米軍横田基地(東京都福生市など)で8月、発がん性の疑いがある有機フッ素化合物(PFAS=ピーファス)を含んだ汚染水が基地外に流出した恐れがあると米軍が明らかにした問題で、基地南西部の福生市に流出した疑いがあることが分かった。防衛省北関東防衛局が16日、都と基地周辺6市町でつくる連絡協議会に、米側からの追加情報として伝えた。(松島京太)
◆PFAS汚染水は雨水排水系統に流入、回収はされず
都や福生市によると、基地内の消火訓練場の貯水池から漏れ出た汚染水が、雨水排水系統に流入し、基地南西部の福生市につながる排水口から基地の外に流出したとみられる。当時は台風の影響があり、流出した水は回収されなかった。
貯水池のPFAS濃度は昨年11月の調査で、国の暫定指針値の32倍に当たる1リットル当たり1620ナノグラム。米側は「PFASが残留していた理由は、過去の消火訓練で使った泡消火剤が含まれていたため。この水は定期的に回収し処分している」と説明したという。
◆通報遅れに米側「水の流れを追う調査が複雑だった」
漏出事故の発生から通報まで1カ月以上遅れたことについて米側は「流出した水の流れを追う調査が複雑だった。基地外に流出した可能性が高いと判断した時点で日本側に通報したためだ」と釈明した。
都の担当者は「地元と連携して必要な対応を求めていく」と語った。福生市の担当者は「立ち入り調査の申請について、他の自治体と今後協議して検討していく」と述べた。
漏出事故は8月30日に発生。豪雨の影響で消火訓練場の貯水池からPFASを含んだ汚染水約4万7000リットルがあふれ出し、基地外に流出した可能性が高いことを初めて米軍が認めた。地元自治体への情報提供は今月3日だった。連絡協議会は詳細な情報提供などを今月4日、国に求めていた。
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