26日に召集された通常国会は、自民党派閥の裏金事件を受け、岸田首相の施政方針演説の前に予算委員会が開かれる異例のスタートになった。29日、衆参の予算委に岸田首相と関係閣僚が出席して「政治とカネ」問題に関する集中審議を行った。
集中審議で複数の野党議員が指摘したのが、派閥の政治資金パーティー券の売り上げをキックバックや中抜きで裏金化する手法は「脱税」にあたるという問題提起だ。
質問に立ったひとり、立憲民主党の小西洋之参院議員は総務官僚時代に政治資金を担当していたといい、今回の裏金事件を「脱税」と断言。収支報告書の訂正で済ませようとする岸田自民の対応を「脱税にお墨付きを与えようとしている」と批判した。
つまり、個人で受け取っていた裏金を政治団体の収入として記載する訂正を行えば、納税義務から逃れられる。そもそも派閥から所属国会議員個人への寄付も違法だが、政治団体への寄付ということにしてしまえば合法になる。そういう収支報告書の訂正を許していいのかということだ。
東京地検特捜部の捜査終了で逃げ切ったと安心したのか、「5人衆」と呼ばれる安倍派幹部も裏金の額を公表し、収支報告書を訂正すると言っている。
萩生田前政調会長は2018年からの5年間で2728万円を受け取り、引き出しに保管していたと会見で説明した。個人で受け取った政治資金を政治活動に使わず取ってあれば課税対象になるはずだが、政治団体の収入として報告書を訂正すれば免責されるのだ。
高木前国対委員長も会見を開き、過去5年間に受け取ったキックバック1019万円は同僚や後輩議員、マスコミ、有識者との飲食費や交通費などの政治活動に全額使ったと説明。だが、領収書やレシートの記録は何もないというのだ。そんな不透明な使い方が政治活動として認められるはずがない。
収支報告書は「支出」も重要で、政治活動に使ったことを示す領収書が必要だ。裏金を政治団体の「収入」に記載するとして、領収書がないのに「支出」をどうするのか疑問だ。高木氏はどうやって収支報告書を訂正するのか。
「飲み食いだけでなく、裏金を生活費に使っていた議員もいたでしょう。どう見ても個人の所得です。多くの裏金議員が不起訴になったことに世論は納得していない。政治資金規正法違反で立件できなかったとしても、脱税で逮捕か、せめて追徴課税でもしてもらわないと国民の怒りは収まりません。まもなく確定申告のシーズンですが、これでは納税を拒否する国民が続出しかねません」(経済評論家・斎藤満氏)
過去には国税と特捜部が連携して大物議員を脱税で摘発したケースもある。いい例が金丸事件だ。1992年に自民党の金丸信副総裁に5億円の闇献金が発覚。この政治資金規正法違反がわずか20万円の罰金刑で決着したことに世論の怒りが収まらず、翌年に金丸は巨額の脱税で逮捕された。
今回、国税庁は動くのか。裏金脱税議員が何のペナルティーもなしでは、納税者はやってられない。
萩生田前政調会長は2018年からの5年間で2728万円を受け取り、引き出しに保管していたと会見で説明した。個人で受け取った政治資金を政治活動に使わず取ってあれば課税対象になるはずだが、政治団体の収入として報告書を訂正すれば免責されるのだ。
高木前国対委員長も会見を開き、過去5年間に受け取ったキックバック1019万円は同僚や後輩議員、マスコミ、有識者との飲食費や交通費などの政治活動に全額使ったと説明。だが、領収書やレシートの記録は何もないというのだ。そんな不透明な使い方が政治活動として認められるはずがない。
収支報告書は「支出」も重要で、政治活動に使ったことを示す領収書が必要だ。裏金を政治団体の「収入」に記載するとして、領収書がないのに「支出」をどうするのか疑問だ。高木氏はどうやって収支報告書を訂正するのか。
「飲み食いだけでなく、裏金を生活費に使っていた議員もいたでしょう。どう見ても個人の所得です。多くの裏金議員が不起訴になったことに世論は納得していない。政治資金規正法違反で立件できなかったとしても、脱税で逮捕か、せめて追徴課税でもしてもらわないと国民の怒りは収まりません。まもなく確定申告のシーズンですが、これでは納税を拒否する国民が続出しかねません」(経済評論家・斎藤満氏)
過去には国税と特捜部が連携して大物議員を脱税で摘発したケースもある。いい例が金丸事件だ。1992年に自民党の金丸信副総裁に5億円の闇献金が発覚。この政治資金規正法違反がわずか20万円の罰金刑で決着したことに世論の怒りが収まらず、翌年に金丸は巨額の脱税で逮捕された。
今回、国税庁は動くのか。裏金脱税議員が何のペナルティーもなしでは、納税者はやってられない。
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