飛騨の山猿マーベリック新聞

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◎「学校行かなくても、生きていれば取り返せる」 子どもの苦悩を歌にする悠々ホルンさん 自身も自殺未遂など経験

2022年08月29日 11時04分33秒 | ●YAMACHANの雑記帳
次々と届く子どもからの苦しみの声を、歌にし続けるシンガー・ソングライターがいる。千葉県我孫子市の悠々ホルンさん(35)。子どもの頃に不登校になり、自殺を2回試みた。夏休みが終わり、悩む子どもたちに「今の苦しみは一生は続かない。居場所は学校だけではない」と呼びかける。(鈴木みのり)https://www.tokyo-np.co.jp/article/198625
子どもからの苦しみの声を歌にし続ける悠々ホルンさん=いずれも千葉県柏市で

子どもからの苦しみの声を歌にし続ける悠々ホルンさん=いずれも千葉県柏市で

◆歌を聞いてくれた少年が自殺

 2018年8月末、ある男子高校生が始業式前に自ら命を絶った。同級生からのいじめに苦しみ、ホルンさんの歌をよく聴いていたという。自殺後に届いた生徒の母親のメールで知らされた。母親は「なぜ学校に行かなくて良いと言わなかったのだろう」と、自責の念をつづった。
 自分なりに子どもに向き合ってきたつもりだが、踏みとどまらせられなかった。「このまま活動していいのか」。半年間、ホルンさんは自問自答した。

◆自身も居場所なく、音楽が生きる支えに

 両親から暴言を浴びながら育ったというホルンさんは少年時代、ストレスから慢性的な頭痛や腹痛に苦しんだ。「居場所がない」と自分を追い詰め、10代の時に2度、自殺を図った。
 生きる支えは、ギターで音楽をつくる時間。思い浮かぶ言葉を口ずさみ、弦をはじくと曲ができた。不登校だった高校時代、バンドを結成し、卒業後の10年にソロデビューした。
 ファンと交流するうち、親の暴力や学校での人間関係に悩む10代の声をよく聞いた。子どもの手紙やメールを受け付け、それをもとにつくった歌をユーチューブで公開するように。そんな時、男子生徒の自殺の知らせが届いた。
苦悩がつづられた子どもからの手紙を読む悠々ホルンさん

苦悩がつづられた子どもからの手紙を読む悠々ホルンさん

◆少年自殺の翌年、願い込め新曲公開

 「親には子どもの苦しみを知ってほしい。子どもには同じ思いの仲間がいると感じてほしい」。翌年、こう願いを込め、新曲「助けて欲しいなんて誰にも言えなかった」を公開した。
 平気そうな顔つくっているけど
 本当はつらかった
 逃げればいい相談すればいいと言われても
 それができない できないんだ
 ネットで「死にたい」と検索し、ホルンさんの曲にたどりつく子も多い。「リスカ(リストカット)してます」「生まれてこなければよかった」。寄せられた相談は8000件を超える。

◆「ゆっくり自分の道を探して」

 内閣府自殺対策白書によると、18歳以下の自殺者数は夏休み明けの9月1日前後が突出して多い。学校の再開で動揺が生じやすいことが原因とされる。
 ホルンさんは10代を振り返り、訴える。「生きるのが向いていないと思ってたけど、人生何があるか分からない。学校に行っても行かなくても、生きていれば失ったものを取り返せる可能性は残る。ゆっくり自分の道を探してほしい」
 夏休み明けのこの時期、NPO法人「フリースクール全国ネットワーク」などは9月9日まで、自殺防止キャンペーン「#学校ムリでもここあるよ」を実施し、子ども向けの相談窓口などを特設サイトで紹介。文部科学省や法務省も電話相談を受け付けている。
 
 

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