登半島地震があり、南海トラフもハッキリ来る可能性が指摘されています。危機管理上も、あんな高リスクの場所でやるべきやない。
 ──それはホンマですね。
 万博後のIR計画についても、僕はラスベガスの歴史を勉強しました。マカオやシンガポールのカジノに行った経験も含め、YouTubeチャンネルで詳しくしゃべっています。今、海外客が日本を訪れる理由は安い・おいしい・清潔・安全。バックパッカーも多く、市バスで京都観光してますよ。カジノ目当てに富裕層が来てくれるかは大いに疑問です。
 ──それでも日本維新の会は大阪で絶大な支持を受けていませんか。
 大阪人には俗に言う「けったくそ悪い」の精神がある。「自民党やから通る」いう考えが大嫌い。事実、通りません。維新はその反骨心を利用しているんですよ。
 ──馬場代表は昨年、「第2自民党でもいい」と言い切りました。

 補完勢力ですよね。このまま自民党みたいになっていけば、大阪の人間にソッポ向かれまっせ。
 ──師匠の発言には常に批判精神が宿っています。
 批判って好きか嫌いかじゃない。物事に関心がないとできません。無関心が一番ダメです。まあ、僕は関心を持ち過ぎかも分からんね。今年で73歳。より正直に生きたい。それで好かれるだの、嫌われるだのは、やむなしなんでね。
(聞き手=今泉恵孝/日刊ゲンダイ)
▽西川のりお(にしかわ・のりお) 1951年生まれ。大阪府出身。高校卒業前に西川きよしに弟子入り。75年に上方よしおとコンビを結成。80年代前半の漫才ブームの一翼を担い、「オレたちひょうきん族」(フジテレビ系)など多くのレギュラー番組に出演。YouTubeチャンネル「のりおくんチャンネル~俺にも言わせろ!~」(毎週木曜19時更新予定)で政治や経済などの持論を展開中。


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