自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件。岸田文雄首相は施政方針演説で政治改革の決意を強調したが、肝心の具体策は語らなかった。政治への信頼はあらゆる政策遂行の前提だ。裏金問題への批判は昨年11月から強まっていたにもかかわらず、首相は何をしていたのか。具体策もなく国権の最高機関である国会に臨むのは無責任極まりない。施政方針演説は国会召集日に行うのが通例だが、今国会は野党の要求で「政治とカネ」に関する衆参予算委員会の集中審議を先に行う異例の展開となった。首相は演説で裏金事件について「国民から疑念の目が注がれる事態を招いたことは極めて遺憾であり、心からおわびする」と陳謝するとともに、派閥の政策集団への衣替えなど自民党政治刷新本部が中間報告に盛り込んだ改革案などを「私自身が先頭に立って、必ず実行する」と述べた。ただ、これらはいずれも党内の対応策だ。政治資金規正法改正については各党と真摯(しんし)に協議する姿勢を示すだけで、政治資金パーティーの規制強化や連座制導入、政策活動費の使途公開などの具体策には一切踏み込まなかった。主要野党と公明党はすでに改革の具体案をまとめているのに、事件の当事者である自民党が裏金の実態把握や法改正論議に手を付けていないのでは、真に反省しているのか疑わしい。首相は演説で、物価高に負けない賃上げ実現や能登半島地震被災者の生活支援と被災地再生、こども・子育て政策の抜本的強化などに取り組む決意を強調した。いずれも喫緊の課題だが、首相自身が「国民の信頼なくして政治の安定はない」「政治の安定なくして政策の推進はない」と演説で述べたように、国民の信頼を失えばどんな政策も実現は難しい。とりわけ、多くの自民党議員が裏金に手を染めていた問題のけじめや再発防止策もなく、負担増を強いる予算や法律の成立に国民が納得するだろうか。首相自身も自ら率いた岸田派が規正法違反で立件されたことへの政治責任を明確にしていない。「民主主義の危機」を訴えて就任した首相自身が、今や政治不信の元凶になってはいないか。政権維持の思惑を捨て、喫緊の課題に政治生命を懸けて取り組むこと以外に信頼回復の道はあるまい。
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