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■礼賛とアピールばかり
都議会では質問に立っても小池知事への礼賛を垂れ流すだけで、追及はナシ。それどころか、野党系会派の議員が小池知事に厳しい質問を展開するや「知事は一生懸命やっているだろうが!」とヤジを飛ばすこともあった。そのせいで、この8年間の小池都政は「キャスチングボートを握る公明党の案を知事が丸のみし、都議会で追認するだけだった」(都議会野党関係者)。二元代表制を形骸化させた、文字通りの負のレガシーと言える。
彼らの本質が見えたのが、今年3月の都議会定例会でのことだった。立憲民主党議員が同月中旬の予算特別委員会で、知事本人に答弁を求めても担当局長に答えさせている小池知事の姿勢を「答弁拒否」などと批判。すると、後日の本会議で都ファと自公が立憲都議の発言の取り消しを求める動議を提出し、3会派の賛成により可決されたのだ。都民の負託を受けた議員の発言の削除を迫る異常事態だった。
礼賛とアピールばかり
「3年前の前回都議選で、選挙前議席数の45から31に減らした。とはいえ、選挙前に永田町で出回った議席予想データでは都ファは13議席だった。事前予想に比べて踏みとどまったのは、小池知事が過度の疲労で療養に入ったことで、同情票が集まったから。こんなミラクルはそうは起きない。来年の都議本選は、本当に13議席になるか1ケタ台に落ち込んでもおかしくないだろう」(都ファ関係者)
肝心の小池知事の応援も期待できない。都知事選で小池知事が自民・公明と握ってしまったため、都議選で都ファだけを応援するわけにはいかないからだ。実際、小池知事は都議補選の期間中、都ファ候補の応援には行かなかった。来年の都議選は軒並み“アウト”か。 =つづく
(小幡元太/日刊ゲンダイ)
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